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第35話:妹

急いで掲載いたしましたので、誤字脱字が多く、読みづらいと思いますが、おいおい直していこうとおもっていますので、お許しください。それでは、このまま見ていただけたら幸いです。

 ノイ達と戦い無数の傷を負ったゴーレムは、降参をしたと同時に青色の淡い光に包まれた。

 どうやら、何処に隠れていた小精霊達が傷の回復を行っているらしく、身体中にあった傷が消えていった。

 ゴーレムは立ち上がり、アイラの下に歩み寄った。そして思い出したかのように話始めた。

「ひとつ忠告しておこう。炎の洞窟には私の妹が居る、彼女は今、何者かにとり憑かれ自我を保てていない状態だ。気を付けろ」

「えっ!? もう一人いるの?」

 彼の言葉にノイがアイラの後ろから声を大にして叫んだ。それにアイラは呆れた、と息を深く吐く。

「洞窟は氷と炎に分けられていたはずだが?」

 ノイには洞察力が無いのか、記憶力が無いのか疑問に思ってしまう所だが、ノイだからしょうがないのかもしれない。

「そういえば…」

「それより!」

 この時点で完全に足手まといになっているノイの言葉を遮ったのは、切羽詰まっている百合だった。彼女はゴーレムに掴みかかり、彼の体を揺すった。

「星羅とグロー丸を元に戻す方法を教えて!」

 彼女の剣幕に圧され、ゴーレムは素直に言葉を返した。

「二人ならドラゴン。ドゥーラの炎で簡単に溶ける」

「…意外と脆いのか」

 ゴーレムの言葉に反応してぼそりと呟いたノイを、彼はもちろん聞き逃すことはなく、すぐさまに反応した。

「何か言ったか? 人間に本気で術などを掛けたら、一瞬で凍死するぞ、それとも、そうなりたいのか?」

「い、いいっす! 遠慮させていただきます!」

「さぁ、もういいかしら?」

 どうでもいいような会話をしている二人にアイラは頭を掻きながら質問をする。なんだか機嫌が悪そうなのでノイは「どうぞ」と言って、すぐに引っ込んでいった。

 ノイがいなくなった場所、ゴーレムの目の前にアイラが立つ。

「ゴーレム…何て呼べば良いのかしら?」

「ゴーレム寒冷だが…セイヤと読んでくれて構わない」

「じゃあセイヤ、今から契約を結ぶわよ」

 アイラは逸る気持ちを抑えるかのように一つ、息をついてセイヤと契約するために言葉を紡いでいった。しん、と静まり返った洞窟内はまるでどこかの神殿のような澄んだ空気が流れているかのようだ、アイラの声だけが響き渡り、それは更に辺りを神聖な場所へと変えていく。

 一つ言葉を紡ぐとそれは淡い、青白い光となってセイヤの横に現れ、更に紡ぐともう一つ現れる。そうしてすべての言葉を紡ぎ終わるころには、セイヤは光に囲まれていた。

「―我と共に歩むことを誓う者と永遠なる契約を…」

 セイヤは小さな光となってアイラのピアスの中に入っていった。

「あ゛ぁ〜さみぃ…」

 精霊との契約が終わって開口一番、神聖な空気を台無しにしたのはやはりノイ。皆の冷たい視線が自分に注がれていることには全く気付いていないのも彼の凄いところだ。

「アイラさん、ドラゴンを…」

「わかってる、ちょっと待って」

 一分一秒でも惜しむ百合がアイラを急かすが、アイラはゆっくりと、百合を落ち着かせるようにはなす。アイラが目を閉じるとすぐにドラゴンが姿を現した。

「…何か用かの?」

「ええ、ドゥーラ。ある程度はセイヤから聞いていると思うんだけど…」

「おぉ、あやつの氷にやられたんだってのぉ、そこの二人で良いのか?」

 ドラゴンの目の先にいるのはもちろん星羅とグロー丸。そしてなぜかノイ。いつの間にかどこからか枝を調達してきた枝を指さしながら一言。

「ついでに、この薪に火を付けていただけると…」

「精霊をマッチみたく使うな!」

「マッチ…」

 ウィークの例えに疑問を投げ掛けるように聞き返したノイ。ドラゴンの痛い視線を感じた彼は慌てて言い返す。

「例えだから本気にするなよ!」

「そこまでバカじゃねぇよ」

 二人のつまらない言い争いに百合が痺れを切らしてドラゴンに直接訴える。

「ドラゴンさん、早くお願いします!」

「わかってる、皆どいてな」

 ドラゴンは氷漬けにされている二人以外の全員が離れたのを確認すると大きく息を吸って炎を吐きだした。もちろん、吐き出された炎は一直線に二人に向かっていく。

炎は二人に直撃すると二人を包むように回りだす。回っていた炎が消えると同時に地面に元の二人の姿があった。

「星羅!」

「グロー丸!」

 すぐに百合と藍が駆け寄り二人を抱き起し安否の確認を取る。

「体が冷たいよ…」

 グロー丸を抱き起した藍が泣きそうな顔でドラゴンにいう。ドラゴンは彼女らの不安を取り除けるよう、やさしく微笑む。

「今まで氷漬けにされておったからな…大丈夫、気ぃ失ってるだけだから暖めてやれば気がつくじゃろ」

「とにかく、ここにテントを建てて二人を冷気から守ってあげましょう」

「二人が起きた時のために温かい食べ物も用意してあげないとね」

 アイラとドールの言葉にみんなはすぐに動き出した。とにかく、先ほどの炎でうまく火がついた焚き火の横に二人を寝かせ、男性はさらに薪を探しに、女性はテントを張り、二人を中に入れてから料理の準備に取り掛かった。

「ドラゴン、ありがとう」

「なんの、我らが主の願い。礼を言われるほどのことはしとらんよ。また何かあったらよんでくれ」

「うん」

 ドラゴンは嬉しそうな顔をしてまたピアスのなかに入っていった。



 ここは…? 私は死んでしまったの?


『戻りなさい』


 小さい頃の私と…誰?


『此処は貴女が居るべき世界じゃないわ。 元の世界へ…』

「だれ?」


 肌が白くてなんて綺麗な人…。


『そろそろ時間、行きなさい』

「あなたは…?」


 困った顔…。


『…私の居場所は此処なの、でも貴女の居場所は此処じゃない』

「また会える?」


 知ってる。この手の感じ、私知ってる。


『そうね、それはずっと先かもしれないけどすぐかもしれない。できれば私はずっと先のほうがいいわ』


 もしかして、あなたは…。



「…ら、せ…ら、せいら、星羅!?」

「あ…百合? どうして…ここは? 何があったの?」

 次に星羅が目を開けたのは薄暗い場所で、目の前にはよく知っている顔があった。

「ここはテントの中、星羅とグロー丸はゴーレムと戦っている途中で氷漬けにされて…でもドラゴンの炎で溶かしてもらって、二人の体が冷たかったからテントを洞窟内に張って…二人が起きるの待ってて、それで…」

 どうやら相当心配していたらしい自分の親友を安心させようと、星羅は微笑みながら彼女とはあえて違う方向を向いて言葉を遮った。

「そっか、ゴーレムと戦ってたのよね私たち。この様子だと無事に勝って契約を交わせたみたいね」

「ええ、アイラさんが契約を交わしたわ。名前はセイヤさんと言うらしいの、それと、妹さんが隣の洞窟に棲んでいるらしくて明日契約しに行こうってなったわ」

 落ち着いてきた百合はいつもどおりの星羅に安心したのか、彼女も微笑んで返した。

「明日か…ちゃんと回復しておかないとね」

「そうね」

 そんな二人のテントに入ってきたのはアイラだった。

「星羅さん起きた?」

「アイラさん。先ほどはありがとうございました。ドラゴンを召喚して助けていただいたみたいで…」

「いやいや、仲間なんだから助けるのは当たり前だし。それよりも、グロー丸も目が覚めたの」

 ちょっと他人行儀な星羅の言動にアイラは困った顔を見せつつも、次の瞬間には笑顔になっていた。

「ほんとですか? 良かった…」

「みんな起きたから食事にしようと思うんだけど…まだ動くのはきついかな?」

「いえ、大丈夫です」

 アイラは思いの外元気そうな星羅の顔色を見てにっこりと笑った。

「良かった。じゃあ、あと少ししたら外にきてね」

「はい、ありがとうございます」

「アイラさ〜ん、スープ持ってきたよ」

「あ、ありがとう。星羅さん、これで体温めてね」

「あ、はい…」

 アイラはテントに顔を出しに行く際、事前にドールに頼んであったであろうスープを彼女から受取り、そのまま百合に渡す。受け取ったカップには美味しそうな野菜スープが注がれていた。

「ちょ、アイラ助けて!」

「はいはい、じゃ、あとでね。…何してんのノイ! これは入れるなってあれほど…!」

 外からはノイの慌てる声とアイラの怒声、それを静めようとするウィークとドールの声。

「…なにが起こってるんだろうね…怖いわ…」

「うん…」

 不安になりつつも、いつも通りなみんなの行動に安心し、星羅は夢での出来事を忘れてしまっていた―。

半年以上停滞していて申し訳ございません。

待っていてくださった方がいらっしゃいましたら本当申し訳ないです…。次の話には既に取りかかっていますので早めに掲載できるようがんばりますので、温かく見守っていていただけたらと思います。

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