過去~現在
ある日、シャルロッテと2人で給食を食べていたときに、急に、彼女が真面目な顔をして、
「みづきって、アンドリンのことどう思ってる?」と聞いてきた。
「優しくて、面白くて、冷たいとこもあるけど、いい友達? なんで?」
「私ね、みづきには知っててほしいと思って。」
「・・・何を?」
「私、アンドリンの事が-」
その続き、その言葉は聞きたくない。
アンドリンのことが好きなわけじゃない。
でも、そのフレーズを私はもう、過去に一度聞いている。その時の親友から-
一番信頼していた、
アニーナから。
私達が5年生になりたての頃、
私は休み時間、いつもアニーナと一緒にいた。
私はその時もうニノに恋してて、アニーナはクラスの人気者のチェリモが好きだった。
お互いに、リサーチしあって、休み時間に情報交換したり、おまじないを試したり、恋占いの結果で一喜一憂する、そんな毎日を過ごしていた。
アニーナは、私がこの学校に転校してきてから、初めての"親友"。
2人でずっと楽しく過ごせる、そんな毎日が、
ずっと続けばいいな、そう思っていた。
でもある日、アニーナに休み時間、駐車場に呼び出された。
「みづき、ニノのこと、諦めたら?」
いつもとは全く違う、氷のような瞳をした彼女は、私を見た瞬間そう言った。
「なんで?どうしてそんなこと-」
「どうしてそんなこと言うのって?もう飽きたの。あんたと友達ごっこするのが。あんたがニノのこと話してるとムカつく。分かった?」
「友達・・・ごっこ・・?」
「私さあ、チェリモのことあきらめた。」
「そう・・なんだ。」
「私、ニノのことが、好きなの。
ほんとはずっと前から。
言ってなかっただけ。」
「ひどい。ひどいよアニーナ!」
「どこが?まあ、あんたには私に勝てないか。確かにひどいかもね、あんたから見たら。」
「そんな子だと思わなかった。友達、いや親友だと思ってたのに・・・。」
「あんたとは絶交するわ、バイバイ。私にはほかの友達もいるの。あと、」
「あと、何?」
「手を引いた方が、傷つかないわよ?」
この言葉に、私は何と答えたんだろう。
どうしても、思い出せない。
どうしても、許せなかった。
彼女のことが。
『ニノが好き』この言葉は、忘れられない。
それから3年。
シャルロッテはこう言った。
「私、アンドリンが好き。
ずっと前から。
いってなかっただけ。」
この時、私の胸はきゅんと痛んだ。
どうしてだろう。