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33-2

「セシリア、ここで野宿したほうが安全じゃないか?」

「ひえっ。リ、リヴァ?」

「この辺りはあいつのおかげでモンスターもいねえみたいだし、良い場所だと思うんだけどな。封印石からは出て来れないんだろ?」

「うぅ、そうだけぉ……」


 まぁあんなデカいモンスターの近くで野宿ってのも、大概イカれてるよな。

 

「だけどさ、もしこいつが封印の外に出れるなら、今この瞬間だって俺たちは奴の餌食になっているはずだ。あの野営地で休んでいたって、襲われる可能性はあるだろう?」

「う、うん……この子、絶対出れない。とても強いまおうで、封印されていうから」


 魔王ならそりゃ最強だろうな。

 しかし、誰が何のためにアレを封印したんだ?

 随分強力な封印みたいだし。


「もしもの時は転移の指輪や帰還の指輪がある。逃げるだけなら簡単さ」

「あ、そうか。うん、そうね」


 ということでテントを移動することに。

 

 ライガルさんから借りたってことにしてあるこのテント、五段階の広さ調節が可能ってことだけど……。


「テント、一段階ずつ大きさ見てみたいな」

「あ、私もみたいっ」

「よし、この紐を引っ張って……あぁ、確かになんか引っかかりみたいなのあるな」


 引っかかりを感じてそのままポイっと地面に置くと、ぐぐーんと広がって──ドーム状のコジンマリしたテントになった。


「一人用、かな」

「小さい、かわいい」

「可愛いか?」

「うん、かわいい」


 可愛いの基準が分からない……。


 一度テントを閉じて、次は二段階。

 するとさっきの三倍ぐらいの大きさになった。

 地下街で見たのはこれの倍のサイズだが、手前と奥で区画が分かれたような構造だったな。


「二、三人用ってところか」

「かわいくなくなった」

「お前の可愛いの基準はなんなんだよ。形一緒じゃねえか」

「大きいとかわいくないの」


 大きさの問題か?

 俺とセシリアだけなら正直このサイズでもいいんだろうけど、流石に男女で密着して寝るのはよろしくない。

 三段階目のサイズを使うか。


 しかしこうして俺たちが野営準備してるってのに、あいつは我関せずだな。

 奴まで結構距離はあるものの、図体がデカいのでハッキリ見える。

 ここからステータス強奪できるだろうか?


[強奪するステータスを選択してください]


 お、出来た。

 さて何を頂こうか。

 平均的に上げるのもいいが、器用貧乏よりどこかを突出させて戦闘スタイルを確定させるほうがいいのかな。

 攻撃面はセシリアもいるし、体力特化にして耐えれる肉体に大改造するか!


[五年間欠かすことなく能力を使用したことにより、祝福が与えられます]

[強奪できるステータスが1から2に引き上げられました]

[体力を2強奪することに成功しました]


 ヨシ!

 え?


 まてまてまて。

 今なんて言った?


 五年がどうとか奪えるステータスが1から2に上がった?

 五年──五年──そうか。スタンピードが発生してからちょうど五年ぐらいだな。

 五年使い続けたからスキルレベルが上がったと?


 レベルUPの条件、厳しすぎだろ。

 だけど2に増えるのはラッキーだぜ。十日続ければ+20。百日続ければ+200だからな。なかなかにデカい。

  あとは──奴がどう反応するか。

 もしもの場合はすぐさま一時停止を使って逃げる準備をしなきゃな。


 が、一時停止が切れても、奴は気にするどころか目を閉じて眠ってしまった。



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