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サイキョウシャ  作者: 若山薫
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5.転生者達

その頃、キョウとレイはまだ丸い円盤の上に乗っており、キョウは何も喋らず止まっていた。そのまま落ちていきある地面に近くなったところで速度が遅くなっていった、レイは飛んで降りる。


その場所は、暗いが青い花などが咲いており、その花から光が出ている幻想的な景色であった。上はあり得ないくらいに広く上が見えない風になっている。ここが半径100mほどの大きさの円状形の場所であることをレイは確認した。


キョウは止まっており丸い円盤が止まると同時に動き出した。


「わっ、」


と言い、「ドスン」という音を立てて地面からあと1mほどの所で落ちた。キョウは、落ちたことで倒れて少し足を痛めながらもゆっくりと歩いてレイの所へと行く。


「なんで、俺が落下していることを分かるようにしたんだよお前。やっぱりお前性格が悪いなしょうがねえけど。で、このドアはなんだ?」


とキョウは前にある青色の花が咲いている劣化したドアを指さして言う。それに対しレイは「知るか。」という感情を出すために無言で応答する。キョウとレイはドアに向かって歩きドアの前でレイの無言に対してキョウが言う。


「まあそうだわな、一旦行こう。ここに転生者がいればたおせばい、」


その瞬間、ドアを貫通して剣が飛び出してきた。キョウとレイは反射的に後ろに下がる。


――まじかよ、こいつらもしかしたら俺らがここにいるって知ってるのか。そんなことこいつらは知らねえはずなのによ。


レイとキョウは戦闘態勢に入る。すると、ドアが開き人と思われる者が3人現れた。その3人は横に並んでおり、全員が男子であった。その中の一番左にいる剣を持っている少年が話し出した。


「予想通り、侵入者が入ってきましたね。」


――予想通りってことはやっぱ分かってたんだな。クソ。誰かから情報が漏れたのか?


その瞬間一番左にいる男ソードが右手を前に伸ばし手を開く。そうするとまっくらで何も見えなかったドアの奥から剣がなん本も空中に浮遊しながらキョウめがけて一斉に向かってくる。


――クソ、剣をこいつは操るのか、やべえな防げねえ。


「死ね。」


レイがそう言って小指を覆い隠し水色の仮面の黒い物体を出現させる。そうすると、剣が動くことをやめ空中に浮遊した状態で動きが止まった。そのまま、その3人からキョウとレイは距離を取る為に後ろへと走りながら下がっていく。


「ありがとよ、」


「言わないんじゃ。」


「うるせえ、黙ってろ。」


その走っていく様子よりも転生者側は水色の仮面をした黒い物体冷酷の懟呪と止まっている剣を見て動揺している。


「なんで剣を動かさなかったんですか、ソード。」


と左の白髪に赤目の男ソードに対して真ん中の緑髪に緑目の男ライトが言う。


「それは、違う。僕の能力でちゃんと動かしてるはずだよ。でも全然動かないんだ。」


と左の男ソードが言うと、右の黒髪、黒目の男の子ヘブンが言う。


「そうなんですね、それは仕方がないですね。作戦通りにはもうこのままだと行けなさそうですけど、どうしますか。」


ヘブンがそう言った直後に剣が動き始め剣先が向いていた方向へと直進していった。


「やっと動いた。」


その状況をライトは見ながら何かしらの敵の効果が働いていることを感じながらそれを一旦伏せて、


「そうだな、個人でしっかり動くことにしよう。それで分かった情報があれば他の人に伝えるように。」


と真ん中の男ライトが言う。


「分かりました。」とヘブンが、


「分かったよ。」とソードが言う。


そうして彼らは、ライトが真ん中、ソードが左、ヘブンが右へと走って行った。


――さてと、状況を整理してみよう。


と緑髪に緑目の男ライトは考え始める。


――まず、大切な事それはあのよくわからない水色の仮面の黒い物体の存在と剣が止まった原因だ。あれは本当によく分からない。一旦敵にご対面したいものだ。だからこそ俺は、光を放つ青い花を近くへと持ってきて敵に自分の位置を示して見せている。これで敵が俺に近づいてくれば楽なのだが。


ライトの周辺には青色の花が多くあり、光が彼を包み込むようであった。だがそれは逆に暗闇になっているこの空間で自身の場所を明確にしている事と同義であった。もちろん、その馬鹿そうな敵を見て動かない者はいない。


「死ね。」


レイはそう言って左手で小指を覆うようにして水色の仮面をした黒い物体冷酷の懟呪を召喚した。


――あれ、動かないな。これは、どういう事だろうか。なぜ、動けないんだ。あれ、動けるようになった。


そうして、彼は硬直が解けた後も少し考えるように左手を顔に近づけ顎の部分を触り地面の方を向きながら、10秒ほどじっくりと考えた後に言う。



「分かりました。貴方達は、よくわからない物体を召喚すると言われていますが、それが今出ている水色の仮面をしている黒い物体でそれによって俺の動きを止めているという事ですね。ということはその黒い物体を倒せばいいという訳ですね。」


そう言ってレイを見ると、彼女自身はいたが影はなくなっており冷酷の懟呪はいなくなっていた。


――ほー。


とライトは思う。


――彼女のよくわからない物体は出たり消えたりするようだな。物体を出す条件などがあるのだろうか。どうやって出しているのだろう。もう一回出させてみよう。


ライトは自身の歩いてきたところまでにあった花を浮遊しレイへ向けて当てようとする。レイは、


「うるさい、黙れ。」


と言い、小指を覆い隠し冷酷の懟呪を召喚する。すると花自体が浮遊しながら止まり進行することを拒絶した。


――剣と同じ状況だな。だが、今回は俺自体が動ける状態にある。…………、これは、今が物体を倒すチャンスだな。


ライトはそう思い、自身の右の鞘から緑色の剣を取り出す。


――俺のLvは99そう簡単には負けないだろう。


ライトは、直進し懟呪へと切りかかる。あまり、切った感触はなく「スカン」と剣の音がなる。


――これは、かなりこの物体弱い簡単に死ぬんじゃないか。


その瞬間、ライトは動かなくなった。そうしてレイはライトへと近づく。その間に浮遊していた花は落ちていった。


――これは、またさっきと同じ状況だな。この物体を切った所がもう完治している。なんでだ…………、


そうして、レイはライトと数センチの所でレイはライトの目を見ながら話し出す。


――これが敵の姿か、冷酷そうな顔つきをしているまるで俺みたいじゃないか。


と自身の感情と敵側の感情が似ていると訳が分からない理論をライトは思っていると


「貴方は、正義感が強いですね、貴方は、頭がよさそうですね、貴方は、美男ですね、貴方は、花を操れるのですね、貴方は、人を愛せそうですね、貴方は、てんさいですね。」


――……、何故、俺は今敵に褒められているんだ。何故、俺の目をこんなにも見てくるんだ。少し……、恥ずかしいじゃないか。


「こういわれれば貴方は、とてつもなくうれしいのかもしれない。でも、貴方はそれを何も持っていない。転生する前は気色が悪いニート、花を操れるのは転生者のおかげ、美男も同様。人なんて愛したことは無い、頭がいいふりをしているだけでなんの努力もしていない。頭がいいわけでもない。」


――……、何でおれの事が全て分かるんだ……。


ライトは、今この世界にきて初めて一人の人に恐怖というものを感じていた。反抗する気力すらもすべて吸い取られていくように彼は感じていた。


「正義感もただこの世界で生きやすくするための偽りの感情。」


――……、それだけは、

                                                                   

レイは何も思わずただライトの目を瞬き一つせず見ていた。


「面白くもない人間ですね、一切の変化もない。」




――……、俺は、俺は、人を、世界を平和に!!


「……、少しだけ変わった、腹が立つ。」


そう言ってレイはナイフの欣求(カムトーン)をライトの心臓へと刺す。


――グハッ!! これは血か?? 久しぶりだな血なんて……、


「貴方の話なんてどうでもいい、貴方は、考える事をほぼ捨て去った人間、ちゃんとした目的すらも持ち合わせていない、平和なんてものないというのに、弱すぎる。」


――あれ、意識が朦朧と






しないな。


ここは、どこだ。あたり一帯が黒い? ここは地獄か? 目の前に誰かいるな。まだぼんやりとして見えない。さっきの女っぽいな。月が見える、あれは満月?


ライトの目の前にはレイが笑ってあぐらをかいていた。ライトがいるところはあたり一面が黒い空間となっており、出口も入り口もない場所であった。そうして、彼の前でずっと笑っているレイが話し出す。


「私はね、私はね、人を痛めつけることが大好きなの。だからね、一旦ね、死んで。」


そう言って満弁の笑みをしながらレイはナイフをライトに刺し、一度引き抜く。そしてまた刺し、抜き、刺し、抜く。


――イタイ、痛い、痛い、イタイ、痛い、痛い、痛い。あ、死んだ。






なんだ、頭がおかしくなってるのか、ゲームオーバーってなんだそれ、死ぬ直前にからかいやがって、文字はバクってるし、頭がおかしくなりそうだ。あ、消えた。


暗いな、


ライトの目の前には、ただの黒い空間が広がっていた。ただただ暗い空間誰もいない、何もない息をライトしかしていない孤独な空間。彼は、目を閉じた。自身の死を確信して、


――死ぬんだな、死ぬんだな、……死んでしまうんだな、死んで、死んで、俺の人生は意味が無かったな、現実世界では逃げて逃げて逃げ続けてしょうもない理由で自殺してなんのことか分からずこっちに来て異世界転生で浮かれて、天才気取って考えるふりして馬鹿みたいに馬鹿みたいにバカみたいに正義感を気取って、意味もなく自身の力に浮かれて生きて、女子の仲間ばっか増やして、転生者達に呼ばれたからってこっち来ていつも通りしてたら今の冷酷な顔に出くわして考えるふりしてたら、こうなった。無駄だったよ、無駄だったよ、でも、でも




もう少し生きたかったよな。



なんだ、眩しいな、ここは何処だ、ここは、みんないる、みんないるじゃないか!!


ライトが見たものは、自身が仲間としていた女の戦士と格闘家であった。ライトはベットで寝ていた。


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