表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

好きだったよ。

ニノのことを最初に好きになったのは私。

アニーナは違う子が好きだった。

なのにどうして?彼女がニノを好きになって、

わずか1年足らずで二人は結ばれた。

私はずっと片思いだったのに。

皆、私に悲しいか、怒っているか聞いてきた。

なんでだろう。悲しくも、怒ってもいなかった。

でも、皆に内緒にしていたのは、私がまだ、ニノを諦められていなかったこと。どうしても、無理だった。二人の幸せそうな姿を見て、私だけ、嫉妬していた。何度も諦めようとしたけど、

3か月たったある日、彼らは別れた。

やっとあきらめられそうだったのに。

それでずっと、それからもずっと、私はニノに片思いしてた。気づいたら、3年半も片思いしてた。アニーナは私にずっと、「ニノがね、みづきが自分のことを好きって知ってるって言ってたよ」 とか、「ニノって、みづきの事うざいと思ってるらしいよ」 とかずっと言い続けた。

去年の11月、私は、ニノへの恋心を諦めることを決めた。長く伸ばしていた髪を新しい恋に向けて、短く切った。

でも、恋心は、そんなに早く諦める事は出来ない。心の中はずっともやもやしていた。


ある日、ニノが、私の電子辞書を使っていたとき、どうやったのか、「ノート」 を開いてしまった。

私はそんなこととも知らずに、親友のシャルロッテとアンドレアと、校庭で遊んでた。

学校が終わった後、家でくつろいでいると、ニノからメッセージが来た。

文面は「これ何?」 何だろうと思いながら添付ファイルを開くと、それは私がニノのことが好きだったときに「ノート」 に書いていたものだった。

そこには、ニノが好きとかなんとか、いろいろなことが書いてあって、ニノだけには見られたくなかった。

するとニノが、「みづきってもしかして、僕のこと好き??」 って聞いてきた。

なんて返事をしよう。

考えていると、あることに気づいた。

「ニノ、あなた私が好きだったことしってるでしょ?」

「私、アニーナにそういわれたんだけど。」

するとニノは、アニーナの言うことなんて信じたらだめだと送ってきた。

唐突に、私の頭にアイデアが浮かんだ。

今日、この瞬間、恋を終わらせようと。

私は、勇気を振り絞って、震える指で、メッセージを紡いだ。

「ニノ、私ね、あなたが好きだった。

焼きもちもいっぱいやいたし、悲しい思いもたくさんしたけど、でもね、あなたを好きだった時間は、とっても楽しくて、充実してて、輝いてた。

だから、ありがとう。そして、ごめんね。

みづきはニノの事が好きでした。」


一気に言いたいことを言ったら、もやもやも消えた。するとニノが、「みづき、気持ちには応えられないけど、友達でいてくれるかな?」と送ってきた。

返事はもちろんYES。

私はニノの隣に立ってる。

でも、友達として。それは、3年半の片想いの、最高の終わり方だと思う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ