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魔法の弾丸  作者: oga
5/12

病室にて

その日、テッカは教官に大目玉を食らった

「弾丸まで持ち出して、お前は仲間を殺す気だったのか?」

返す言葉も無かった

あの時、テッカは自分の弱さを知った

追い詰められ、まさか銃を使ってしまうとは

勇敢なら、素手でも立ち向かっていた


今までテッカは自分は他人より優れている、そう思っていた

生徒の中でもリーダーシップは取れる方だったし、成績も上位だ

そして、ゆくゆくはこのチームのリーダーになれるかもしれない

「スタンクは確かに俺より優秀だけど、少し他人に冷たいようなところがある

人望でいったら俺のほうがあるし、みんな推薦してくれるはず」

そんなを妄想することもあった

だが、昨日の出来事ですべてが破壊された

下に見ていたウォードとテルキに追い詰められたのだ

そして、負けそうになり、禁を犯した


テッカは罰をうけ、当面みなと授業を受けることを禁止された

その間、ある人物のもとにやってきた

ウォードである

ウォードはあの訓練で、手痛いやけどを負ってしまった

全治2週間

爆炎を浴び、すぐに城の救護施設に運ばれた

その後、船で大陸に搬送され、手当を受けた

それから1週間し、ここに戻ってきたのだ

まだ訓練に戻るには時間がかかった


病室の前で、テッカは立ち止まっていた

ウォードに謝らなければならなかった

しかし、どう謝ればいいのか

相手が納得するような言葉が浮かばないまま、病室に入った

「失礼します」


ウォードは起きていた

ウォードと対面する

しばし沈黙が流れる

いろいろな言葉が頭の中で浮き上がっては消えていく

ごちゃごちゃうるせえ

と自分に一喝し、

そして、

「・・・すまん」

テッカが言った

面と向かい、頭を下げた

何を言われようと、仕方がない

だが、ウォードは思わぬ言葉を返してきた

「気にすんな」

「え?」

顔を上げ、驚いた表情でウォードを見る

あんなやけどを自分から受けて、そんなことがさらっと言えてしまうとは

「本音を言ってくれよ、俺のこと恨んでるんだろ?」

「じゃあ、言ってやる お前、あれはねーぜ?」

ニヤニヤしながらそんなことを言っている

「ほんと、あれはビビったわ ってか人に向けて撃つもんじゃねーって お前、めちゃくちゃ熱かったわ!」

なんかはしゃぎながらそんなことを言ってる


テッカはなるほど、こいつが好かれる理由はこういうことか、と思った

自分に対して何の邪気も持っていない

自分が同じ目に合ったら表向きは許すといっても、内心絶対許さないだろう

なのにこいつは許しているのだ

というかもう気にしていない

テッカは、ウォードのことを見直していた

そして、心の中で、今まで馬鹿にしてすまなかった

と言った


「ところで、お前、聞いたか?」

またニヤニヤしながらウォードが言ってきた

「何のことだ?」

「お前、訓練で失格になったから、次の任務戦地行きだって」

テッカは思い出した

過酷なトレーニングというペナルティのことを

「そういや、そうだった 訓練から離れてて全然そのあたりのこと忘れてたぜ」

「あの後、やり直した戦闘訓練で勝った方は別任務だってよ 俺もそっちに組み込まれた そして他の4人、ライオ、サーシャ、テルキ、そんでお前」

「それが戦地行きか」

「しっかり経験積んで来いよー」

完全に他人事のウォードを置いて、テッカは病室から出てきた

「まじか・・・」


それから数日後、テッカの罰則が解けた

基礎訓練を終え、いよいよ4人でのミッションが始まる

その説明のため、教官とライオ、サーシャ、テルキ、テッカが城の会議室に集まった






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