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少年少女の日常  作者: 村本鹿波
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ファミレスでトーク

これからどうしようか。契達に連絡した方がいいよね。電話をしてみよ。

数回コールがして契がでた。


「もしもし、包月?今どこにいるの?」

「まだ学校。そっちは」

「学校近くの市街地のファミレスにいるよ。縁と春人あと縁の友達も一人いる」

「今から行っても大丈夫?」

「おっけーおっけー。地図送るからすぐ来れると思うよー」


ぷつっ

そこで通話は終わった。一つ疑問がある。何故地図?店名でいいと思うのに。暫くすると本当に地図が送られてきた。地図はわかり易かった。ただ思っていた以上に細かい。まあわかり易いからいいか。

では、行くとしますか。ここから飛べば十分ぐらいだろうか。ふわりと体を浮かせ、それから弾丸のような速さで目的地に向かった。



目的のファミレスに着くと契、縁、春人と見知らぬ男子生徒が一緒のテーブルを囲んでいた。

皆のところに行く。


「あ、やっと来た。早く頼むの決めて。私達まだ水以外頼んでないから」

「いやいや、頼んでいればよかったじゃん」


店に申し訳ないだろう。


「いやーみんなで食べた方がいいかなと思って。取り敢えず包月は私の隣ね」


すとんと契の隣に座る

席順は窓から春人、契、私。向かいには窓から見知らぬ少年、縁の順だ。


「ささ、早く頼むもの決めて、ほらメニュー」


メニューを差し出されたので見てみると

期間限定!!ステーキフェスタ!!

それが目に入ってきた。鉄板の上に載ったステーキがなんとも食欲をそそる。よし決めた。


「春人ボタン押して」


春人がボタンを押した。あまり時間は経たずして店員がやってきた。


「ご注文はお決まりでしょうか?」

「えーっとミックスベリーのパフェを一つ」


これは縁。


「ざるそば!」


これは見知らぬ少年。


「……パンケーキ一つ」


照れながら春人が。


「唐揚げ一つ!」


と契りが。斯く言う私は


「期間限定ステーキ大Aセットのライス大盛りで後食後にチョコレートパフェを」

「えっどんだけ食べんの!?」


契が何か言っていたが無視することにした。


「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

「はい」


私がそう言うと店員はそそくさと厨房へ戻っていった。


「ねえ包月どんだけ食べるの?腹壊すよ」

「大丈夫。代謝物凄くいいから」

「そういうことじゃないと思うぞ包月」


契、春人の二人に言われ、思わず目を逸らしてしまった。この話題からは一旦離れよう。


「そんな事よりその人は電話で言っていた縁の友達?」

「そうです。小さい頃から一緒で高校も一緒になったんです」


いわゆる幼なじみというやつか。


「私は細原包月、あなたの名前は?」

無体むたい箱根はこね、一年五組研究科です!よろしくお願いします」

「よろしく無体くん」

「あ、箱根でいいよ。俺も包月って呼ばせてもらうから。それとさ、包月のこと研究してもいいか?」

「箱根!失礼でしょ!いい加減にしないと友達できなくなるよ!」


縁から予想外の大きな声が出た。


「あははー冗談だよ包月。俺が解体バラするのは基本爆弾だけだよ」


充分危ない人だ。

だがこんな事話しにきたのではない。問題は


「私の魔法について話すために集まったんだよね」


空気が一変した。誰も何も話さない。火蓋を切ったのは縁だった。


「あ、あのやっぱり『回復』何ですか?」

「うん、そうだよ」


学校に登録しているのは。

嘘をつくのは心苦しい。でもこれは自分で決めたこと。


「やっぱりそうだったんだねー」

「だから私と一緒にいない方がいいと思うよ。、いいことはないし、逆に悪いことを招くと思うの」


これは本当だ。前に災厄を招いたことがある。

二度も同じ失敗はしたくない。だから


「包月。俺はお前が何であろうと友達でいるつもりだ」


春人が言ってくれた言葉は嬉しい。だがやはり


「友達でいるべきじゃない。まだ皆私が『回復』だと知らないから。この魔法は嫌われているから」

「それは確かにそうだ、この世界の構造上。だが魔法だからどうこうという理由じゃない、俺はお前個人と友達になりたい。その上で訪れる不運なことぐらい乗り越えて行く」

「もちろん、あたしもだよ!それに一目見た時から気に入ってるからさ」

「わ、私もですよ!それに私の魔法と包月ちゃんの魔法は何か近いものを感じますし。それに死なばもろともです!」


皆の言葉がすごく嬉しい。でも縁最後の言葉は使う場面が違うから。


「あ、俺も何か言った方がいい?わっ、睨むなよ縁。えーっとじゃあこれからもよろしくな」


とても簡素なものだ。だがシンプルでわかり易い。


「箱根!もうちょっと何か」

「いいよ縁。ありがとう皆。これから三年間よろしく」


私がそう言うと皆頷き返してくれた。


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