雨のち曇り編(3)
第3話「学生寮」
チャイムが鳴り、担任の井上が連絡事項を告げた後、今日1日の学業を終た。
放課後の時間は、部活動に行くものや、日直担当の人は残って日誌を書いたりしたり、
何人かポツポツ教室に残っていた。
僕は、学園を案内して貰うために斎藤くんと滝川くん二人共待ってくれていた。
新しく貰った教材をさっと、鞄に詰め込み二人に「準備できたよ」と声をかけ、僕達は教室を出た。
建 :「悠斗は、こっちの授業についていけてたみてぇだけど」
悠斗:「僕、早く春雨に行きたかったから、中学一学期分の勉強は先に把握して、こっちにきたんだよね」
二人共が「おお」と揃って驚いていた。
紫稀:「やっぱ、試験内容は難しかったのか?」
悠斗:「まぁ、なんとかギリギリって感じかな」
ちなみに敬語の件になるけど、滝川くんも同い年なのにやめてくれっと言われたから、
タメ口と言う奴で話をしているんだ。
長い廊下を歩いてる中、しばらくこっちに転校する前の事や、横浜の話などをして。
下駄箱に辿り着く。
建 :「じゃ、今日は学生寮の案内するぜ!」
紫稀:「まぁ、その方が無難だよなー教室案内は、移動授業が多かったから、ほとんど
案内した様なもんだしな」
滝川くんの言う通り、今日はほとんど移動授業で結局残りは2・3年の教室の場所と
学生寮だけっとゆう訳なのだ。
建 :「まぁどのみち、2・3年の教室は寮に向かう際に通るしな」
悠斗:「え、そうなんだね。先輩達は僕たちと同じ館にいる訳じゃないんだね」
学園の敷地は地図で少しだけ見たが、確かに色んな館が数カ所別れた覚えがある。
ちなみに僕達がいる館は南校舎と言われている。春雨学園は凄く敷地が広いのだ。
紫稀:「いいか、2年生がいる東校舎と3年生がいる北校舎って具合に学年それぞれ別れてて、
んで、東校舎の奥に俺らの東寮があるって訳だ」
悠斗:「それじゃ、1年と2年の寮って同じって事?」
建 :「ま、そうゆう事だぜ」
僕は少し戸惑った、先輩と万が一同じ部屋ってなると、どう接したらいいか分からなく
なるからだ。
悠斗:「えっと、2年の先輩と同じ部屋になる可能性は」
建・紫:「あり得る」
斎藤くん達は即答で言ったのだ、しかも完璧に揃ってる。
建 :「ま、もしかしたら一人部屋って事もあるみてぇだしな」」
悠斗:「そうなんだね」
僕は一体どんな人と部屋が同じになるのだろうか、不安でいっぱいだ。
そんな思いを背負いながら、2年の校舎を抜けて東寮についた。
寮の玄関口に入ってすぐ受付があり、そこで高校生らしき先輩に
先輩U:「こんにちわ」
と挨拶をされた。
斎藤くんと滝川くんは「ちわーっす」と挨拶して、僕も「こんにちわ」と軽く会釈と挨拶をした。
先輩U:「もしかして、転入生の天崎悠斗くんかな?」
先輩は尋ねて来たので僕は返した。
悠斗:「そうです、今日転校してきた天崎悠斗です」
先輩U:「良かった!井上ちゃんから聞いてたんだ」
井上ちゃん事井上先生は高校生からアイドルのように扱われているのかもしれない。多分?
先輩U:「あと、井上ちゃんから荷物預かってて・・・持ってくるから待ってて」
そう言って、先輩は僕の大荷物を持ってきてくれた。
悠斗:「ありがとうございます。あ・・・えっと」
上杉:「名前言ってなかったよね、俺は上杉、高等部2年なんだよね。
高等部になると各寮の管理を2年生からしなくちゃいけなくてな、だから中等部の寮にもいるって訳だ」
高等部に上がると更に色々仕事が増えると言うシステムなのか、と納得した。
重たい荷物達は、斎藤くん達が手伝ってくれて僕は上杉先輩に部屋の番号を教えてもらい
寮に詳しい二人は案内してくれた。
建 :「205室は、2階の奥側にあるんだぜ」
紫稀:「しかも、奥側の部屋って結構広いから下手したら4人いるかもね」
僕はもっと心拍が上がり緊張した。
建 :「おい、んな訳ねぇだろ・・・人数は決まって3人までだぞ。」
悠斗:「び、びっくりした〜」
紫稀はニヤっとして
紫稀:「ごめんごめん、悠斗が凄く動揺してたから面白くなっちゃって」
悠斗:「もう、冗談はやめてよね(汗)」
そういえば、滝川くんは僕の事をを知ってると話した以来から何も言わないけど。
多分彼なりに、斎藤くんがいるから話さないように気を使っているのか、
本当に謎なだなぁ。
歩いて3分の所に「205」と書いた扉があり自分の部屋に辿り着く。
しかし名簿を見ると、違和感を感じだのだ。
悠斗:「えっと、よく見覚えの苗字があるんだけど」
名簿には、斎藤と滝川の二文字があった。
そこに悠斗の苗字、天崎も貼られていたのだ。
建 :「へへ、ここが俺達の部屋だぜ!」
悠斗:「もしかして、最初から二人共僕が来るって分かってたでしょ・・・・」
紫稀:「は、は、はー実はそうなのだよ!」
どう突っ込めばいいのか分からなくなる僕だった。
そう、僕は彼らに嵌められていたのだ、彼らは僕が来るって事と部屋が同じになること
もとっくに知っていたのだ。
悠斗:「なんで話してくれなかったの?」
建 :「まぁ、俺達なりのサプライズって事で〜」
僕は腰が抜けて、さっきの動揺してた時間を返せーっと心の中で叫んでいた。
そして僕達の新しい寮生活が今始まるのだった。