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宇宙人

携帯のバイブが鳴る。わずかに左の頭が痛む。


さっきまで俺は夢でうなされていた。

サンタクロースみたいに白い毛で顔を包まれた『youの管理主』と名乗る男が俺を十字架に縛り上げ、「お前は一生独身の宿命を背負っている!!それに刃向うとは愚かでしかない人間ごときがいい気になりおって、、、、こ、この私がぜったいぜったいぜったいゆるさ~ん!!」と叫んでいると思いきや俺の目の先よりずっと高い宙を漂うそいつの謎の強大な魔力によって高い岬のさきっちょのところですさまじい勢いの海(津波?) に呑まれる夢。前にも2回ほどこんな夢を見たことがあった。その時にもその『youの管理主』と全くの同一人物だったように思われる。



「はい、もしもし…..」

「おっす、オレだよ、章平。例の子には告白したのか?」

「え??」


そういえばあんな夢を見たせいでなかなか告白に漕ぎつけられなくなっていた。あれがなかったらとっくに告白なんか済ませて十字架なんて背負わないホップステップジャンピングな日々が待っていたのかもしれないっていうのによ。


「なんならな、オレが結婚してやるからな、心配するな」

「なんだよ、この前30代後半までには結婚したいとかこの間俺にライフプランニングを事細かに説明してくれただろ」

「これじゃ、お前にとってあんまりな結末だなと思って」

「もう人生終わってるみたいな言い方するなよ。俺のことは気にするなって」

「まぁその夢が正夢かなんて分からないけど、今は独身もありなんじゃない?ほら、今独身貴族とかいうじゃない」

「・・・・」


なんか急にものすごくしんどくなった俺は携帯をベッドの上の向こうへと放り投げた。


「あ~うるせ」

「おいっ。おいっ。まだ話は終わってないぞ!?」




ピンポーン


誰かが俺を読んでいる。

むっくり起き上がり空いたままの携帯を閉じて、インターホンに出る。



「こんにちは~。○○宅急便です」

「はい、今出ます」


あれれ?なにか注文したり購入したっけ、記憶にない。

とりあえず宅配されたものを受け取った。差出人不明。しかしうちの住所はしっかりと記入されているし、配送前に会計は済ませてあった。

一人でやっと抱えきれるほどの大きな段ボール箱で重い。

中を開けてみると、なんと大型で薄型の液晶TVが入っていた。

とりあえず古いTVを取り外してそのTVを設置し、コードの接続をして電源をつけると、画面に映るのは俺自身だった。

時折、ざーという雑音とともに画面が砂嵐に覆われそうになるがなんとか持ちこたえているという感じだ。


「どうしたの?」


声のした方に振り向くと、うちで飼っている2匹の猫のうちの1匹がこちらをまじまじと見ている。黒猫と多めの白色と黄色の猫を飼っていて、白黄色の方の猫だった。

それにしても、一人暮らしをしながら2匹の猫を飼っているとはまじで独身貴族の道を歩んでいるのではないかと時々恐ろしくなってくる。

その猫がTVに気づき、目を爛々と輝かせた。


「おはよう」

「あ、おはよう…」

「そこに映っているのは、初期のころのご主人だにゃ!!」

「へ?これオレだよな、やっぱ」

「それを作ったのは宇宙人だにゃ!!」

「え??」

「この間宇宙人に会ったらご主人を連れ去った際に宇宙人がご主人の人格の一部を抜いてそれを地球にばらまいてやったいっひっひっひっひ、大量殺人わ~いわ~い言ってたにゃ」

「いつどこでそんなやつに会ったの!?」

「たくさんいたけどよく覚えてないにゃ。そしてご主人もその記憶が抜かれてるにゃ」



確かにこんなのが出回ってたら問題が起きる。

俺がその猫と会話していると、突然画面の中の俺が話し始めた。


「お…ザァーーーーー、が…..ザーーきのザーーーいちばザーれないかザーーーど、き、、ザーザーーーこいザーしたかザーーーーーーーーー」


「今何言ってるか分かった?」

「ご主人のミーに対する切実な思いが伝わって来たにゃ」

「いや、ただの口が達者な猫じゃねーか」

「じゃあ、告白にこれ使う?」

「いや、むしろ絶対に伏せておく」

「じゃあこれミーのね」

「ほしけりゃやるよ...orz」


まさか自分にまで独身をそそのかされるなんて、俺は泣きたい。

すると、にゃーと言いながらご飯をねだってもう一匹の猫、黒猫が起き上がってきた。






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