第11話 イチローが来たよ
来日したイチロー選手を見に行きました。オリックスファンとしては、感涙もので、バッティング練習の時点で涙が止まらなくなり……。
今日の主人公はデータ占いのアイツです。
第11話
「ピッチャー、シェリル」
ええっ! そんな馬鹿な。マリナーズに銀河系歌姫がいるというのか。
私は、自分のデータと照らし合わせ、このベースボールデータバンクと化した頭脳内を検索する。いや、そんな馬鹿な。歌姫などいないはずだ。
「私の歌をきけぇえええっ!」
「ウェルカムトゥマイファンクラブナイっ! SOS~!」
「いて座午後九時ドンビーレ~」
いかん、メジャーがせっかく来日したというのに、なんだ。私の脳内は、あの銀河系歌姫に毒されようとしている。あこがれのイチロー様(ex愛工大名電)を目の前にして、なぜ!
「そりゃ、おめえがアニオタだからだろ……?」
ああ、ひどいっ、先輩っ! ドイヒーだわっ。いつも可愛い後輩を演じてあげているではないですか。そろそろ気を違えて、告ってくれてもいい頃合いですことよっ!
「おめえ、でけえ声でなにいってんの?」
はあうううっ。声にだしてしまっていたのねっ! 私ったらバカバカ。節操がない女だと思われてしまうわ。
といいながら、ウェーブに参加していた私。隣のあっきー先生に裏拳で殴られた。
「ウィークス様(アスレチックス二塁手、1番バッター)が見えないでしょ!」
「あんた、アスレチックス応援シてんのかいな!」
先輩がいつもながら見事なツッコミを入れる。あっきー先生は、エロいオーラの外人選手には目がない。部費を使って、ソッコーチケットをとってくれたのも、エロい目的があるはずだ。エロいクズ教師ですから。ほんと、エロくてダメな大人だ。
「殺すわよ!」
ぴょげー。セスペデスもエロいですよー。
と、ここで、私は思い出した。メジャーのデータ入れてねーわ、と。目の前でシェリルが打たれていく様を見ながら、私は思った。
「この人、シェリルって苗字なんだわ」
イチロー様は輝いていた。10数年前に神戸で見た時もピカピカしていたが、お年を召した今も、渋さと洗練さを兼ね備え、どの仕草もかっこ良すぎー。
さて、明日は、ペナントが開幕ですよ。みなさん。オリックスに井川投手(大リーグ通算2勝4敗)が入りました。期待大ですね。
イチローは、なにしててもカッコいいです。僕は50才で100安打しかできなくても見ていたいです。