25.ボルテージ
瞬間エビルは上空を目視し右目にコンタクトをつける。
「さてと、久しぶりね。エビル。」
「お前、さっきも戦っただろ。」
「そうみたいだけど私にとっては本当に久しぶりなのよね。なるほど、私たちの未来が私には見えたわ。」
「なんだそれ、能力の提示でもすんのか。」
「してあげるわよ。私は戦いを楽しみたいもの。ノンはもう未来を見て怯えてしまった。これからは私との戦いになるわ。それで貴方の召喚者が部屋を使うほど切羽詰まっていて懟呪を操ることと、カウントによるボールの出現を除外した三つの能力で使えるものがないという考察は、理由としては間違ってるけど結論としてはあってるわ。それも後から説明してあげる。
前言ったようにあと五つの能力がある。ちなみに私の武器はバットの欣求で、それの能力は貴方が思っている通りよ。あのまんま考察通りすぎて何も言えないわ。」
「あっそ。」
――そりゃあそうだろうな。
「一世全部言ってあげる。」
――こいつやっぱ馬鹿だな。
エビルはその間に手の懟呪の中指を立てた状態にし
「気色悪さの最大値」
十秒かけて百体複製させる。
「まず、欣求についてね。私の欣求はバットの欣求。条件としてバット時とハンマー時で対象物が異なっていて、「1」とか「2」とかいってたのがカウントで、それを貯める時も使う時もカウントの数を声に発して宣言しなければいけないわ。
まずバット時は、対象物は生命体のみ、一つのみに限定されていてその対象物が操っている物に当たってもカウントは貯まらない。対象物に振って当たればカウントは「1」貯まる。
カウント「4」から、対象物の速度を遅くするか、攻撃力を低下するか、能力自体を使えなくすることが出来る。これらの三つから確率的に決められたもので能力が発動される。能力自体を使えなくする効果は一%の確率でしか出ないわ。他二つはほとんど五分五分ね。」
――だから②の能力を使えなくなってたのかよ。マシンガンを連射するときに速度が下がったのはそれが原因か、だけどよそれ以外あんま速度と攻撃力は違和感なかったけどな、目の欣求の身体能力向上を使いすぎて頭ばぐってるのかもしれねえな。それにしてもおかしいよな。
「バットの欣求でのそれらの効果はカウントを消費することで消滅するわ。」
――なるほどな、マシンガン撃った後は七つ目の効果で手動かしてて動いてなかったからわかんなかったのか。さっきもほぼ手ばっか使ってて動いてなかったからな。二つ目の効果使えないって予想して消したのによ、消してなかったら今使えてんじゃねえか。使えなかったから消したのにな。
「それでそのバットの欣求の効果を発動する時に貯めてきたカウントを使うわ。バットをハンマーに変えるのが「2」、ハンマーをバットに変えるのに「2」消費するわ。ハンマー時対象はなんでもOKになる。ハンマーを振って、ハンマーを対象に当てることでその部分又は器官、細胞を破壊することが出来るわ。当たらなかった場合も「1」カウント消費される。
懟呪の能力は十一個存在しているわ。前話さなかったあと五つの内の三つと●、部屋を分かりやすく説明してあげる。
一旦前具体的に話したのは、一つ目俊足。三つ目黒い壁。四つ目、相手の全て理解。八つ目、懟呪が出ていない状態でも懟呪の能力を発動できる。この四つね。
●「笑顔の笑顔」。対象に近しい存在を一旦全てこの現実世界から除外、死亡扱いになるわ。条件は、一日一回のみ、召喚者の時どんな場所であっても人と話すか何かを言う時笑顔を作る。感情が高まると笑わないといけないわ。「お願いしますww。」って召喚者が笑いながら頼み、私が首を縦に振ってそれに私が賛同して目を瞑るとその瞬間にこの能力が発動されるわ。
②「精神封鎖」。懟呪からの精神的攻撃を受けない。九つ目の能力を使っているとこの能力を使うことはできない。部屋に関しては受けてしまうわ。
なんでって、部屋自体に封じ込めること自体は懟呪の効果だけどそれ自体は精神的攻撃ではないし、部屋の中に入った後の効果は部屋によって生じた効果なだけで懟呪からの効果ではないからよ。まあ、部屋内での懟呪からの精神的攻撃なら無効にできるかもしれないけどね。」
――いかれてんな。
「五つ目、理解の部屋。条件は、自身より強いと私の召喚者が思い、その相手に部屋をすでに使われてしまっている場合。一分だけど受ける人にとっては一か月感じるわ。結構厳しい条件だからそれなりに厳しい効果だったはずだったんだけど、」
「別に、」
「嘘、じゃないわね。六つ目、「固まれた弱さの象徴」。ボールを投げてそれが当たればハンマーと同じ効果が発動しそのまま何か障害物があったとしても絶対に十キロメートルは直進する。条件はカウントを「2」使う事ね。
――ハンマーとボールは同じ効果が発動される。これでほぼ確定だな。七つ目は四つ目と同じく手の懟呪の一つの細胞からできている。
「七つ目、「臆病な女」これが一番重要かもしれないわ。未来を理解する。この未来を理解する能力は、そのまんまの意味で未来を知ることが出来るわ。召喚者はそのままの行動を絶対に取ってしまう。
それが未来でもう決まっているからね。その未来では確定的に未来を見ることまでも決まっているその未来は変更不可能よ。私を除いてね。私だけは未来を変更することが出来るわ。実際言って貴方は理解の部屋で死ぬ運命だった。」
「そういうことか、部屋を使うほど切羽詰まっていたわけじゃなく単純に未来で確定していたことを青髪はやっただけで部屋を使ったときは焦ってはなかったのか。部屋を使うほど切羽詰まっているという理由付けは間違ってが三つの能力で使えるものはないことはあってるってことか。」
「そういうことよ。」
「じゃあ、何お前はで俺を殺さなかった? 青髪は未来の変更が不可能なんだろ、お前が変えた意外に手段はねえはずだ。」
「私があなたに対して興味が出ちゃったからよ、」
――気色わりいな、
「お前に操られている能力はないのかよ。」
「それはあるにはあるのだけどね。さっきの厳密にいえば違うの。ただ私が操っただけ。能力なんて発動もしてないわ。それぐらい貴方なら分かるはずよ。」
――!!…………、すごいこと言っているね。でも、本当みたいだ。僕があの青髪君と戦っている間ずっと僕はキョウ君の様な話し方や感情を持っていた。懟呪に半分操られた状態にあったんだね。なぜかそれは自制心が働いてなかった。働かなかった。……、フフフ、はっはははは。
「ははははは、……最高な示唆をありがとう。青髪君いや、黄髪君かい、言いづらいな青髪君でいいや。僕も全然分からなかったよ。ほんとに驚いちゃって笑いが止まらないよね。そんなまさか僕が自制心も働かすことが出来ていないなんて、ほんとすごいね。」
「それは良かったわ。でもまだ話は終わってない少し待ってなさいよ。八つ目、「ブラフをかける者」懟呪を召喚していない状況でも召喚者は懟呪の能力を全て使うことが出来る。九つ目、何だと思う?」
「君提示する気がないんじゃないのか?」
「いや、流石に提示するわ。」
――これ言わなかったら提示しなかったくせにかい。さっきまで話した三つしか具体的に説明しないって言ってたのを僕は覚えているんだよ。ここまで未来で見えているのか、本当にめんどくい子だね。青髪君は、
「九つ目、心臓よ。」
――……、
「!! …………、な……、なんだい、それは?」
数秒間迷った後、意を決してエビルが疑問を問いかける。
「心臓は部屋と同じで確実に懟呪召喚者なら持つ能力。さらなる何かしらの能力を得ることが可能だわ。貴方なら一切疑わないでしょうね。さっきほぼそれと同じ感じだったんだから。」
「いや、それ君は嘘をついてないかい。心臓という能力の詳細はまだ分からないけど、君の言う心臓の能力を僕は懟呪が人の体を乗っ取って操る能力であると思ってるよ。」
「だ、」
「でもね、それには一つだけ条件があったりするんじゃないのかな。例えば、君の召喚者の青髪君がもう勝てないと思った又は操ることに同意したとかね。でも、僕は召喚しただけで懟呪からの条件を呑んだつもりはない。だから、僕がなったのは半分操られている状況なだけであって多分だけど君の今の状況が心臓と言われる状況であるならば、条件を呑んでいるという点と能力が付与されている点で違う。
二つの重要な点が違ってたらもうそれは別物と扱ってもいいんじゃないのかな。だから、僕はほぼそれと同じだったという君の発言は嘘ではないけど紛らわしいものになると思うんだ。まあ、これは僕の推察と根拠のない理屈によって導き出された屁理屈だ。でも、そこまで君は未来で見ているんだろ、ヴゥ!!」
ノンの体を乗っ取っている理解の懟呪はその発言に何も言わないままエビルの頭をバットで殴る。
バッゴン
「9」
「……、だわね。」
――流石だね、馬鹿だ。
エビルはそのまま動かず百体の手が理解の懟呪に向かって行く。理解の懟呪はそんなこと気にせず俊足で動きエビルの顔面をもう一度殴ろうとするもそこに手が現れそれを邪魔する。
――まあ、分かってたけどね、今の状況でこれ以上彼女には近づくことは出来ない。そんなことわかってるわよ。
理解の懟呪はエビルから少し距離を取る。
――青髪君は、僕へと近づけないことをまあもちろん理解しているよね。僕の事と未来を見えてるんだから。結局心臓の条件はなんとなくわかったけど効果自体は不明なまま。そんなことよりも結局は青髪君の攻撃手段を失くすことが最優先だけどね。
四つ目の能力で現れる手の懟呪の複製体は確かにバカだ、だけど有効活用することは可能。目的を一つしか聞かないという条件になってるけどあれはその目的についての条件は一つしか無理であるということ。
単細胞的な動物と言っても動物は動物。少しは直感的な考え方が出来るようになっている。本能的、野心的な物それくらいは複製した手も持っているはずだよね。それを証明するように手の分身は絶対に重なることは無かった。一個体が一個体としてしっかりと動けるようになっていた仲間意識はないけどね。
だから僕はその欠点を拭う。ノンが僕に攻撃し始めたらバットを取れ、だが手に攻撃をするな。少しだけ複雑かもしれないもしもというifという要素で追加すれば一つの目的になるんじゃないかな。効果だって様々な条件がある。それがあるだけなんだから一つの目的であることは変わらない。まあ、条件を複数付けたら単細胞だからそれらをうまくは出来なくなるだろうけどね。
今の僕の能力は一つ目と二つ目が使えない状態。やっぱり六つ目の能力はすごく効果的には強いけどデメリットが大きすぎるね。もう六つ目は使わない。右目はあと一回で盲目になる。マシンガンもほぼないから使わないだろうね。さて、後は青髪君の心臓次第で戦況が変わる。どんな能力なのかな。
バン……、シュゴーン!!
あれ?
その瞬間、エビルの左目がなくなった。エビルは左目を手で触る前に考え始める。
――別に左目で見た感じ青髪君が投げてる感じはしなかったんだけどな。なんでだろうどこから来た? 前からは来てないね。
エビルは後ろを見る。そこには理解の懟呪がいた。その理解の懟呪はノンではなくポケットに隠れていた理解の懟呪の小さい白い個体の方であったであった。
ドン……、ガギーン!!
その音が聞こえると同時に白色の理解の懟呪が右手に持っていたボールを投げる。
――ヤバイね、左目が見えない状態だから今目の前の白い子がボールを投げている状況しか把握できない。あの音はボールを打ったのかな。そしたら前方からもボールが来てるかもしれないね。ボールは手で防ぐことも出来ない。一旦白い子の奴をよけよう。
エビルは白い理解の懟呪から投げられたボールを右目の視界から目視し顔面すれすれでよける。
――あぶな、n、
バン……、シュゴーン!!
エビルの左膝にボールが当たり左膝から下すべてが消滅していく。
「10」
――前方からも来てたね。これはやばいかもしれないね。能力もわかんないままやられる可能性が高い。しょうがない一旦右目を使いきらないと全体が全然見えない。
青髪の動きがその瞬間止まる。
――……、
理解の懟呪は何も言わない。エビルは右目のコンタクトを取りそれで青髪を直視する。
バゴーン!!!!!!
その爆発音とともにエビルはその場に残る。青髪は爆発に巻き込まれ遠くまで吹っ飛ばされる。ことはない。その現状をエビルは見れておらず、そこにいるものだと思い込んでいる。
――部屋も消滅させちゃったね。でもこれはしょうがなかったどうしようもな、
その瞬間、エビルの右目はなくなった。彼女の視界は見えなくなり彼女は文字通り何もできなくなった。
――うーん、六つ目の効果を連打して倒すしかな、
「11」
エビルの口がなくなる。
「やった、すごいクリーンヒットだわ。」
――いかれてるね。心臓の能力全然理解できないよ。
「そうよね、視界見えてないんだから。もう貴方にはほぼなにも出来ないはずよ。貴方がやることは未来で見てるんだけど。」
「そうかい。なら、僕の考察を聞いてくれ。心臓の効果は、自分の分身を作っての野球みたいなものだね。まず、自分の分身の理解の懟呪白い子だね。その子が六つ目の効果と同じ効果のボールを投げる。でもそのボールには一つ特殊な効果があるんじゃないのかな例えば当たればカウントが元に戻るとか。僕が受けた感じカウント「2」をさらに言えばカウントを一つも消費している感じはしなかった。だからそのボールは敵に当たればカウントが消費されないとかそんなとこだろうね。
次にもう一度ボールが帰ってきたことあれは単純に君が投げられたボールをバットの欣求で打ったただそれだけだね。それが僕に当たればボールの効果とバットの効果が適用されてカウント「1」貯まるようになっている。そんなとこかな。」
「そうよ、それは合ってるわ。だ、」
――欣求の効果が効かないんだろうね。そうじゃないと、心臓を発動したときに目の欣求が発動されたからそれで死んでるはずだからね。
――惜しいわね。欣求の効果でのダメージを受けないのよ。
「2」9
――……、
ドン
「1」8
エビルの耳がなくなる。
ドン
「1」7
エビルの右ひざから下がなくなる。
ドン
「1」6
エビルの顔がなくなる。手の複製体十組は動くことがなく、百体は青髪を追いかける物の一向に捕まえれずにいた。
――……、ヤバイね死ぬ。
ん?
あれ、血が出てるかもしれない。
その瞬間青髪が言う。
「終わりよ、わた、」
04:16:16
「シュン」
その瞬間青髪は首を跳ね飛ばされ死んだ。
――あれ?
エビルの心臓が斬られる。コトンと音を立て地面にエビルの心臓や肝臓などの器官が散らばり、血が地面に浸透する。その張本人はそれを見るとすぐさま自分がやってきた道を歩き出す。
「なんで君は逃げようとしているのかな?」
その張本人は後ろを振り返るそこには、元通りになっているエビルの身体が存在していた。手の懟呪とその複製体が百体ほどそこに存在していた。エビルは話し出す。
「もう一度聞くよ。君は誰だい?」
「……?」
「本当にめんどくさいね、楽しんでいたのに邪魔された子に名前を聞くことがどれほど苦痛か君は分かるか? 人の血をうまいうまいって言って飲むくらい嫌な事だよ。あでも、それよくよく考えるといいかもしれないね。」
「影の部屋」
そう誰かが言うと、エビルは気を失い地面へと膝から崩れ落ちた。手の懟呪とその複製体も動かなくなった。
その誰かは誰かに向かって何も言わず肩に手を置くと三秒後消えその場には身体しか残っていなかった。
「忘れないように」
私はベットから起き上がった。まだ深夜だった。私はその時自分の体内時計の適当さに異常に腹が立ち、左手を部屋の壁に当てる。私は押し入れからぬいぐるみを持ってきてそれに対して足で蹴り、腹パンをくり返して怒りを縮小していった。私は頭の汗を拭こうと右手を頭に当てて拭く。
「あれ?」
右目から水が出ていた。
「あれ、なにこれ? わけわかんないんだけど、」
そう言いながら私は鏡を見に行く。
涙出てる、あとなんで
「なんで、あんたがいんのよ、不満、召喚してないはずでしょ。まあ、喋れないからいいけど、」
「喋ることは出来る。」
「……、よくわかんないわね、別にどうでもいいけど、で何よ?」
「貴方は覚えていないが貴方は●の能力をすでに作っている。その能力は「忘れないように」条件として貴方が最も愛する人のどちらかが死んだ場合、貴方は両目から涙を流す。その時に私が召喚され、この能力を使えば消える。この能力による召喚時私がほかの効果を使うことはできない。貴方がこの能力を知らない場合、この能力を全て私が教えなければいけない。だから話すことができている。
能力として殺した人がいる場合、その対象者の弱点や殺すまでの手段を知ることが出来る。というものもし殺したくないならこの能力を使わなくてもいい。さあ、どっちか教えてくれ。」
え、
「そんな事どうだっていいわ。もう寝る。さよなら不満、」
そのまま私はベットの上で毛布の中へと再度入った。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」