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26-2

 おネエが持って来た二着。

 一着はビキニアーマーかよってデザイン。鎧じゃなくって布だから、ただの水着とそう変わらない。

 もう一着は金太郎だ! いや、金太郎の前掛けだ! それで胸隠してるだけ!!


「却下!!!!」

「あらぁん、こういうのは好みじゃないのねぇん。そもそもあの子、こういう背中がモロ見えの服だったじゃなぁい」

「そういう問題じゃない! ふ、普通、普通のでいいから!」


 好みで言えば金太──そうじゃなくて、こんなもん着せて町を歩けるか!

 背中が空いてるのは、飛ぶときに翼を出すからなんだよ! ってのは言えない。


「仕方ないわぁねぇ~。じゃあこれでいいかしら」


 背中はぱっくりと空いた丈の短い白と青のワンピース。同じカラーリングのショートパンツの組み合わせ、か。


「まぁそれなら」

「んっふ。お代はちゃーんと頂くわよぉ。まぁ予算がなければ交換するけどねぇん」

「そのつもりで来たんだ。他にも着替えと、ダンジョン攻略用の装備が欲しい」


 おネエはおさげの眼鏡っ娘に服を渡してこっちに振り返った。


「コレも坊やに着せたのも、服──だけどちゃーんとした防具よん。特殊素材が使ってあるから、見た目より頑丈なのよぉ」

「そんな風に見えないけど……」

「じゃあこれならどぉおん?」


 突然おネエがハサミを持って振り下ろした。


「ひぎっ」

「アタシの商売道具よぉ。んふふふ~♪」


 シャキーンっと振り下ろされたハサミの刃が、今着たばかりの服を──服──

 あれ?

 切れてなーい。


「このハサミは鉄製なの。生地だけでも鉄の刃も通さないわよ。これ、切るのにすっごい苦労するんだから」

「すげぇ……けど高価なもんなんじゃ!?」

「あなた、ギルドの子にここを紹介されて来たんでしょ?」

「あ、あぁ」


 ド派手なピンクの屋根のおかげで直ぐに見つかったけど、角を曲がってからここまで意外と遠かった。

 

「んふふ。ルーキーはね、このお店を勧められることなんて滅多にないのよ」

「は? なんでまた」

「うちは一流のお店ですもの。一流の冒険者しか相手にしないの。だからルーキーはこの店にはこ・な・いってね」


 そんな店を、なんで俺なんかに勧めたんだ?


「ふふ。ただ例外があってね」

「例外?」

「そうよ。ギルドから将来有望だと判断された子は、うちを紹介されるのよん」


 将来有望……そんなに高く買われているのか、俺は。

 いや俺たちは、か。


「坊やとあの子の二着で、15.000エル」

「いちまん……うげっ」

「ツケにしてあげる。それと、アタシからの依頼を受けてくれないかしらん?」

「い、依頼?」


 その瞬間──


「リヴァァー、みてぇ、ねぇすごー気持ちぃ服ぅ」


 隣の部屋から真新しい服に着替えたセシリアが出てきた。


 

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