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地下の冒険者ギルドでも依頼はある。上に比べると種類は少ないらしいけど、ダンジョンでしか取れないものなんかもあるのでそういったものを持って来てくれって依頼があるそうだ。
ロビーの壁にそういった依頼を張り付けてあるから、その紙を持ってカウンターヘ。
そうすりゃ職員が依頼の受諾処理をしてくれる。
ドロップアイテムの査定もここだ。
他にも階層やモンスターの情報も金を払えば教えてくれる、そうだ。
「ここのダンジョンでは地下三十階までありますが、二十階までなら地図もございます」
「お金取るんだろ?」
「そりゃー……もちろん!」
っとメサヤさんはにっこり笑った。
「あ、マスターが来たようですね。それでは、ご武運を」
ご武運をって、お使いクエストだろ?
そんなに難易度高い依頼持って来るのかよ。
「よぉし。ギルドからの依頼だ!!」
え?
ちょ、そんな大声出されると、注目浴びるじゃん。
ほら、みんな一斉にこっち見てるし。
「リヴァ、セシリア。両名にはこの手紙を──」
「て、手紙を……」
「てがぃ?」
なんでそう、いちいち溜めるんだ。しかも手紙を掲げてるし。
え、これなにかの儀式?
「手紙を、迷宮都市フォレスタン地上支部のギルドへ届けてもらう。モンハウ鎮圧の報告が書かれた、この手紙を!!」
「え……地上……は?」
上のギルドって、実際すぐそこじゃん。階段で繋がってんじゃないのか?
なんでわざわざ──
「あの二人がモンハウ潰したパーティーか?」
そんな声が聞こえた。
「若い男女のペアってのは聞いてたが」
「地下十二階のモンハウとはいえ、あの若さで成し遂げるとは」
「あら、可愛い坊やじゃない。うちらのパーティーに誘ってみようかしら」
「頑張れよぉ、ルーキー」
「二人のおかげで僕らは命拾いしたんだ。ありがとう!」
「ありがとうよ!!」
へ、な、何が起きてる?
なんで俺、感謝されてるんだ?
俺はあの人みたいに……ただ、出来ることをやっただけなんだ。
「ふふ、ふふふ。こしょヴぁいねぇ。ね、リヴァ」
「え、あ……うん」
こそばゆい、か。
「さぁさぁ、早く仕事に行ってくれ。あ、横着して直通階段なんか使うんじゃねえぞ。ちゃーんと外の階段から行け。これが通行用カードだ。有効期限は三日だからな。三日以内に依頼を終わらせてくれよ」
「いや三日以内って、行って帰るだけなら──」
「さぁさぁ、行った行った」
「お、おい、え? ちょ」
ギルドマスターに背中を押され建物の外へと出される。その間も冒険者から拍手や称賛の声は止まない。
建物の外には神父がいて、真っ直ぐ後ろの通りを指差していた。
その先にあるのは──
地上へと続く最後の……階段。




