表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/41

第15話 ルードサレン城の会談 後編

「それから・・・・・・」


 秘書官が模擬戦の準備に退出した後、ニイロはそのまま話を続ける。


「私がここにいる理由ですが、私の目的は広く世界を旅して様々な見聞を拡げる為です。これは学問の為であって、王国と敵対する理由はありません。そしてもう一つ、数年前、私達の国に突然、ドラゴンが現れて大きな被害を齎しました。その原因を突き止めるのが最大の目的です。ですから、仮に王国が悪意を持って私達の国にドラゴンを送り込んだのでなければ、私達が王国に敵対することは絶対にありません」


 正確には『私達の国』ではなく『アルファ・アース』なのだが、それをここで説明しても理解されないのは明白なので、とりあえず『私達の国』と置き換えておいた。

 ニイロの言葉に、ダスターツ伯側の陣営からは、明らかに安堵の空気が流れる。

 その言葉を全面的に信じるほど愚かではないが、取りあえず信頼できそうな人物の言葉は、即時の敵対とならなかっただけでも安堵に値した。


「一つだけ、確認させてもらってもいいだろうか?」

 領軍の長であるギータン・ポアルソンが言った。


「なんでしょう?」


「ニイロ殿はドマイセンをご存知か」

 そう尋ねると、ポアルソンはニイロの表情一つ見逃すまいと、真剣な眼差しで見つめた。


「ドマイセン? 確か南にある国でしたね。王国とは敵対していると聞いてます」


「行った事は?」


「ありません。その内に行くかも知れませんが、それも先程言った件の調査次第ですね」


「ふむ・・・・・・」


 ニイロの答えに何か考え込むポアルソンだが、視線は外さない。

 その様子にダスターツ伯が割り込んだ。


「そこからは儂が話そう。実はな、ドマイセンに関して、最近新しい武器を開発しとるという噂がある。あくまで噂なのだが、この所の連中の強気を見るに、たかが噂の一言で片付けることもできんのだ。

 そしてそこに、全く知られていない武器を操るという貴殿らが現れた。これを全く偶然として捨て置く訳にはいくまい?」


 ポアルソンが何を言いたいのか、戸惑っていたニイロだったが、ダスターツ伯の説明で合点がいった。


「確かに。立場が違えば私でも疑うと思います。でも、そのドマイセンとやらは私とは無関係です。証明はできませんが」


「では、貴殿と同じ武器を手にする者が、ドマイセンに手を貸しているという可能性は?」


 そう言われるとニイロも少し自信が無くなる。

 ガンマ・アースに他の平行世界からの来訪者が他にいるという可能性は、完全にゼロではない。

 サクラコを見ると、サクラコは首を横に振った。


「絶対に、ではありませんが、その可能性は限りなくゼロに近いと言っておきます」


「そうか、その言葉、信じよう」

 ダスターツ伯が頷き、ポアルソンも多少、表情を和らげた。


「では、こちらからも一つだけ聞いてもいいでしょうか?」

 今度はニイロの方から尋ねる。

 ダスターツ伯が再び頷いたので、そのまま言葉を続けた。


「スローン殿はご存知ですが、ここまで来る途中、そこにいるサリアさんから、件のドマイセンに近いセビエネ村が山賊の被害に遭っていると聞きました。彼女のお父さんも負傷されたそうです。

しかし、そのドマイセンとの関係から迂闊に兵の派遣も出来ないとか。その辺りを伯爵様はどうお考えでしょうか」


 その問いに、ダスターツ伯の表情が苦いものに変わった。


「あの件か・・・・・・確かにコルエバンの代官から報告は上がっている。が、あそこには大軍を通すには不向きながら、商人達の利用する細い旧街道があってな、そのような地に軍を派遣しては本格的な戦争の引き金になりかねんのだ」


「放っておくのですか?」

 やや挑発するようにニイロが言った。聞いているポアルソンとスローンの武官2人の表情もやや険しいものになった。


「まさか、見縊(みくび)ってもらっては困る。儂は国王陛下より、この地の民を任されているのだ」

 不快気にダスターツ伯が言った。

 

「ノブレス・オブリージュですね」

「のぶれす・・・・・・?」

 初めて聞く単語に、ダスターツ伯は不思議そうな表情を浮かべる。


「ノブレス・オブリージュです。色々な解釈があるみたいですが、概ね『崇高なる義務』と解釈されるようで、為政者の心構えを説いているそうです。誇り高き貴族であれば、その領民を守るのはノブレス・オブリージュ・・・・・・崇高な義務である、と言う風に」


 ニイロの話に、ダスターツ伯は本日2度目の我が意を得たりといった破顔を見せて喜んだ。


「それだ! それが、儂が日頃から考えていたことだ! 何と言う日であろうな、儂が考えつつも上手く言葉に出来なんだものを、こうも端的に表してくれるとは! 貴族の誇りとあるべき姿、ノブレス・オブリージュか。これは早速陛下に書状を認めてお教えして差し上げねばならん!」

 興奮気味に捲くし立てるダスターツ伯に、やや引きながらも、ニイロは話を本題に戻した。


「それで、山賊の件なのですが、何か手はあるのですか?」

 その言葉に我に返ったらしいダスターツ伯が、多少の照れ隠しもあってか重く頷いた。


「無論だ。ポアルソンの方で準備を進めているので、もう少ししたら解決に乗り出せるだろう。そうだな? ポアルソン」

 話を振られたポアルソンも頷いて答える。


「はい。ドマイセンを刺激しないよう、騎士1人を指揮官にして6~8名の傭兵を付け、分散して現地に入ったら情報収集を行い、拠点が判明したら部隊を集合させて、山賊の規模によってはコルエバンの領軍も動員して一気呵成に山賊の拠点を叩き潰し、さっと引く計画です。大軍を長期に渡って展開するのはマズいですが、短期間で撤収するなら国内のこと、ドマイセンも文句はつけられないでしょう。

 既に2つの分隊が現地に入っていますし、残りも時間を置いて順次送り出す予定になっています。ただ・・・・・・何度も言うようにドマイセンを刺激したくないのと、信用できる傭兵を集めるというのがネックになっていて、後続の分隊の編成に手間取っているのも事実です」


 傭兵云々と言うところから、ポアルソンの視線がチラチラとダグ達傭兵組に注がれる。

 当然、ダグ達もそれに気づいており、何とも具合が悪そうだ。


「俺達は無理ですぜ。もう、そこにいるスコバヤ様とノレーゲンの麓の斥候で契約を済ませちまってる。そっちの契約を破棄するってんなら別ですがね。しかし、毎年のことで慣れてるノレーゲンの斥候ならともかく、隠密行動ってのは、ちと俺らの得意分野から外れるし、信用はともかく、そっちの分野の得意な連中を探した方が無難だと思いますぜ」


 そう言われてポアルソンはスコバヤの方を見るが、スコバヤも契約の破棄には反対した。


「それは困ります。現に今年はギガントライが降りて来るという事態になってますし、ノレーゲンのあの地域の斥候は今年は特に重要です。ここでベテランの彼等を持って行かれるのは厳しい」

 実際に現場を任されているスコバヤに反対されると、ポアルソンもこれ以上無理強いはできない。


「そうか・・・・・・ではどうだろう、ニイロ殿、貴殿の力をアテにさせてもらうことは可能だろうか」

 今度はニイロにお鉢が回ってきた。

 しかし、これについては既に結論が出ている。


「申し訳ありませんが、それはお断りします。王国の民は王国の力で守るべきです。余所者が出しゃばるのはお門違いでしょう」

 ニイロの言葉にポアルソンは肩を落とすが、続くニイロの言葉に顔を上げた。


「でも、私なりの支援はさせて頂くつもりです。人が困っていて、自分にそれを助ける手段があるのに何もしないと言うのも気分悪いですから」


「それはいったい・・・・・・」


「そちらはそちらの出来る範囲で対策に当って下さい。あくまでも主役は王国の方々で、私は裏方です。あ、でも1つだけ、後で現地にいる総指揮の責任者を教えて下さい。こっちが勝手に動くことで迷惑を掛けたら本末転倒ですから」

 つまり、勝手にやるのだから礼もいらないということだ。

 王国の矜持も守れる。


「ニーロと私は、です」

 サクラコが主張した。

「そうだな、もちろんアテにしてるよ。サクラコがいてくれなきゃ、プランが成り立たない」

 ニイロもサクラコに笑って同意する。


 それを潮時と判断したのか、ダスターツ伯が話を纏める。


「全て了解した。この件は、ポアルソン、既定の線で進めるように。それから、ニイロ殿の要望も叶えよう。何か必要なものはあるか?」


「そうですね、現地の指揮官の方と接触した時に、私とサクラコの身分を証明する書状なんかがあると助かります。それと・・・・・・これは山賊の件とは別ですが、ドラゴンについての情報がありましたら教えて頂きたいですね」


「わかった。身分を証明する書状は書いて、数日中には渡そう。それからドラゴンだが、我が国に現れたのは百年以上前という話だ。他所の国の話でも、確か20年ほど前ではなかったかな? ここから南の都市国家連合より、さらに南にある国で出たという話ならば、以前聞いたことがある。後は、東の蛮族共が住む地域にいるという噂や、北のノレーゲン山脈に住むという噂もあったが、どれも噂でしかない。本当の所はわからんが、王都の学術研究院の連中なら、もう少しマシな話を聞けるやも知れん。これも良かったら紹介状くらい書こう」


 その話に、ニイロとしては特に落胆は無かった。

 こちらに来て約20日ほどで、いきなり真相に迫れるような情報がホイホイ転がっているなどとは最初から期待していない。


「そうですか、有難う御座います。それは助かります」

 そう言ってニイロはダスターツ伯に頭を下げた。


「なに、このくらいではギガントライ討伐の礼にもならん。そうだな、ダグ、コズノー、ニーアーレイと言ったか、そなた等の我が領地に於ける貢献も、スコバヤより聞いている。報奨金は期待してくれていい」

 ダスターツ伯は笑顔で言ったが、その言葉にコズノーが慌てて反応した。


「お、お待ち下さい。今回の件、ダグが少しばかりお手伝いしただけで、俺、私とニーアーレイは何もしてません。それなのに金を貰う訳には・・・・・・」


「いいのだ。言ったろう? そなた等の我が領地に於ける貢献は、スコバヤより聞いている、と。二度は言わんぞ? ここは黙って受け取っておけ。そしてこれからも、我が領民の為に力を貸してくれればそれで良い」


 伯爵にそこまで念押しされれば、コズノーもこれ以上言い募ることは不可能だった。

 微妙な表情で押し黙ると、タイミングを見計らったようにドアの傍にいたエルンが呼びかけた。


「皆様、お茶のお代わりは如何ですか?」


「おう、頼もうか」

 ダスターツ伯が応えると、エルンは自分の横に立つサリアに「お願いね」と指示を出す。

 指示されたサリアは皆に一礼してドアを開けると、先程退出していた侍女達がワゴンを押して入室して来た。

 どうやら前もって指示されていたようだ。

 先程と同様に、サリアも含めた侍女4人が、テキパキと全員の前から先に出されていたカップを下げ、代わりに熱い茶の入った新しいカップを配って回る。


 その様子を眺めながら、ダスターツ伯が何気ない調子でニイロに言った。


「そう言えば、メリーチェに聞いたのだが、ニイロ殿の国の飲み物と菓子はたいそう美味と言っていたな」


 がしゃん!


 ニイロの背後で思わぬ音が響いた。

 何事かと振り向くと、サリアが回収したカップをトレーの上でひっくり返したようだった。


「も、申し訳ありません」


 顔を真っ赤にしたサリアが、慌てて後始末をしている。幸い、トレーの上だったので、周囲への被害は(まぬが)れたようだ。

 そこで先程のダスターツ伯の言葉を思い出す。

 ニイロの国の飲み物と菓子というのは、恐らくコーヒーとチョコバーだろう。カジユ村や騎士団との宴会で提供したのは墫酒だけだ。

 しかし、この2つを渡したのはサリアであってメリーチェには渡したことはない。

 以上から導き出される推論は1つだけだ。


「伯爵様の仰る飲み物と菓子とは、恐らくコーヒーとチョコバーでしょう」

 ニイロはそう言うと、振り向いて後ろで侍女達を統率している長らしき妙齢の女性に向かって尋ねる。

「ええと・・・・・・貴女、すいません、お名前を伺ってないので」


「はい、伯爵様の侍女長を賜っております、エルンと申します」 柔らかな笑顔で答える姿は、流石に伯爵家の侍女長といった感じだ。


「有難う御座います。エルンさん、お手数ですが、沸騰させたお湯と、空のカップを人数分お願いしてもいいですか?」


「畏まりました。それから、私にはもっと砕けた口調でけっこうですよ」

 そう言うと、エルンはにっこりと笑って、依頼されたものを用意すべく行動に移った。

 ニイロは、それを見届けると、ダスターツ伯に向き直って言葉を続ける。


「ここまで来る途中で、そこにいるサリアさんが災難に遭ったことはお聞き及びと思いますが、その際に慰めにでもなればと思って渡したものなんです。多分、それをメリーチェ様も口にされたのかと」


「なるほど。しかし、侍女の物を取るなど、あってはならん事だな・・・・・・」

 そう言ってダスターツ伯は渋い顔をするが、その様子にサリアが慌てて弁解した。


「いっ、いえ、お嬢様は何も悪くありません! あれから部屋に戻って、一人だったので、ニイロ様に頂いた物を食べて元気出さないとって思って! それで準備してたらお嬢様が心配してお見舞いに来て下さって、それで嬉しくて、一人で食べるよりご一緒にって、私が言ったんです!」


「ふむ、そうかそうか、良く分かった。そなたも難儀な目に会ったな」

 サリアに向かってダスターツ伯は優しく微笑む。

 孫娘が不埒な行為に及んだ疑惑が晴れた安堵の成分も含んでいるだろう。

 メリーチェの疑惑が晴れて、ほっとしているサリアの様子に、室内の全員からほっこりした空気が漂った。


 それからは雑談の時間である。

 エルンが用意してくれたお湯とカップに、サクラコに持たせていた亜空間ポーチからインスタントコーヒーを出して皆に振る舞い、一緒にチョコバーも提供する。

 絶賛の嵐だったのは、多分にお世辞も含まれていたかも知れない。

 コーヒーもチョコも、人によっては嫌いな人もいるのだから。


 そして注目を集めたものが他に2つ。

 一つは亜空間ポーチで、これは当たり前だろう。特に魔道具馬鹿(マニア)のニーアーレイが被りつきだった。


「これは凄い。これがあれば軍の兵站に革命が起こるぞ! ニイロ殿、無理を承知で言うが、譲ってもらう訳にはいかんだろうか」

 領軍の長を担うギータン・ポアルソンが、普段の冷静さも何処へやら、興奮した様子でニイロに頼むが、当然ながらニイロは断った。


「それは無理というか無駄です。これは私の持つ装備の殆どが同じなんですが、生体認証という機能が付いていて、登録された私以外の人間が使っても普通のポーチなんです。例えばサクラコが使っても普通のポーチと同じです。予備もありませんし」

 

 その答えにポアルソンはガックリ肩を落とすが、代わりにスローンが聞く。


「しかし、この品の価値は恐ろしいまでに大きい。中には他人では使えないと知らずに盗んだり奪い取ろうという輩もいるのでは?」


「ええ、例え盗まれても、どこにあるかは一目瞭然でわかる機能が付いています。盗んだり奪ったりという行為は敵対宣言と同じですから、こちらも容赦はしませんよ」

 そう言って笑うニイロを見て、ダスターツ伯側は勿論、ダグ、コズノー、ニーアーレイもゾッとしたように青褪める。


 実は多少敵対されたからと言って、そこまで徹底的にやるつもりなど無いのだが、無駄な敵対を避ける意味で大袈裟に言っておいた。この場にいる人間は理解していても、部下や配下に不埒な考えを起こす人間がいないとも限らない。

 幸いにもこの場にいる人間は上位者ばかりなので、こう言っておけば影響は下の人間にも及ぶだろうという魂胆だ。

 見ると互いに目線を交わして頷きあっているので、目論見はある程度効果があったようだ。


 そしてもう1つ、注目を集めたのは、意外にもサクラコの胸に飾られたブローチだった。

 最初に気づいたのは、やはり女性のアデッティで、何やら目を白黒させながらサクラコに切り出した。


「サ、サクラコ殿、もし良かったら、そのブローチを見せて欲しいのだが、宜しいだろうか?」

 その申し出に、サクラコは快くブローチを外すとアデッティに差し出した。

 差し出されたブローチを受け取ると、しばらく穴が開くほど一心不乱にブローチを見つめていたが、やがて顔を上げると震える声でサクラコに聞いた。


「サクラコ殿、これをいったい何処で手に入れられたのでしょうか・・・・・・私も末端とはいえ貴族(姓持ち)の女です。宝飾品の目利きには自信があったのですが、これは・・・・・・」


「これは、こちらに旅立つ前に、私の大切な方から頂いた物です。サクラの花の意匠が私の名前に見合うからと」


「サクラの花?」


「はい、ニーロの国の花で、私の名前の由来でもあります」


「ほう、確かにこれは凄いな」

 横からダスターツ伯が首を突っ込んできた。

 武闘派とはいえ上級貴族、宝飾品の目利きは一般教養として身についている。


「派手すぎず控え目な意匠も素晴らしい。銀は黒く(くす)むものだが光沢を維持しているのは手入れが良いからか? 余程大事にしていると見える。それに、この散りばめられた宝石、一つ一つは小さいが、このカッティングは・・・・・・」


「はい、この宝石のカッティングは見たことがありません。我が国に、この小さい宝石にこれほどのカットが出来る者がいるでしょうか」


「おるまいな。これほどの一品、妃殿下のお持ちの物でも並ぶ物があるかどうか・・・・・・」

 ダスターツ伯の絶賛に、アデッティが我が意を得たりとばかりに頷いている。


「枝と葉は単純なシルバーではなく、ロジウムコーティングをしたもので、散りばめられた宝石は、キュービックジルコニア、花びらはピンクコーラル、中央にあるのはピンクパールです」

 ダスターツ伯とアデッティは、聞き慣れない単語に目を白黒させている。

 そんな話を聞きながら、ニイロはそっと小声でサクラコに聞いた。


「なあ、サクラコ、俺、アクセサリーなんて全然なんだけど、そのブローチ、そんなに高価なもんなの? シンシアから貰ったんだよな?」

 シンシアがそんなに高給取りとは聞いた覚えが無い。


「はい、アクセサリーショップでたまたま見つけたとか仰ってましたけど、高くても1万円前後、恐らくは数千円かと・・・・・・でも、値段じゃありませんから」


 そんな雑談が暫く続いたが、やがてドアをノックする音が響き、開けられたドアから秘書官のカウネルが顔を出した。

 全員の視線を浴びながらも、何ら気にする様子もなく、カウネルは報告した。


「伯爵様、ニイロ殿、模擬戦の準備が整いました」

予告通りの更新には間に合ったけど、余裕が無いのは胃に悪いね。

と言うことで、次回更新は10月21日の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ