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第5話:依頼

滞納してごめんなさいm(_ _)mそして、書いてあっても掲載していない文もあったりなかったり。。。さて、それは置いといて、今回もシルフちゃん大活躍です!

「国王様からの依頼を伝えに来たの」

 コイルの口から信じられないような一言。一国の王がなぜ庶民のノイやアイラに依頼などきたのだろう?

 二人が悩んでいるとき、シルフがノイにズイッと近付く。

「ちょっとぉ、お二人とも大丈夫ですかぁ!?」

「うわっ!近っ!」

 後ろに仰け反り体勢を崩したノイはよろける。コイルの思いがけない一言で眠気が吹っ飛んだのだが、さすがに目の前に来られると困る。

「あの、王様からの伝言って一体・・・」

「うん。二人とも『ルイ・スベア』って知ってる?」

「知ってるも何も、百年前のあの大戦を引き起こした張本人じゃないですか!」

 当たり前のようにコイルの話に入っていくアイラ。周りの話にまたもやついていけないノイは一言。

「『ルイ・スベア』って誰」

 二人がノイを見る目が冷たくなる。

「・・・コイルさんどうしよう、私は何だかこの人と一緒に居たくないよ・・・」

「なっ!」

「あなたに同感よ、アイラ。私たちまで常識が無いと思われちゃう・・・」

「なんだよ!何も言わずに教えてくれたっていいじゃっ」

「はぁ〜い!そこでまたまたシルフちゃんのよく分かる(?)世界常識講座!・・・で?教えてもらうときは何て言う?」

「あの・・・お願いします」

「よろしい!」

 シルフは親切なの分からないがまた説明してくれるというのだ。たが、目の前に現われるのはやめてほしいと思う。

 そして、シルフの自称、よく分かる(?)世界常識講座が始まった。

「ではでは、常識が全然無くて非常識なノイに分かりやすくお教えしますねぇ」

「なんか変な単語が・・・」

「『非常識』なんて言ってないって、気のせい気のせい!んで、本題に入ります」

「ながすなよ」

「えーっと、まず・・・」

 シルフの説明が始まった。


―今から百年前、まだ世の中は精霊達の存在に気付き始めたばかり。精霊達がどんな姿か、どんな暮らしをしているのか興味を持ち研究しはじめた。もちろん精霊達はそんな人間達にすぐに交流を持とうとしなかった。なぜなら精霊達の上に立つものが反対したから。

「俺は反対だ!何故私たちのような高等な存在が人間のような下級生物に交流を持たねばならぬのだ!」

 はじめに声をあげたのは闇の高位精霊、ルイ・スベアその人だった。

「ルイ様のおっしゃる通りですわ、私達精霊と交流を持とうなんて百年早んではなくて?」

 続くはルイの側近、如月という女。

「しかしルイ、このまま交流なしというのもいけないような気がするんだよ、同じ星に住む者同士手を取り合わなければならないと」

 反抗するは光の高位精霊、ラピュタ。二人は幼なじみ。属性は違えど仲の良い仲間。信頼できる間柄。

「・・・わかった」

 その場に居た全員の顔に安堵の色が広がる。

 すっと立ち上がったルイは部屋を出る扉に向かう。

「ルイ?」

 歩いていくルイを呼び止める。ルイは友人に言葉を返さなかった。何かがおかしいのだ、まだ議会は始まったばかり、このあとも議題は三、四つ残っている。

 それにうつむいた顔からうっすら見えた白い歯。何かを考えている。

「おい!ルイ・スベア、何をしている。席に戻らないか、まだ議題は」

「煩い!!」

 議長の注意さえも背を向けたまま怒鳴るルイに周囲の者達は警戒する。

「如月、何をボケッとしている。行くぞ」

「はいっ!」

 ガコン! ルイと卯月は扉を開け放ち外に向かう。

「ルイ!」

 親友の声に自然と足が止まる。

「ルイ、戻れ!」

 ゆっくりと振り返る。顔は笑みを浮かべていたが、その目は笑ってなどなかった。

「ラピュタ、君とは唯一思想が同じだと思っていたが、違うようだね。・・・次に会う時は敵かな・・・?」

「ル、ルイ?」

 ルイと卯月は天上界から離れ、どこか地上に墜ちたと後に聞いた。


 数年後、友だった、仲間だった存在はあの日から敵になった。そして争いは何十年も続き、三人の若者の手によってルイは封印された。―


「っと、いうわけなんです」

 ノイは少し考えるように腕を組みシルフの言葉を復唱する。

「う〜ん、つまりこの戦いってのは考えの違いから始まったってことか?」

「ですです!珍しく理解するのが早いですねぇ、ノイさん!」

「・・・お前は誉めたいのか、けなしたいのかどっちなんだよ・・・!」

「えっと、これでシルフちゃんのよく分かる(?)世界常識講座!しゅーりょーです!」

 そういうと、シルフは深々とお辞儀をして消える。

「あ、あれ?あいつどこに・・・」

「シルフならこの水晶の中よ」

 コイルが手首に付けている小振りの水晶の付いたブレスレットをノイに見せる。

「こんなか入っちまうのか」

「この中にはどんなに大きな精霊でも入ることができるのよ」

「・・・素晴らしいくらい世界の技術は進んでますね」

 ノイがこう言うのも分かる気がする。小指の爪ぐらいしか大きさのない水晶の中に小さいのから大きいのまで入ってしまうのだから。

「私たちへの依頼とその『ルイ・スベア』と何か関係があるんですか?」

「えっと・・・」

 アイラの質問に言葉がつまる。言葉を選んでいるようだった。

「それが、『ルイ・スベア』の封印が解けてしまって、今北西の島で何やら始めているらしいの。それを私たちに止めてこいってのが王様からの伝言」

「なんで俺たちなんすか?国内には私たちよりももっと優秀で強い人達がいるじゃないですか」

 更に深く追求する。ノイの声は力が入っており怒鳴っているようにも聞こえる程だ。するとコイルは表情をすっと変える。

「実は、私とノイ、アイラは百年前にルイを封印した者たちの子孫、ひ孫にあたるのよ」

 『子孫』だという言葉を聞いて目が文字通り真ん丸になるアイラ、それに引き替えノイはあまり、というか全然興味はないらしい。

「もしかしてそんな理由?」

「Yes」

「はぁ!?」

 アイラの態度が一変。

「ふざけんなよ!自分らでやりゃあ良いじゃんか!!・・・いや、自分達でやってほしいですよねそういう大切なことは。ね?」

「・・・そ、そうね」

「久しぶりにキレたアイラ見たなぁ・・・ってか本性か?」

 そう、アイラはキレると人が変わったかのように言葉遣いが悪くなる。いわゆる二重人格みたいなものである。

「まあでも、断るわけにもいかないからやれるだけやってみようぜ」

「あれ?ノイからそんな言葉を聞くなんて・・・てっきり『面倒!』とか言って否定するかと思った」

「だって召喚士が二人もいるんだからすぐ終わるって!」

「・・・他力本願?」

 結局依頼を引き受けることにした三人。その後、翌日まで休むことにした。言うまでもないが、アイラとコイルはベッドでノイはソファー。

 しかし、ソファーで寝ているノイは狭いため寝返りが打てず打てたとしてもソファーから落ちたり落ちそうになるのを必死に堪えたり、つまりノイは寝れなった。

 もちろん、ベッド組はぐっすり。




ここからがノイとアイラの本当の旅の始まり。

また次話で!また読んでやってください(;^_^A

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