第8話:王都にはいつ着く?
何だかはっちゃけたくなった今回。クロックキャットさんの新たな姿が。。。!期待させといて面白くなかったら、批評が来ても逆ギレしないんでどうぞ送ってください└|∵|┐では、このまま読んでいただければ幸いです。
「契約完了」
ふう、と一つため息を吐くコイルさん。今までの経緯を考えると、ため息が出るのもしょうがないだろう。
「早く出発しましょ、コイルさん」
「ええ」
精霊一体とやりあって直ぐ出発。なかなかきついものではあるが、王都には日が暮れる前までには着きたいという思いが女性陣を動かしているのだろう。それに比べ、唯一男性のノイは、
「なあなあ、ちょっとぐらい休もうぜ」
別にいつ王都に着こうがかまわないので、こんな感じ。カチン、と頭にきたアイラは、
「ノイは別にどこで寝ようが関係ないかもしんないけど、私達は野宿なんて絶対嫌だからね!」
確か、クロックキャットと戦う前にもこんな喧嘩をしていた。
「なんでだよ、野宿も案外楽しいぞ」
「どこが!?」
「いつ魔物が襲ってくるかわからないっていうスリルが味わ」
「味わいたくない!!」
「いいじゃん、昔二人で山に入って日没までに下りれなくて野宿したじゃん」
「あ、あれはしょうがなく・・・」
顔を真っ赤にしてアイラは否定をするが、ノイはというと、顔を赤くすることも、にやけることもなく、ただ淡々と他人事のように話す。
「あれ?二人ともいつからそんな仲になったの?」
コイルが割り込み二人を茶化す。アイラの顔は更に赤くなり、ノイは変わらず。
「コイルさん誤解しないでください!ノイなんかとはなんともないですから」
「なんかって・・・ああ、二人で寄り合って寝たな」
アイラの言葉に少しカチンときたノイは反撃に出る。
「ノイ!」
「へぇ〜」
「何であんたは誤解を招くような言い方すんのよ!」
「はぁ!?おれはありのままのことを話しただけだろ!」
「言い方が悪いって言ってんの!もう・・・ノイなんか嫌い!!」
「ちょっ、アイラ!」
「なっ!お、おれだってお前のことなんか嫌いだ!」
「ノイ!」
完全に喧嘩しました。まるで子供の喧嘩。
そのまま二人は距離をとって歩きだす。
アイラSIDE
アイラは先程から後ろからついてくるノイとクロックキャットが気になってしょうがなかった。
クロックキャットは性別は男性なので、話が合うようで、二人であるいている。アイラはもちろんコイルとシルフと共に歩いている。
「そんなにノイが気になるなら、仲直りすればいいじゃない」
「うっ・・・やだ」
「なんで?このままじゃ旅しづらいでしょ」
「ですですぅ、言っちゃったほうかすっきりしますよぉ」
こんな二人からの提案に、
「私から謝るなんて死んでも嫌!」
ノイSIDE
「なあ、クロックキャット」
ノイは下を向き話し掛ける。
「なんだ?」
クロックキャットは前を見据えたまま答える。
「・・・すっげー話ずらいし、名前長くて呼びずらいんだけど」
ノイは180cmはあるだろう身長に対して、クロックキャットは40〜45cmぐらいしか高さの無い猫。話しにくいのは当たり前だ。
「・・・ならクラークって呼べ」
「クラーク?」
「私の本当の名前だ」
「ふーん・・・ええ!!??」
クロックキャットのちょっとした爆弾発言。驚くのも無理ないと思うが、ノイは驚きすぎだ。
「どうした」
「本当の名前ってことは、今までは偽名?芸名?」
プチパニック状態なのだろう、片手は頭を抱える仕草、もう一方はクロックキャットを指差し、眉間にしわを寄せる。
「あぁ、シルフから聞いていたが、本当に何も知らないんだなおぬし」
「・・・すいませんね」
「クロックキャットというのは、人間達が私達精霊に付けた名だ。クラークは精霊達の仲で呼び合う名だ」
前を見据えたまま淡々と話すクロック・・・いやクラーク。そして、ここでふと、思う。
「んじゃあ、シルフは?」
「彼女はナジュールだ」
「ナジュール・・・」
内容を確かめるかのように繰り返す。別に意味は無いのだが、ただ間をつくりたくなかったというだけ。
「そういえば、話ずらいとか言っていたな」
今度は顔を上げてノイを見て言う。
「あぁ、言った」
「では、これではどうだ?」
そう言った途端クラークはニョキニョキと大きくなっていき、あっという間にノイと同じぐらいの背の青年になった。青年(真っ黒なその髪は綺麗に揃えられたおかっぱ、服装は真っ黒で袖口にだけ白のラインの入った学ラン。耳は尖っているが肌の色はシルフと同じ人間の色)は、どうだ、といった感じに胸を張り勝ち誇ったような目で見る。
「・・・変身?」
ズルッ ノイの言葉はクラークにとって予想外の言葉だったのだろう、コントでやるようなコケを一人、道端でやる。
「違う!私の本来の姿はこれだ。あの姿はなるべく魔力の放出を抑えるためになった」
「じゃあナジュールは?」
「・・・あぁ、シルフか。あれはもとからあの姿だ」
「ふーん。・・・なぁ」
「?」
間髪入れずに次の質問。やはり変な間をつくりたくなかったというのが本音だろう。
「俺どうしたら良いと思う?」
「アイラ殿のことか、とりあえず謝っとけ、ああいう女は自分から何か言いだすことはしない。このまんまじゃ埒があかぬからこちらが折れるしかない」
さすが、何百年も生きているだけある。遅くなったが、クラークは約二百五十四歳。約というのは本人の記憶が定かではないからだ。
「やっぱ俺が謝らなきゃダメか・・・」
「やっぱというのは?」
「昔から俺が謝んねぇと一言も口利いてくんないんだよ」
この時クラークはちょっと涙ぐみながらノイの肩に手をぽん、と置く。男の友情(?)が芽生えた瞬間だった。
その後ノイは慣れている感じでアイラに謝罪し、いつもの二人に戻った。そしてクラークはみんなにいじられ、半泣きになりなからコイルのブレスレットに戻った。
王都までの道は長くなりそうだ。
次こそファンタジーっぽくしていきます。では、また次話で。。。(・_・ゞ-☆




