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読まずにはいられないシリーズ

野球サッカーの道―リュウバからの挑戦状

作者: RO-Ham

野球とサッカー……その両方を楽しめる究極のスポーツ――野球サッカー

人々は熱狂の渦に巻き込まれて行った。

俺、リュウバ。高校3年生で、野球サッカーやってんだ。

え?野球サッカーって何かって?


ははっ。とりあえず説明すると、野球の勝敗に納得がいかなかった場合、サッカーで決着をつけようじゃないか。

っていうスポーツの事を、野球サッカーってんだ。覚えておくように。


それで今日はその野球サッカーの全国大会が行われるってわけさ。

その名も、「第98回全国野球サッカー夏の乱」。


俺、ワクワクしてきたぞっ――!



パーパーパラッパーパパー!


「第98回全国野球サッカー夏の乱――実況はわたくし、森谷です」

「おっと、あちらに見えるのは「チーム・燃えるうどんズ」のリュウバ選手かー?」


球場に入場してきたリュウバは記者達に囲まれている。


「パシャパシャパシャ。今のお気持ちは?」

「なんもいえないっす。超きもちいい!」

「こちらからは以上でーす!」


そして試合前の殺伐とした球場の様子が生中継された。


「司会は私、森口でーす」

「おおっと。どうやらリュウバ選手へのインタビューが成功したみたいですねー」

「ゲストは私、森内ですー。ああーすごい!リュウバ選手、自信に満ち溢れていますねー!」


「リポーターは私、森園でーす。ハイ、そうなんですよ!もう試合前から勝った気でいるのかって思うほど、リュウバ選手、自信に満ち溢れているんですよー!」


リポーターが軽い悪口を吐いたその時!試合開始を告げる笛がピーーー!!!


「実況の森谷です。さぁ、試合開始を告げる笛が鳴ったぞー!」

「第98回全国野球サッカー夏の乱!「チーム・燃えるうどんズ」対「鉄壁のカテナチオズ」のキックオフだー!!!」


ここでリュウバの一人称へ戻るっ!


さあ……いよいよ始まったぜ。夏の乱!エースで四番のこの俺が、この試合を勝利に導くぜ!


「さあリュウバ選手、第一球――投げたっ!」


俺の渾身のストレートを喰らえっ!シュッ!


「審判は私、森重です。おっと、一番サード森山田、これを見逃したぞ!これはストライクだっ!」

「ストライークッ!バッターアウトッ!!!」


へっ、ちょろいもんだぜ。俺はまだまだこんなもんじゃないぜ…………!


「実況の森谷でーす。おっと、一番サード森山田選手、このストレートを見逃し三振だ」

「副実況の森谷2でーす。確かにこれは手の出しようがありませんねぇ。ストライクゾーンギリギリですよ、これ」


会場がどよめいた。


「さあ実況の森谷です。続いて2番ファーストの森田中君の登場だー!」

「さてと副実況の森谷2です。森田中君ねー。彼今シーズンかなり打ってますからねー。初球は悩みどころですよー」

「さあ実況の森谷です。そうなんですよねー。彼今シーズンの打率4割超で、しかも50本塁打放ってますからねー」

「かなりの警戒が必要ですよー」


2番ばんっばんっばんっファーストっとっとっと森田中君っんっんっん


森田中か……今シーズンかなり好調らしいが……ここはストレートで決めるっ!シュッ


「さてと副実況の森谷2です。ピッチャー第一球――投げたっ!」


一人称が森田中君へチェンジされるっ!


こいつ……こんなに早い球を投げてきやがるのか……

くっ、すごすぎる……内角ギリギリを狙っているのか……?


そして、リュウバとの意識リンクが始まった。


そうだ森田中……俺のストレートはすごい。正直、誰にも打たれないという確信すらある。

そっ、そんなにすごいのかっ!?

そうだ。すごい。俺のストレートはすごい。プロでも……いや、リーガダイナマイツでも通用するレベルかもしれん……。

リーガダイナマイツだって……?お前、リーグハポン志望じゃなかったのかよ……。

確かに、少し前までの俺はそうだったかもな……。高校卒業後、すぐに海外リーグに挑戦するのは、それ相応のリスクが伴う。

それに比べれば、国内で力を付け、そしてしかるべきタイミングで海外へ挑戦する……。これが理想かもしれないな。

なら、どうして!?

そんなんじゃ駄目なんだよ……。満足……出来ねぇんだよ……。

満足だって!?

そうだ。本当の意味で挑戦出来るのは、若いうちに限られる……だが、国内リーグを選べば本当の意味での挑戦は失われる!

まさか!そんな事のために海外リーグを選ぶっていうのか……!?人生を棒に振るかもしれないんだぞっ!?

判っているさ……でもな、いつだって人は挑戦したい生き物だ……そうだろ?

……かもな。かもしれない……


バシュッ


「審判は私、森重です。おっと、2番ファースト森田中、これを見逃したぞ!これはストライクだっ!」

「ストライークッ!ゲームセットッ!!!」


「さあ実況の森谷でーす。おっと。これを見逃してゲームセット!勝ったのは「チーム・燃えるうどんズ」だー!」

「さてと副実況の森谷2でーす。おお!これはすごい!ブラボー!内角ギリギリをえぐるスプリットで今大会をものにしたぁ!」


「司会は私、森口ですー。おお!試合終了を告げる笛が鳴ったぞー!勝利したのは「チーム・燃えるうどんズ」です!」


会場がどよめいた。


そして誰もが「チーム・燃えるうどんズ」の勝利を確信したその時――


――マッターーー!!!サッカーデ、勝敗ヲ、キメマショウ!!!


「鉄壁のカテナチオズ」の監督、カペッリッピだ。


会場が再びどよめいた。


「サッカーで勝敗を決めるだって……?よし、やってやろーじゃねーか!」


リュウバは野球ユニフォームを脱ぎ、下に着ていたサッカーユニフォームをあらわにした。


「審判の森重でーす。サッカーでの勝負、認めましょう!」


こうして野球サッカーのサッカーの試合が始まった。


「リポーターの森園でーす。なんだかよく分らない事になってきましたねー?この試合、どうなっちゃうんでしょー!?」


「実況は私、森谷でーす。おおっと。どうやらサッカーで決着を付けるみたいですねぇ」

「副実況の森谷でーす。そうですねー、面白くなってきましたよー!」


試合開始を告げる笛が鳴った。


「実況は私、森谷でーす。さあいよいよキックオフだー。まずボールを受けたのは、思い出のラミレス選手っ!!!」

「副実況の森谷2でーす。おおっ!「チーム・燃えるうどんズ」3番外野、思い出のラミレス選手がドリブルを開始したぞー!」


思い出のラミレスは、ぐんぐん敵陣を切り裂いてゆく。


「実況の森谷でーす。おおっと!思い出のラミレス選手にタックルを決めたのは、ケチャップマン選手だー!!!」

「そのままストレスバード選手にスルーパス!これを受けたストレスバード選手が倒され、フリーキックを獲得!」

「40mのフリーキックです。セットしたのはやはりケチャップマン選手です。彼ならこの距離からでも狙えるぞー!!!」


ケチャップマン選手はストレスバード選手と合体。ストレスケチャップ選手に進化した。


「副実況の森谷です。おおっと!ここで合体だー!かなりパワーアップしたようですねー!」


ストレスケチャップがシュート!


「審判の森重です。おっと、このシュートはマジカルイリュージョンの手を掠めゴール!!!3ポイントシュート決まったぁ!!!」


「実況森谷でーす。「鉄壁のカテナチオズ」、後半アディショナルタイムに貴重な先制点です!さあ、「チーム・燃えるうどんズ」に残された時間は残り5分を切ったぞー?」


一人称がリュウバに戻る!


くっそう!やるじゃねえかっ!このままじゃやばいぜ!


そう思考するリュウバの下に、若手バレエダンサーのミゲリズムピニェリズムが駆け付けた。


「オイ、リュウバ!何やってんだ!負けたら全部お前の責任だぞ!」

「わあってるよ、そんなこと」


言い争う二人の下に、若手バレエダンサーのリズミカルマッケンジーが駆け付ける。


「オイオイ、言い争うのはよせやい!忘れたのか?俺達の過酷な特訓の日々を……――



――――あれは2年前の夏だ。俺は、リアル・クリケットバスケットの頂点を極めるべく、北欧はオーストロシテンブルグ共和国へ留学していた。


……そんなわけで、彼等との辛い特訓の事を、俺は忘れてなどいなかった――――


「回想は終わったのかよ?リュウバ」


ミゲリズムピニェリズムが言った。


「ああ。もう回想は終りだ!行くぞ!みんな!」


再び団結する「チーム・燃えるうどんズ」



そして、再びゴルフボールが球場の真ん中の円の中心にセットされた!!!


再び笛が鳴った!試合再開だ!


試合再開と共に、思い出のラミレスがドリブルを仕掛ける!


「思い出せラミレスー!バレエの動きを!リズムを!今があの辛い特訓をドリブルに生かす時だ!」


ミゲリズムピニェリズムが言った。


「ああっ!分ってるよ!もう魔法の水の力には頼らねぇ!俺の、俺達の力で勝利するぞ!!!」


ドンッ!!!


「審判の森重です。おっと!このシュートをジョウムデホウデン選手止められない!ゴーール!!!3ポイントシュート決まったぁ!!!」

「ピーーーケーーーーーー!!!ピーーーーーケーーーーーーー!!!!」


「実況の森谷でーす。おおっと!何か動きがあったようだぞ!?」

「副実況の森谷2でーす。どうやらPKのようですね。これが決まれば、「チーム・燃えるうどんズ」の勝利が決まるぞー!?」


観客達の興奮は頂点に達していた。すごすぎる大会だ。


「実況の森谷でーす。さあ、大会の公式ルールではPKの場合、手でボールを投げてもいいみたいです」

「副実況の森谷2でーす。そうですねえ。リュウバ選手、どっちを選ぶー?」


リュウバはアイアンクラブを握り、そっと構えた。


「実況の森谷でーす。どうやらクラブを使うようですねー。ルールブックにはアイアンクラブを使ってはいけないと明記されていないので、使っちゃって大丈夫だと思いまーす」

「副実況の森谷2でーす。そうですねー。これ歴史的瞬間ですよー!」


シュパンッ!


「審判の森重です。決まった―ーー!!!ゲームセットゲームセット!この瞬間ゲームセットオオオオオオオ!!!試合やめまーす!!!」


そして勝敗は決した。勝利したのは、「チーム・燃えるうどんズ」だった――



――俺達は夏の大会で勝利した。そして、仲間達はそれぞれの道へ進んで行ったんだ……俺達の戦いは、まだまだこれから先も続いて行く…… END



ここで次回作予告☆


俺、財津龍司。野球やってんだ。2016年の1月か2月か3月から始まる俺達の熱い戦いも、絶対に見てくれよな!

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