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それはボク達のみぞ知る物語  作者: 夢星 柚花
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雨のち曇り編


「俺と付き合ってくれないか!」

1人の男が突然僕にお付き合いの宣言をしてきたのだ。

僕は口を開けてポカーンとしていた、どう捉えたらいいのか言葉の意味が

全く良く分からずにいたからだ。

しかもこんなジメジメした、季節だからそのフレーズは全く心に染み込まない。


この物語になるまでは、まだまだ先の展開だが、この男に出会ってから僕の運命は

大きく動かされるのだ。


 時代は1990年代辺りだろうか。

この物語は、私が中学生の頃に人生を大きく変えた日常と青春学園物語です。


第1話「季節外れの転校」


 季節は丁度初夏に入る6月頃、まだ日差しがそれほど強くもなく、暑いというよりジメジメした季節。

そんな中、僕は神奈川から東京にある、中高一貫の学校に転校する事になったのだ。

 

自己紹介をしよう。

 僕の名前は「天崎あまざき 悠斗ゆうと」ごく普通の中学1年生で、少し前に草野球をしていた。

けど今は、野球をやめて平凡に暮している。

なぜ転校する事になったのか、それはまた別の機会で話そうか。

 

 僕は駅のホームで東京行きの切符を買って手にし、身支度を終えた大量の服や生活品を詰めた

黒のスーツケースを引きずり、更に大きなリュックサックも背負い足を進めていた。

見送りについて来た母親が心配そうに「 気をつけてね 」と、言葉をかけた。

僕はそのまま立ち止まる事なく重たい荷物と一緒に電車に乗った。


 ホームが激しく鳴り響き電車はゆっくり動き走り出した。


 僕がこれから向かう学園なのだが、そこは寮生の学校であり、哀しい事に女の子がいないのだ。

なぜ男子校だからだ。

 前の中学校は共学だったので女子は普通にいたので、初めて女子が居ない学校に

行くから、少し動揺したが、気楽な面もある。


?:「なぁ、ちょっと隣いいか?」

目の前から急に声をかけられ、反応に戸惑った僕は少し気持ちを落ち着かせ。

 「いいですよ」と返した。

ちらっとその人の顔を見たら、僕ぐらいの年齢だろうか?

その少年は、「サンキュー」っと言って、空いていた隣の席に座った。

 服装を良く見たら、これから通う「春雨学園」の生徒だった。

制服で分かった訳ではないのだが、胸元にある「春雨」と言うマークのバッチで気がついた。

更に首元に「Ⅰ」と刻んであったので、バッチで同じ1年生だと気付いた。


? :「あのさ、さっきからジロジロ見て何か様か?」

 少年が僕に少し嫌そうな顔で話をかけて来た。

悠斗:「いや、その制服って・・・もしかして春雨学園の生徒かなって思いまして。」

 少年が目を開いて僕の肩をぽんっと叩く

? :「あ!!もしかして、噂の季節外れの転校生か?」

 まるで前から情報を掴んでたように彼は話した。


悠斗:「え、どうして僕が転校生って分かったんですか?」

 少年に念の為尋ねてみた。

? :「ん〜、少し前にうちの担任が転校生が来るとかなんとか、ホームルームの時に話してからな」

悠斗:「そうだったんですね」

? :「ま、そんな大量の荷持ってるしな、尚更」

  「まぁ、それはそうだ」と僕は心で突っ込んだ。 

悠斗:「と言う事は、同じクラスになるんですね」

? :「だな・・・あ!名前なんだけど」

 少年は気を使ってくれたのか自己紹介をしてくれた。

建 :「俺は、斎藤建さいとう たけるって言うんだ!宜しくな」

 建は笑顔で手をグッドサインした。

悠斗:「僕は、天崎悠斗って言います、今後共宜しくです」

建 :「お前、なんか話し方固いな・・・真面目か!」

悠斗:「この話し方はうちの姉さんが、初対面の人と会う時は必ず敬語を使うようにと言われまして」

建 :「な、なるほど。お前の姉ちゃん常識とか煩い感じか」

悠斗:「はい、そんな感じですね」

 僕には一つ上の姉がいる。姉は小さい頃からしっかり者で、常識や世間体を物凄く大事にしている。

それは僕の母が母親として、しっかりしていないのが原因なのだ。


 話をしていたら、いつの間にか東京駅に着いていた。

神奈川から東京の距離はそこまで遠いわけでもないので、ちょっとした話で暇な時間を潰す事が出来た。

 僕はそのまま、斎藤くんが「学校まで案内するから着いてこい」と言われたから、着いて行くことにした。

東京駅から学園にたどり着くまで何駅か乗り換える必要があり、駅から更にバスに乗り換え10分掛かる。

 荷物がある分移動がかなりしんどいのだが、斎藤くんが僕のスーツケースを持ってくれたから少し楽になった。


建 :「もう直ぐ、学校に着くぞ」

 斎藤くんの衣替えしたての白い半袖のシャツが、少し早歩きしたから汗がじんわりしていた。

悠斗:「本当ですか?」

 それからしばらく進み、木が茂っている道に入ると白く大きな建物が見えた。


 学校の校舎だ。


 この辺りになると、春雨の制服を着た生徒達が正門に入って行く姿や先生達が「おはよう」と挨拶を

していたり、風紀と書いたタスキを腕に巻いている生徒達も何人か正門に立っていた。

 荷物チェックや校則違反をやっている生徒を取り締まる為だろうか?

だんだん近づいて、やっと正門にたどり着いた。

正門の中を見ると、大きな噴水や沢山の花が花壇に植えてあったりして綺麗に整備されていた。

 

 春雨学園は、偏差値が高く成績優秀な生徒が多く存在し、更に経済力のある家庭つまりお坊っちゃま

が多いのだ。 


建 :「悠斗って、どうやってここに入れたんだ?春雨の転入試験は難易度高いって聞いたが」

悠斗:「実は・・・特待生でここに来たんです」

建 :「なんだよ、ガリ勉なのか」

 僕の家柄はごく一般の庶民であり、入学資金を支払える程のお金は無かった。

春雨学園は特待生になると、入学資金も学費も免除になるのだ。

 ただし、ここに転入するとなるとそれ程の学力が必要で、僕は勉学が元々大好きだったから

それを生かし特待生でここに転入出来たのだ。


 斎藤くんに職員室の付近まで送ってもらい、そのまま彼と別れた_____。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 その頃、悠斗が転校するクラスルームがザワザワとしていた。


建 :「おっはー!」

 この時代に流行ったお●スタのスタイル挨拶だ。

建は持っていたカバンをバンッと自分の机の席に置いて、座ろうとした。

? :「よ!建じゃねぇか!なんだよー朝から元気だな!」

 その時話かけて来たのは、建の相棒とも呼べる中の「滝川たきがわ 紫稀しき

特徴は猫目で短髪癖っ毛である。

 建は顔をニヤニヤしながら紫稀に話かける。

建 :「実はよ、昨日実家に帰ってて神奈川にいたんだけど。それで、神奈川駅で転校生にばったり

あったんだよ」

紫稀:「おお!そうか、そうか!じゃあお前転校生の顔知ってんだなー。なんだよ!どんな奴だ!だ?」

 テンションMAX状態な紫稀に建はそのまま話を続けた。

建 :「なんか、結構固苦しい感じ奴でさー」

紫稀:「で?どんな顔してるんだ」

建 :「顔か?んー、芸能人で例えたら・・・・広●●子の男バージョン?」

紫稀:「マジかよ!美少年かよ!弄ろうと思ったのにショック」

 紫稀はガッカリした感じに肩を落とした。

建 :「いや、弄るの前提で期待してたのか(笑)てか、美少年かは知らんぞ」

紫稀:「バカヤロー、広●●子ちゃんはすっげー美人さんじゃねぇか、それの男版って・・・は」

 建は紫稀がなんで落ち込んでるのかは分からないが、「ドンマイ」と言ってなだめていた。


それ以外のクラスメイトはちょっと二人の会話を聞いてなんだか盛り上がって、和気藹々としながら

悠斗が教室に来るのを待っていた。



 しばらくしてから、悠人のこれから担任になる「井上いのうえ 姫子ひめこ」「25歳」「新米教師」が

クラスルームを案内していた。特徴は眼鏡に長く束ねた黒い髪に細く、顔はかなりの美人と言ったところ。


井上:「天崎くん、こんな時期に転校して色々不安があるかもしれないけど。

困ったことが会ったら、先生に何でも相談してね。」

 男子校で唯一若い女教師なので、男子に先生は大人気みたい。

 必ず廊下で通る男子は、先生から漂う微かなシャンプーの匂いやら何やらで興奮をしているのだろうか

目が本気マジになっているのを僕はビクビクしながら見ていた。

悠斗:「ありがとうございます」

 

 僕は教室に向かう為先生と一緒に少し歩いて外廊下に大きなグラウンドがあった、

そこにはマウンドがあり僕は足を止めてそのマウンドを見詰めた。

井上:「どうしたの?」

 先生は僕が足を急に止めたから、心配して話をかけてくれた。

悠斗:「い、いえ・・・ちょっと緊張して」

井上:「そうよね、一気に新しい子達と会うから緊張してもおかしくないわよね

でも、皆良い子達だから安心して。ちょっと騒がしい子たちだけど」

井上先生は笑顔で自分の生徒の話をし始めて、始めて関わる生徒だからこそ

大事にしているのが良く伝わった。

悠斗:「少し、安心しました」

井上:「良かったわ!さ、もう直ぐ教室に着くわよ。」

と言って、その前に「自己紹介する事と後は自分の好きな何かを言いなさい」と説明されて

ドアの前まで来た。


 流石に教室はザワザワ賑わっているのが聞こえていた。


井上:「ここが、一年二組よ、天崎くん!これからはこの教室に来て下さいね。

じゃ、早速生徒が待っているから席に着かず、自己紹介お願いね・・入って」

と言って、井上はドアに触れた。

  

 ガラっ

そして扉は開く。


 入った瞬間に先ほど声がしていたクラスの男子の一人が


生徒a:「え!どこが広●●子の男版だよ!全然違う違う!」


生徒b:「まぁ、顔は確かに美少年よりだけど?」


 バンバン!!


担任の井上先生が、生徒に向けて手を叩き、黒板の方に視線を向けるようにする。


井上:「はいはい!今から転校生の自己紹介始めるから皆こっち向いてね!」


僕は緊張しながら教卓に近づき中心に立つ


井上:「はい!紹介お願いします!」


悠斗:「はじめまして、天崎悠斗です。前は神奈川にある対馬戸中学校にいました。

まだ転校したばかりなので、この学園の事が全然分かりませんが、色々教えてください、宜しくお願いします。」


 紹介が終わりクラスから拍手が鳴る。

井上先生は僕に空いた机の場所を教えた。


井上「えっと、天崎君の席は右から4番目の後ろから2番目の左席ね」

 悠斗は紹介された席に向かって、イスを出してからそこに座った。


?「なぁなぁ・・」

小声で隣から肩を叩かれて僕は振り向いた。


悠斗「ん?」

?:「よ!」

 振り向くと、よく見たことのある顔、斎藤建だった。


悠斗:「あ、今日お世話になった人ですね。」

建 :「覚えてたんだな!お前と席も近いしなんか奇跡っていうのか?」

 建はニコニコして楽しそうに話をしていた、僕も安心して少し笑った。

建 :「そんな固く話さなくていいぜ、普通に敬語無しで話そうぜ」

悠斗:「いいんですか?」

建 :「いいに決まってるだろ、同じ年なんだからよ」

 僕は彼の言葉に少しためらったが、了承を貰えたから普通に話すことにした。

悠斗:「わかったよ、ありがとう」

そう言って僕は笑った。

建 :「なんだよ、いい顔になったじゃねぇか」


コホンっ

井上先生の咳払いが教室に響いた

井上:「斎藤くん!転校生と仲良くなるのは構わないけど、ホームルーム中は静かにして下さいね」


建 :「あ、はい。すいません」


美人な先生の膨らませた顔が可愛くて少しときめく

12歳の天崎悠斗と斎藤たけるであった。



それからHRが終わった後は皆さんお決まりの、僕の個人情報を聞いてきたのだ。

生徒C:「なーなー!神奈川ってどんな感じ?そんなに(東京)と変わらねーの?」

悠斗:どうだろう、僕の所は都会ってより田舎で落ち着いてる所だから」

生徒D:「天崎ってさー兄弟いるの?」

悠斗:「えっと、、一様姉が1人いるよ?」

生徒E:「誕生日いつ?」

悠斗:「う、うんっとね」


転校生だから興味津々なのは分かるけど、少し疲れるなと

僕は目が回っていたのであった・・・まぁあちこちに聞かれれば当然か。

建はトイレに行っていていないし、僕は困っていた。


すると、椅子が移動する音が突然した。

?:「おい、大丈夫か?」

後ろの隣の席に座って居た、男の子が声を掛けてきた。

?:「ハァー・・・ったく、世話がやけるな」


その声の持ち主は、建から少し前に仲が良いと紹介してくれた、滝川くんだった。


紫稀:「はいはい!それまでね!これから俺は転校生に学校内を案内

しなくちゃいけないから、一旦借りるぜ!!!」

っと言い悠斗の腕を掴んでガバッと掴んで急いで教室にでた。


それから僕たち広い外の庭まで走って逃げた。


悠斗:「滝川くん・・・ありがとう・・・・とても助かったよ」

 僕は、走って少し息が荒くなっていた。

紫稀:「大丈夫かー、結構走ったから疲れたな」

そう言いながらふと滝川くんは話をしだした。


紫稀:「そういや、俺・・・・お前の事知ってるんだけどさ」

 僕は恐怖に突然襲われて、黙った。

紫稀:「その件話したくってね、悠斗と一緒に逃げたんだよ」

 紫稀は真剣な眼差して僕を見つめていた。

悠斗:「知ってるって?何を・・・・君は知ってるの?」

 顔が引きつりそうになる、変な汗が出てきて止まりそうにないぐらいだ。


強い風が庭一面に広がり、草や花びらが高く飛んでいく、彼は一体何者なんだろうか。



どうも始めまして、夢星 柚花です。この作品は、高校生時代の時に考えていました。

高校時代にブログを始めて、それに記載せていたのですが。まぁ、それから時がかなり経って改めて読んだら文章力めちゃくちゃなんですね。だからまたリメイクとして始めたんですが。

旧作のタイトルは「春雨学園男子野球部」と名前だったんです・・・が!野球の話しをあんまり書かいので野球部ってタイトルは変と思いやめときました(笑)

本当に Theスポーツストーリーではないですしね。あえて言うなら日常ドラマですね。

それに私が伝えたかったことは、好きだったものが嫌いになるって本当にあることなんだろうか、無理やり嫌いになって、ただ無理してるのが今の日本人ほとんどだと思います。趣味に置き換えたり、夢は夢のままにしたり。私は、夢は大切にするべきだし何歳になっても、夢を追い続けていいものだと考えています。この話はそうゆう思いを全部ぶち込んでいる、そんな話なになるんじゃないでしょうか(笑)


誤字脱字がかなり多い私なので気づいたら教えて頂きたいです(苦笑)

セリフみたいな感じなので、小説とは呼べないと思いますが

今後共よろしくお願いします。

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