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それはボク達のみぞ知る物語  作者: 夢星 柚花
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雨のち曇り編(2)

 

 少し前の話しをしよう。

僕がまだ小さい時、父親と良く一緒に遊んでいた思い出の場所があった。

それは、僕の家から少し歩くと大きな橋があるのだが、その下には広い河川敷があった。


 僕は、そこで良く父とキャッチボールをしていたのだ。

小さな僕は、夢中でボールを追いかけて落として中々上手くキャッチ出来なかった、ボール

を投げる時も、力が余りないから思いっきり投げて、フラフラなボールを父はしっかりと

キャッチしてくれたのだ。


 父はボールを僕に向けてまっすぐに投げて、僕は始めて上手くキャッチする事が出来たのだ。


悠斗:「や・・やったよ!お父さん!ぼ、僕取れたよ!!」

 父は満面な笑みで

父 :「お~凄いじゃないか!さすが俺の息子だな」

と僕に近づき頭を強く両手でくしゃくしゃ撫でてくれたのだ______。




第2話「過去を知る者」



 強い風がピューっと吹いてから、数分経ってしばらく沈黙が続いていた。

ドクドクと心臓が鳴っていて、耳に響き渡りかなり煩かった。

 紫稀と名の少年は、僕の事を知っていると言われたからだ。


紫稀:「俺は、小3まで元々は神奈川の方に住んでいて」

 紫稀はそのまま話を進めた。

紫稀:「それで、とある草野球チームにいたんだよ、そこで君の名前と同じ投手がいたんだよな」

 悠斗はごくりっと飲み込み

紫稀:「俺が見た限り、すごく容姿も似てるし・・・それに、小学生のくせに

丁寧な敬語を話してたの、ずっと覚えてるんだよなー」

 少し間を空けて

悠斗:「ちなみに、何てチーム名ですか?」

 僕は滝川くんに恐る恐る聞いて見た。


紫稀:「流星倶楽部ってチーム名だったぞ!」


 彼がその名前を口にした途端、僕は以前の記憶がフラッシュバックした。

監督の怒鳴り声や、メンバーのブーイング、がっかりさせた表情。

その風景はとある試合中に起きたハプニングだった。

致命的なミスを起こし、僕たちのチームは負けてしまった。

なぜこんな事になってしまったのだろう・・・あの時そんな事がなかったら。


?:「おい!おいってば!!」

その声は、呆然としていた僕を心配そうに見つめていた滝川くんの姿だった。

紫稀:「結局どうなんだよ?」

悠斗:「じ、実は・・・」


話を始めようとした瞬間、聞き覚えのある声が向こうから聞こえ出した。

建:「おー、お前ら何やってんだ!」

 その声の正体は斎藤くんだった。


建:「どうしたんだ?なんの話してたんだ?」


 滝川くんは建の好奇心な顔を見て、先ほどとは少し違う態度で話した。

紫稀:「いや、なんでも。建こそどしたん?」

 僕は話題が変わってて少し安心した、ふぅーとため息をして心を落ち着かせた。

建 :「いや、紫稀が悠斗と連れて逃亡したってクラスの奴らが言ってたから探してたんだけど

そしたら、二人が立ち止まって話してたからこっち来たって訳だ」

紫稀:「いや、俺は悠斗が転校したばっかでクラスの奴らに絡まれてて、そんで困ったから」

建 :「そりゃあ大変だったな、悠斗(笑)」

悠斗:「うん、滝川くんが助けてくれたんだ。それに、学園内を案内してくれるって親切にしてくれて」

 斎藤くんは僕の話をコクコクと頷いて聞いていた。

滝川くんもそれに合わせてウンウンと頷いていたのだ。


建 :「よし!!」

 斎藤くんが両手をぽんっと叩き出した。

紫稀:「どした?」

建 :「そろそろ休憩時間も終わるし放課後、俺達が悠斗連れて案内しようぜ!」

 そう言ってにかっと笑った。

確かに時計の針をよく見たら、予鈴がそろそろなる時間帯に刺していた。

紫稀:「げっ!ホントだ!後5分で教室もどんねぇとやべぇーな!」

悠斗:「放課後、僕の事で時間使ってもらっても大丈夫なの?」

 彼らは彼らの都合があるだろうと思うし、それに無理をさせてはいけないと、

そう思い、僕は聞いてみた。


建 :「何言ってんだよ!良いに決まってる!どのみち、お前が泊まる寮の事も案内しなきゃだしな!」

 

 ここの学校は寮生なので、確かに誰かに案内しないと良く分からない。

だいたいの荷物はトラックに詰めて、運んでもらっているが、今日持ってきた

荷物達もとりあえず井上先生が預かってくれて、寮に置いてくれているらしい。

  

悠斗:「そうだね、じゃあ放課後案内宜しくね」

 二人は「任せろ!」と言って、それから急いで教室に戻った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 悠斗達が教室に戻ってる姿を、窓から覗いていた物が一人、いや二人いた。


謎 A:「多分アイツだと思うな」

 一人の男がそう何かに築いたように話を始めた。

謎T :「背の一番高い方かい?」

 もう一人の男が聞いた。

謎 A  :「いや、小さい方だな。アイツの顔新聞で見た事あるんだよな」

謎 T  :「君はマメだからね、じゃあ彼がアキラのお気に入りなのかい?」

一人の名前はアキラと言う名の男だった。


アキラ:「ああ、あいつだよ。間違いないさ・・・・」

 そう言って窓側から離れた。

それからアキラは、自分のカバンから新聞を取り出し

教卓に新聞を広げ始め、もう一人の男がその新聞記事を見た。


アキラ:「ほらな、名前が書いてあるぜ」

 アキラは指で注目してほしい場面を指した。

謎 T :「なるほど、天崎悠斗ね」

 もう一人の男はにやっと笑って

謎T :「アキラ、これっては部員にとってのチャンスだよ」

アキラ:「まさかこの学校に来るとは思って無かったからな」


 そう言って彼らはその教室から消えて行っのだ、教卓にある新聞を置いたまま。


その新聞記事には何が書が書き込まれているのか、これから起こるエピソードで

悠斗の人生を大きく変わることになるのだった―――――。




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