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19/111

10-1

*1/10までに投稿していた11話を、各2話に分割して更新しなおしております。

内容に変更は一切ございません。

1/11に更新した12話まで(この分は更新時に分割していました)順次UPしていきます。

また、今後もカクヨムで更新している分を2話に分割しますので、話タイトルは「〇-1」「〇-2」とします。

【クリスタルイーター】

「そんな名前のモンスターだったのか。セシリアも見たことあるのか?」


 新月の夜に、地下十一階に下りたことをセシリアに話した。

 するとあの動かない魔石モドキのモンスター名を教えてくれた。


 俺の問いに首を縦に振ったが、彼女は【ダンジョンじゃないところで】と文字を書く。


「地上にもいるのか」

【ダンジョンのモンスターは、全部地上のモンスターを真似て創られたの】


 そう文字を書いてからドヤ顔をして、それから【知らなかったの?】と。


「知ってる知ってる。忘れてただけですからぁー」

「ぐふぅ」


 ニヤりと笑うセシリア。

 こいつ、マウントを取ろうとしてんのか。


「てや!」

「いぃーっ」


 デコピン一発。


「クリスタルイーター……動かないし、反撃してこないから安全にステータス強奪できるじゃん。なんで十階にいないんだよぉ」

「おう、あぅ?」

「何言ってんのか分かんねぇ。どうやったらうまく喋れるようになるのかねぇ」

「うぐぅ……【ステータス強奪ってなに?】あぅ!」


 っち。はぐらかしたのにツッコミやがって。


「……俺は覚醒者だ。覚醒者って分かるか?」


 セシリアが首を振る。


「ふっふっふ。覚醒者ってのはなぁ」


 俺ドヤ顔。


「死に瀕した時に、力に目覚めた者のことだ!」

「おぉ!? うわぁい。おぉー」


 ふふふ。俺を崇めと奉れ。

 踏ん反り返っていると、そこでグゥーっと腹の虫が鳴った。


「ぷふっ」

「おい笑うな。覚醒者だって腹はすくんだよ」

「くふふふふ。あぃ」


 今日持って来てくれたのはパン……そして──


「あぁーん!」

「それを言うなら、じゃーん! だろう。うっわすっげ。ハムじゃん、ハム!?」

「くふぅー。んっんっん」


 ハムは一枚二枚ではない。ブロックだ。

 それを1センチほどの厚みで切ると、俺の背負い袋を指差した。

 フライパンを出せってことだろう。


 すぐに魔石コンロを作って火を付けフライパンを用意。

 ハムを二枚並べると、セシリアは更に鞄からキャベツを取り出した!!


「キャベツもあるのか!」

「あいっ」


 パターロールのようなパンを半分に切って、そこに千切りキャベツを載せる。更に焼いたハムを乗せて……。


 ゴクリ。


 ハンバーガーじゃん。

 もうこれハンバーガーだよ。


「い、いただきます」

「いああいまう」


 うぅ、うめぇ。マジクソうめぇ。


「ここじゃこんな肉は貴重だからなぁ。普段は薄っぺらい干し肉しか食ってねえから、柔らかい肉はほんと……ほんと……」

「いあぁ……」

「わっ。泣いてねえから! あ、泣いてる……あぁクソッ」


 ハム食って泣くとか、どんだけ俺の涙腺弱いんだよ。


「はぁ……地上は動物もいるし、狩りをすれば肉も手に入るからいいよなぁ」

「うぅ? ぁ……んお、にう、あうぉ。【ダンジョンも肉取れる】」

「いやいや、ダンジョンの中に動物はいないだろう」

【モンスターのお肉】


 ……マジか。

 いやでも、モンスターって死んだらどろって解けるじゃん!


「まさか肉を……ドロップするのか?」

「うんっ」

「返事が元気でよろしい。って肉をドロップううぅぅぅっ。だってそれ、モンスターの肉だろ?」

【食べられる】

「でもモンスターじゃん!」

【食べられる】

「いやわざわざ二度も書かなくていいから」

【食べられる】

「三度目ぇぇーっ」

【食べられる】

「あああぁぁぁぁーっ!!」



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