11.決別
「ここが転生者がいると思われる廃墟ですね。中に入りましょう。」
街並みは多くの家が破壊されている状態で草木は枯れている。モンスターは少なく毒に侵されているような雰囲気であった。王国の城のみは少しきれいな状態で保持されている。
「転生者はこの王国の城の中にいると思われます。丁寧に備わっていて面積的に隠れることが出来ると思われるからです。」
シケンがそう訳の分からない理論を言い誰もそれに反対せず王国の城内へと向かって歩いて行くと腐敗した建物の中に一つだけ綺麗な小屋が存在していた。
「これは罠でしょうか?」
シケンがそう言って誰かが話す事を待つも誰も話し出さず時間のみが経過していく。そうしてレイが一歩前へと前進する。
「10秒経過して戻ってこなかったら行け。」
ただレイはそう言って建物のドアを開けた。
10秒ユウが少し耐えきれずにくしゃみをしたこと以外はなにも起こらなかった。
――帰ってこない。
「帰ってこないですね、それでは行きましょう。」
シケンはそう言って歩いて行く同様にしてヒキもなんの躊躇もなく歩いて行く。
――本当に大丈夫なのか? でも、ここでレイが死んでくれればそれはそれでいろいろと楽にはなる。死んでなかったらどうする?? ……、
三人は、王国の中へと侵入する。王国の中はでかい階段がありクラシック的な音楽が大音量で流れている。
――こんな大音量で流しているのに外には誰もいないのか。まず、三人で別れさせていや、そうしたら前と同じになるかもしれない。だけど、
「シケンさん、全員でこの場所を歩きましょう。そうすれば前回の作戦のようになる確率は低いはずです。罠らしき場所も同様に。レイさんは勝手な人なので知らないですが、」
最も合理的かつ確実な方法をヒキはシケンに提示する。
「いや、駄目です。それではムーンの早期救出をすることが出来ません。この作戦は転生者を殺すことが目的ではありますが、同時にムーンがさらわれていることも事実としてあります。なので、個人個人でムーンと転生者を見つける事を最優先とした方が合理的だと考えます。」
――何を?
「それでは、前回の作戦と、」
「そうですね、私もその意見に賛成です。」
とユウが賛成の表明をする。ヒキは二人の持っている意見が同じでなおかつ自身の意見とは異なることからシケンの為に時間の無駄遣いも考慮して
「分かりました。」
と言う。
「それでは、ユウさんは二階を全体的に見てきてください。私は一階の右、ヒキは一階の左を、」
「分かりました。」
「はい。」
そうして個人での行動が始まった。その頃レイは小屋の中に閉じ込められていた。その部屋は壁が全面赤色の血のような色をしていた。椅子が一つ小屋の中心に存在しており、レイはそこに座って目の前のドアをじっと見ていた。
レイは座った状態のまま左手を作る。レイの影から冷酷の懟呪が召喚される。
「お前は死んでおけ。」
そのままレイは椅子から飛び上がりナイフの欣求を取り出して床に刺す。
その数秒後ループという女は死んだ。
――…………、
レイは外に出て走った。その頃シケンは一階の右通路を歩いていた。ドアがいくつか存在しておりその中を確認していく。最後のドアを後は残すのみとなっていた。
――もういないんじゃないか。
ドアを開けた時そこから水がシケンの体に向かって飛んでくる。彼女はその水を見た瞬間にとっさに避けるも水は体の左の胃の部分に当たる。
――なんだ、重、
水が彼女の体に触れると水が消えることなく皮膚ごと胃を破ろうと直進してくる。そうして
――あ、
彼女の胃と皮膚は水によって破られた。体のその部分のみにでかい空洞のようなものが開き、血がドバドバと出てくる。
――ヤバイ、
転生者がいる事実の大きさよりも自身の身の安全の方を彼女は気にして左手を作る。その間にも転生者はドアの奥の暗闇から彼女に向かって歩いてくる。
左手を作ると中指から黒い液が垂れ床へと浸透し丸い形状となって彼女の懟呪剣の懟呪が彼女の目の前に召喚される。召喚されると同時にシケンの体の傷が全て直り完全に回復された状態となった。
「貴方は転生者ですね。」
と暗闇で見えない者へと声を掛ける。
ループ 主の自我(固有能力)
永遠の自我 永遠を作り出すことが可能。
他詳細不明
副の自我(MH)
詳細不明




