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第32話 同行者

やっと・・・・・・やっと帝国に出発できたよ・・・・・・。


 ダスターツ伯爵の館で一夜を過ごしたニイロは、昨晩の酒の余韻が少し残ったままの朝を迎えた。

 窓から朝日の射す気持ち良い朝・・・・・・という訳にはいかず、来客用の寝室の窓から薄暗い外を見れば、夜半から降り出した雨が、やや透明度の低い窓ガラスを濡らしている。

 雨足は強くないが、空模様を見ればすぐに止むことも無いだろう。

 出来れば晴れて欲しかったが、出発には影響無い。


 昨晩、ニイロはダスターツ伯爵や他の伯爵領幹部達と遅くまで歓談した。

 伯爵が就寝の為に退出し、家庭持ちの騎士団長ポアルソンが家路に着いた後も、スローンや騎士、兵士達と城下町へ繰り出して共に痛飲することになった。

 ニイロは普通のことだと勘違いしていたが、準爵位持ちの騎士と、平民である兵士が一緒になって交流するというのは、実は珍しいことらしく、ダスターツ伯爵領ならではの光景らしい。

 その間、サクラコは伯爵の孫娘のメリーチェや、侍女長のエルンを筆頭にした伯爵家に仕える女性陣と共に開催された女子会(?)に参加したようだ。


 まだ微かに残る胃部の不快感を抑えつつ、朝食の準備が出来たことを知らせに来たサリアに、そのまま食堂へと案内された。

 先導して歩くサリアは、時折、何か言いたげにチラチラとニイロを振り返るが、ニイロはあえてそれに気付かない振りをしておく。


 食堂に入ると、既にサクラコは席についており、同じく席についたメリーチェと、侍女長のエルンも加わって何やら真剣な表情で話していた。

 食堂に入ってきたニイロにはサクラコが先に気付き、互いに朝の挨拶を交わす。

 なぜかメリーチェが多少挙動不審な様子だったが、ちょうどダスターツ伯爵が、首席秘書官のカウネル・ラッチを伴って現れたので、そのまま雑談をしながらの朝食会と相成った。


 そうして和やかな時間も過ぎ、全員が食後のお茶を口にし始めるそのタイミングで、サクラコがなぜか改まった口調でニイロに話しかける。


「ニーロ、お願いがあるのですが、聞いて頂けますか?」


「お願い? もしかして、帝国に行くのを延期して欲しいとか?」


 突然の申し出に、他に思い当たる節もなく、少し首を傾げながらニイロは聞き返した。

 ヨーネス大森林から戻ったばかりのニイロの体調を心配して、少し休息期間を採るようにサクラコが提案してくれたことはあるが、それについては先に問題を片付けてから休むということで納得させたつもりだった。


「あ、いえ、それは良いのです。後でちゃんと休むと約束してもらいましたから。そうではなくてですね・・・・・・」


 サクラコにしては珍しく言いよどんでいる。

 ニイロとしては、これまで全てをニイロ優先で考え、行動してきたサクラコには全幅の信頼を置いていた。

 例え、それがサクラコのAM(オートノマス・マシン)としての『設定』によるものであったとしても、サクラコの希望であれば出来る限り応えてやりたいと思っている。


「ん? 違う? じゃあ、とりあえず言ってみなよ。別にそれで怒ったりはしないしさ」


 安心させるようにそう言って、サクラコに続きを促した。


「はい。それでは・・・・・・その・・・・・・実は、サリアさんを、今回の帝国行きに同行させることを許してもらえないでしょうか」


「え?」


 その申し出はニイロの予想に無かった。

 サリアが(そしてメリーチェも)着いてきたがっていることは薄々知っていたし、ダスターツ伯爵もニイロという戦力を王国に繋ぎ止めたいという政治的な思惑から、そうなることを望んでいることも知っている。

 しかし、伯爵には既に釘を刺しておいたし、危険が伴うことが明らかな今回の旅に同行させる気は一切無く、それはサクラコも承知だと思い込んでいたのだ。


 思わずニイロはカップのお茶を口に運ぶのを止め、向かいに座るダスターツ伯爵を見るが、伯爵も驚いた表情でサクラコを見ている。その後ろに立つ秘書官のラッチも同様だ。

 伯爵は、ニイロが自分を見ていることに気付くと、小さく、しかし、激しく首を横に振って『儂じゃない』と無実を主張していた。

 その様子を見ると、伯爵にしても寝耳に水だったのだろう。

 しかし、その他の面々、伯爵の横に座るメリーチェや、その後ろに控える侍女長エルン、それに食器の上げ下げに甲斐甲斐しく動き回る他の侍女達の顔を見ると、『してやったり』の表情が読み取れるのを見ると、どうやら昨夜の『女子会』の面々による(くわだ)てらしいとわかる。

 当のサリアも、他の侍女達と一緒に動き回りながらも、耳を大きくしてニイロの言葉に神経を集中させているようだ。明らかに必要人数分以上のカップに茶を注いでいた。


「いや、それは・・・・・・危険だってことは十分わかってるよね?」


 それはサクラコに対する確認の言葉だったが、サリアもコクコクと首を縦に振っている。


「もちろん承知しています。でも、ドマイセンの時は使節団全体の安全については注意していても、殿下やメリーチェ様など主要人物以外(・・)の個人が狙われることについて想定していませんでした。

 ですが、今回同行させるとなれば話は違いますし、私とニーロがいれば大丈夫です。クラブやファージ達も頑張ってくれますから」


「うーん、でも万が一を考えるとなあ・・・・・・」


 煮え切らないニイロに、食堂にいる全員の期待の篭った目が突き刺さる。


「儂は反対せんぞ? ニイロ殿であれば問題無かろう。ちゃんとサリアの両親にも責任を持って話しておくし、後の心配はいらん」


 横から伯爵が口を挟んできたが、『賛成』ではなく、『反対しない』という言い方がズルい。あくまでも『ニイロが望むなら』反対しないよ、ということになるのだから。

 ジロリとニイロが睨むと、伯爵はツイっと視線を逸らす。口笛でも吹いてトボけそうな按配だ。

 これでは、このまま拒否の姿勢を続ければ、ニイロ一人が悪役になりそうな雰囲気である。

 そのプレッシャーを受けてたじろぎつつも、「ちょっと失礼」と周囲に断ってサクラコを食堂の外の廊下へと連れ出した。

 周囲には誰もおらず、聞く者もいないことを確認してからニイロは切り出す。


「サリアを連れていけば、何日も一緒にいることになるんだぞ? そうなると、必然的に俺達の出自やサクラコの正体がバレるって危険性があることは理解してる?

 そりゃ今は慕ってくれてるけど、そうなってしまえば今の関係だってどう変わるか・・・・・・」


 ニイロは元ベータ・アースの人間であってガンマ・アースの人間ではないし、サクラコはAM(オートノマス・マシン)、俗に言うアンドロイドであって人間ですらない。

 別にガンマ・アースに悪意を持ってここにいる訳では無いし、サクラコが人間でないと知れても、説明が面倒と言った以上の困ることはないのだが、せっかく築き上げたダスターツ領の人々との友好関係に、無闇に波風を立てなくても、という感情が先に立つのだ。


「それでしたら、恐らくサリアさんであれば事実を知っても変わらないと思います。具体的な根拠は無いのですが・・・・・・機械の私が『女の勘』だと言ったら、ニーロは笑いますか?」


 これにはニイロも言葉に詰まった。

 その様子を見てサクラコは畳み掛ける。


「これから行く場所に危険があるのは本人も承知してます。でも、別に帝国に戦争に行くわけではありませんから、サリアさんであれば相手に無用な警戒をさせることなく交渉も出来ますし、サリアさんに普段の雑用を任せれば、その分、私がニーロのお手伝いに時間を取れます。それに・・・・・・」


 さらに言い募るサクラコは手を上げて押しとどめた。


「ああ、わかった。わかったよ、もう。降参だ、降参」


「では!?」


「サリアの同行を許可するよ。サクラコにそこまで頼まれたら、断れるわけないじゃないか」


 ニイロが全面降伏すると、余程嬉しかったのだろう、サクラコは名の如く花の咲くような笑顔をニイロに向ける。


「有難う御座います! でも、これはニーロにもメリットがあると思うのです! 2人がもし、もしもそういう関係になれば、サリアさんだったら私も昨晩みたいにヤキモキせずに済みますし、私はニーロの子を産めませんけど、お世話だったらお手の物ですから・・・・・・」


 なんだかとんでもないことを言い出した。


「えっ? ちょっ、ちょっと待った! そういう関係って、いやいや! 俺とサリアの歳を考えてくれよ。20くらい離れてんだぞ? ほとんど娘みたいな歳の子に、それこそ事案だって! それに昨晩? あ、あれ? 何で知ってんだ!?」


 ばれてーら。

 昨晩、酔った勢いで繰り出した城下町で、騎士や兵士達とそういうお店(・・・・・・)に行ったのは、独身(オトコ)同士の秘密だったはずなのだが、(はか)らずも外出したニイロをステルスモードで上空から自主的に(・・・・)護衛するクラブの優秀さが証明されてしまった。


 うろたえるニイロをよそに、「じゃあ、サリアさん達に知らせて来ますね!」と、サクラコは足取りも軽く嬉しそうに食堂に向かう。

 残されたニイロの「いや、ほら、俺も独身だし? 付き合いもあるし? たまにはそういうお店にだって・・・・・・」という、誰に向かっての言い訳かわからない呟きは、食堂から聞こえてきたサリアを祝福する歓声によって打ち消された。




 リドリスファーレ王国からバネストリア帝国へ至る道は2通り。

 1つは王国を西に向かい、緩衝地帯となっているヨーネス大森林を踏破するルート。

 距離だけで言えば、最短距離を進めたとして、馬車ならば10日程で抜けられる距離なのだが、実際には馬車の通れる道も無く、危険な害獣の闊歩(かっぽ)する森の獣道を徒歩で1ヶ月ほどかけて踏破することになる。

 危険度も高く、サリアを攫った誘拐犯達はこのルートでの帝国入りを目論んでいたようだが、まともな人間であればこのルートを選ぶメリットは無い。

 実際に探査機(プローブ)回収の為にヨーネス大森林に踏み入ったニイロの感想でも、もし、誘拐犯達がこのルートを辿(たど)っていたら、恐らくサリアの命は無かっただろうと感じている。


 そしてもう1つが、リュドーの街の南のリンデン砦を、さらに南下してビンガインに入り、そこから西にルートを取ってエズレン峡谷、一般にはエズレン回廊とも呼ばれる迷路のような谷底の道を帝国に抜けるルートだ。

 このルートは馬車の通れる道が整備されており、商人達に利用される。

 峡谷内に点在する水場を兼ねた集落を辿りながら馬車で約2週間と、かなりの迂回を強いられるが、道中の安全を優先する者にとっては、ヨーネス大森林ルートと比べれば、こちらの方が遥かにマシということだ。

 実際、ニイロ達一行も、特殊輸送車両(バス)が使えるということで、このルートを取ることにしている。


 ルードサレンを出発する時に降っていた雨は、リンデン砦を抜けるころには既に上っており、今はビンガインへ続く道をひた走っていた。

 とは言っても、時速30kmほどの安全運転(ノロノロ運転とも言う)だ。

 馬車が通れる程度に整備されているとは言っても、ベータ・アースの日本のように舗装されているわけでもなく、雨で多少ぬかるんだり、馬車の(わだち)の刻まれた道では、これ以上のスピードを出すとサリアがもたない。

 いくら高度なサスペンションでも、衝撃吸収力には限度があるわけで、これは以前にニイロがメリーチェ達を乗せてコルエバンに急行した時や、サクラコが使節団を乗せてドマイセンに向かった時の教訓だ。

 若い女性のキラキラリバースを見て喜ぶ性癖はニイロには無い。

 取りあえず今回は期限のある旅でなし、これでも馬車より数段早いのだから仕方の無いことだった。




 リンデン砦を南下して、都市国家ビンガインに至る街道沿いに、つい最近まで使われていた砦の跡がある。

 以前は、リンデン砦方面からのリドリスファーレ王国の侵攻を防ぐ、重要な拠点の一つと目されてはいたが、実際には富める王国側から貧乏なビンガインにわざわざ攻め込むメリットは皆無に等しく、ただ国家としてのメンツを立てる為だけに無駄に財力を浪費する存在だった。

 それが、王国とビンガイン、正確には王国と、ビンガインの後ろにいるドマイセンとの関係が幾分改善されたことから、経済的に余裕の無いビンガインではこの砦を破却し、駐留していた100名以上の兵を削減して、その分を本拠であるビンガイン市に集中するという政策を採るに至った。

 ただ、砦は破却したものの、街道警備の為の拠点は必要で、より街道に近い位置に兵を常駐させる兵舎と、塔と言うには些か語弊のある木製の見張り用の櫓が設置され、常時20名弱が駐留している。


「おーい、北から変なのが来るぞー」


 見張り台の上で周囲に目を配っていた兵士の1人が、街道を北からやってくるニイロ達の特殊輸送車両(バス)に気付いて、下にいる仲間の兵に注意を促した。


「変なのって何だー」


「よくわからんけど、王国の貴族が乗ってる箱馬車みたいなやつだー。でも馬も引いてないのに動いてんだよー」


 何事かと兵舎から顔を出した警備兵の隊長は、見張り役の言葉に苦笑しながら周囲の兵士達に知らせた。


「あー、そりゃあアレだ。王国の魔王か戦女神だ。心配いらん」


 魔王に心配いらないというのも変な話だが、周囲の兵士達は、納得顔の者と、不思議そうに首を傾げる者に二分されている。

 それを見た隊長は周囲に説明した。


「ああ、知らないやつもいるか。リンデン砦とコルエバンで負けたろ? その、勝った方の連中さ。噂、聞いたこと無いか? コルエバンでドマイセンを相手にした男と、リンデン砦で連合軍を敗退させた若い女の話。

 あれ以来、何度かここを通ってるが、多少風変わりな格好はしてるけど、話せば普通の連中だったよ」


 その説明に感心する物、納得する者はそれぞれだが、隊長としてはそれで終わりと来訪者を無視する訳にもいかない。

 ちゃんと道沿いに顔を出して、警備してますよとアピールするのも仕事の内だ。

 さして待つまでもなく、ニイロ達の乗る特殊輸送車両(バス)は、まるで出迎えるかのように立ち並んだ警備兵達の元にたどり着いた。もっとも半分は野次馬であるが。


「どうも、お勤めご苦労様です」


 なぜか居並ぶ警備兵達の前に特殊輸送車両(バス)を止めたニイロは、運転席のウインドウを下ろすと、リンデン砦を通過する際にビンガイン側で払った通行税の納付証明札を差し出しながら、以前、通った時に話して顔を覚えていた隊長に向かって挨拶する。

 サクラコも笑って会釈し、サリアも「こんにちはー!」と元気よく挨拶していた。


「いや、仕事だからな。そちらこそご苦労様。これからまたドマイセンか?」


 ニイロの差し出した通行税の納付証明札の確認を部下に任せ、隊長は雑談の呈でニイロに聞いた。

 その問いに、ニイロは少しだけ考えると、逆に隊長に問い返した。


「いや、実はエズレン回廊の方に行きたいんだけど、隊長さん、近道知りませんか? まともなルートだと、このままビンガイン市まで下って西の街道でしょう? でも、それだと遠回りになりそうだから、こう、斜めに突っ切る道は無いもんかと思って」


「ん? あるぞ。たまに王国の商人が帝国に行ったり、その逆に帝国の商人が王国に行くのに使う道がある。直接これ――と、特殊輸送車両(バス)を指差しながら――で行くんだよな? まあ、一応、馬車も通れる道だから問題ないはずだ。

 この先に三叉路あるのは何度か通って知ってるよな? あれの右の方に入るんだよ。

 するとワーバエって小さな村がある。以前、砦があった頃は物資の調達とかしてた村だが、そこを過ぎるとセミテ村、ゴレット村。セミテもゴレットも、村ってよりは家が数軒あるだけの集落って感じだが、ここまでは一本道だから迷わんだろ。

 ゴレット村までは、各村まで馬車なら1日づつってところだ。ただ、ここから少しわかりにくいんで、ゴレットでもう一度聞くといい。エズレン回廊に入る少し手前に出られるはずだ」


「なるほど。右に行って、ワーバエ、セミテ、ゴレットで、そこから先はもう一度確認ですね。助かります」


「ただ、こっちの道は言ったように大荷物積んだ商人狙いの盗賊が出る可能性がある。まあ、あんた達なら平気だろうが、一応気をつけてな。出たら片付けてくれて構わんよ」


 そう言って隊長はニヤッと笑った。

 その笑顔には苦笑で返し、警備兵に通行税の納付証明札を返してもらうと、隊長に「それじゃ俺達はこれで」と挨拶してから、ニイロは特殊輸送車両(バス)を発進させた。

 走り去る特殊輸送車両(バス)の後姿を見送る隊長に、側にいた兵が尊敬の眼差しで話しかける。


「隊長、凄いっすね。あの魔王と普通に話せるなんて」


「ああ? さっき言ったろ? 話せば普通だったって。まあ、それはいいとして、本国に鳩便だ。一応、知らせておかんとな」


 そう言って面倒臭げに兵舎の方へと歩み去った。

 一方、のんびりと特殊輸送車両(バス)の車内では、運転席のニイロにサクラコが尋ねた。


「ニーロ、どうして急にルートを変えるのです? 何か不都合がありましたか?」


 少し心配げなサクラコに、ニイロは笑いながら答えた。


「ああ、ごめんごめん、相談もせずに。実は単なる思いつきなんだ。ああ言えば多分、隊長さんは俺達が通るルートを本国に知らせるだろ? それが仕事だしさ。

 でも、そうすると、帝国にも情報が行くんじゃないかなーと思ってさ。

 それで最初のルートだと人目も多いだろうけど、抜け道ルートなら人も少ないだろうし、向こうにその気があれば、手掛かりが向こうからやって来るかも? ・・・・・・って。

 手掛かりはいくらあってもいいし、食いつくかどうかはわからないけど、ハズレならハズレで、それでもいいんだし、まあ、要は撒き餌だよ」


「では、前方の警戒を厳重に」


「うん。でも、向こうが動いたにしても、時間的に接触できるのは最短でも3日後? 4日後くらい? もっとかな?

 情報の伝達速度とか、人員の移動速度とか、こっちのスピードを考えたら、何かあるにせよまだ先の話さ。時間はあると思う思うよ」


「では、サリアさんに護身用の道具の使い方に慣れてもらう時間も取れますね」


 そう言ってニッコリと微笑みかけるサクラコに、サリアは固唾を呑みながら答えた。


「がっ、がんばります・・・・・・」


次回更新予定は3月20日です。


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