失恋
私の名前はみづき。スイス在住の日本人留学生。
私の好きな人はアンドリン。
綺麗な緑色の瞳に茶色の髪。
面白くて、かっこいいけど、ちょっと冷たい。
私たちは中学2年生。
今恋も片想いだけど、前恋も片思いだった。
前に好きだった人はニノ。
かっこよくて、優しくて、ユーモアのある、
完璧な男の子。
そんな彼に、私は恋をしてしまった。
3年生の時に転校してきた私は、言葉もしゃべれず、友達もおらず、学校が好きになれなかった。
その時期、一人の男の子に恋をしていた私。
ラッセは、日本が好きで、言葉が話せない私に、
いつも話しかけてくれた。
そんな彼のことが、私は好きだった。
でも4年生になると、彼はなぜか私に冷たくあたるようになった。
ガキ大将のサミールと一緒に、いつからか私をいじめだした。
クラスメートも皆、敵に回った。
でも、ニノだけは、いじめに参加しなかった。
それだけでどれだけ救われただろう。
5年生になると、いじめはなくなり、
私はニノを好きになった。
綺麗な薄茶色の瞳に金色の髪。
誰とでもすぐに打ち解ける明るいキャラクター。
普段は少しクールにふるまってるけど、
時々見せる笑顔。
彼を嫌いな女子なんて、クラスにいなかった。
もちろんライバルもいた。でも彼女たちは3ヶ月ほどたつと、違う子に恋してた。
ずっと好きだったのは私、そしてアニーナ。
彼女は私の親友だった。
でも、彼女がニノを好きになったことがきっかけで、仲が悪くなってしまった。
ずっとライバルのまま、3年に月日が流れた。
私はずっとニノに片想いで、アニーナも同じだった。 でも7年生になってすぐに、彼女はニノに告白した。
返事はOk. でも私は答えがYESであることを知っていた。
というのも、一日前に、私は彼に聞いていたのだ。 「ニノってアニーナのこと、好き?」と。
彼は少し考えて、「うん」と答えた。
その日、私は初めての失恋を経験した。
好きだったのに。勇気が足りなかった。
もし、私が先に告白してたら、付き合えたのかな。その日、不思議と涙は出なかった。