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恋愛相談に乗ってみたら、真面目で可愛い後輩女子に告白されていた。  作者: 久野真一
第1章 後輩と付き合い始めたがあんまり進展しないので困った
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第5話 後輩と一緒に、親友の尾行をしている俺たち(1)

 さて、俺と紬は恋人になったわけだが、それで話は終わりじゃない。肝心のタカと姫がまだ顔合わせすらしていない。


 俺としては、せめて、あいつらが仲良くなるのを見届けないと、安心して紬とイチャイチャできない。


 というわけで、俺たちは二人が顔合わせする当日に尾行することにしたのだった。


「なに言ってるんですか、縁ちゃん」


 紬の奴は何故だか胡乱な目つきだ。


「考えてもみろよ。せっかくの顔合わせ。結果を見届けないと、安心してお前とイチャイチャできないだろ?」


 俺だって、恋人になったばかりの紬とあんなことやこんなことをしたいという思いはあるが、それはこの件が片付いてからだ。


「そう言ってもらえるのは嬉しいんですが、ムードを考えてもらえません?」


 若干引きながらも、ツッコミを返してくれるのはありがたい。


 こんなやり取りをしている俺たちだが、現在地は、待ち合わせ場所の公園中央から見て、死角になった建物の陰。とてもじゃないが、恋人同士が甘い言葉をささやき合う場所ではない。


「でも、縁ちゃん、こんな本格的に尾行をしなくても……」


 紬としては、少し抵抗があるようだ。


「凝り性だって言ったのはお前だろ?」

「そんなところに凝らなくてもいいですよね、絶対!?」


 そんな俺たちの服装だが、俺は帽子をかぶって、ウィッグを装備。同じく、紬も帽子をかぶって、ウィッグを装備。これで、髪型からはばれないはずだ。


 自宅の鏡でチェックしたが、問題はない。通報はされないはずだ。うん。


「さーて、早く来ないかな……」

「縁ちゃん、楽しんでません?」

「実は、ちょっとテンション上がってる」


 二人がどうなるかと考えるとドキドキワクワクするのを抑えきれないのも事実だ。


「縁ちゃん、付き合っても、全然変わりませんね……」

「そりゃ、付き合ったくらいで、がらっと変わったら、お前も困るだろ?」

「いや、そうじゃなくて……もういいです」


 ちょっとご機嫌斜めな様子の紬。ふざけ過ぎたか。


「いや、すまん。デートのときは普通にするから」

「縁ちゃんの普通とか、全然信用ならないんですが……期待しますよ?」


 上目遣いに、不覚にもドキっとしてしまう。平常心、平常心。


 おふざけをしている間に、二人はいつの間にか待ち合わせ場所に到着していたようだ。お互いぺこぺこし合っているが、自己紹介だろうか。


「二人が移動したな。行くぞ」

「もうかんっぜんに楽しんでますよね!?」


 紬のツッコミをスルーして尾行を始める。

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