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「ふざけんな!!」


 それは高校最初のゴールデンウィーク直前の最後の終わりのホームルームでの話である。


 「えー、じゃあ今から席替えをする。席を自由に選ぶって方法以外の方法をまずは皆で議論してくれ。

 あ、議論が終わって席替えが終わるまで教室から出さないから、その辺よろしく。出た奴は次の俺の授業では特別課題を設けてやるから、特別課題をやりたい奴だけ出てくれ」


 担任が突然そんなことを言い出した。

 我がクラスの席は縦横6列ずつの配置で、扉側の席から縦1列に出席番号1番2番と続く。その席の関係で今私の席は舞花の居る席と比較的に近い。これが離れる事となるのは正直残念ではあるけど、別に舞花以外に友達が居ない訳じゃないから良い機会かななんて思う。


 先生の宣言によりクラスの大半が先生に対して文句を垂れる。

 文句を口にはしないけど、かくいう私も内心先生の理不尽さにイラッと来た。


 そんな時だ。舞花が急に手を挙げながら席を立った。


 「どうした衛藤?」


 「はい先生!そういえばこのクラスの委員長みたいなクラスの代表的な人を決めてなかったと思うんです!だから、まずは代表を決めて、その人に指揮を取ってもらえば今後の事も考えてスムーズに進むと思います!」


 舞花め、余計な事を!

 舞花の提案に、文句を垂れていたクラスメイト達は露骨には態度に出さないけど、舞花に非難するような視線を向けていた。


 「おぉ、確かにそうだ。じゃあ衛藤、言い出しっぺだ。頼めるか?」


 「え、お断りしますけど?代わりに推薦したい人が居ます!」


 あ、この幼馴染みまさか?!


 「ほぅ、それは誰だ?」


 「桜優花が良いと思います!私、彼女とは幼稚園からの付き合いで、これまでずっと同じクラスで、その間ずっと彼女が委員長だったんです!

 私としては慣れた人がなってくれると嬉しいので推薦します!」


 このっ、あのお馬鹿!!

 私がこれまで委員長だったのは、全部アンタの手綱を握るためとアンタに押し付けられてきたからでしょ!


 「先生私はやりたく」

 「おぉ、じゃあ桜に任せようか。お前等、委員長は桜で良いか?」


 私の言葉は遮られ、私の言葉は聞く気は無いとばかりに確認せず先生はクラスの皆に確認を取った。

 クラスメイト達も早く済ませたいのと自分はなりたくないからか、すぐに首を縦に振った。


 「よぉし、じゃあ桜が委員長って事で決定。皆、拍手」


 パチパチパチパチと軽く鳴る拍手。そんな中私を祭り上げた張本人は私の方へ向き、片目を瞑って、まるで「ゆうちゃん!委員長に推しといたよ!」みたいなドヤ顔サムズアップを決めてくれた。


 そんな彼女やクラスメイト、先生達に対して抵抗出来ないと思った私は、大人しく教壇に立ってさっさと帰る為に席を立つのであった。こう思いながら。



 ふざけんな!!



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