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第21話:山を下りたら砂漠?

作者は最近、学問とそれ以外の両立が出来てないっす、今までうまく(?)いってたのに。急に勉強が難しくなるからいけないんだ!。。。ちょっと荒れる私。では、このまま読んでいただけたら幸いです。

 無事に山を越えた一行の目に飛び込んできた風景にアイラが叫んだ。

「砂漠!?」

 そう、そこには一面砂だらけの砂漠だった。

「こんなところに砂漠なんてあったっけ?」

 首を傾げるドール、コイルは地図を鞄から取出し確かめる。指は地図の島をなぞっていくが、すぐに地図をしまい首を振る。

「地図には記されていないわ」

「はぁ!? 最近できたとでもいうのか? この広さだぞ!?」

 ノイの言うとおり、後方にある今下りてきた山以外、見渡すかぎり砂だらけのこの広さを一年やそこらで砂漠に変えることなどできないはず。もしそんなことができる人や現象があるのだとしたら是非、お目にかかりたいものだ。

「これは…」

 ウィークが腕を組んで神妙な面持ちで口を開く。

「何? もったいぶって」

 いっこうに続きを話さない彼に痺れを切らしたアイラが詰め寄る。

「いや…もしかして“げん”かなって…」

「“げん”?」

 ウィークの言葉を復唱するウィーク以外の人々。

 何でも知ってそうなコイルも聞いてきたため、ウィークは少し天狗になって話し始めた。

「ええ、“幻”とは古来より独自の文化を持った人々が使う術だと聞いたことがあります。その人々は“しのび”と言うそ」

「知ってる!!」

 得意げに話す男の声を遮ったのはアイラだった、もちろんウィークはせっかくのいい気分を踏み躙られ、多少ご立腹のご様子。

 さらに、アイラがウィークが言いたいことを奪い取っていく。

「幻って確か固定型・広範囲の術で、あらかじめその範囲の四隅に文様を書いておくらしいの。するとその結界の中に入った相手にまぼろしを見せるっていう代物」

 アイラは満足したのか一つ、息を吐いた。もう話がないのを確認すると、ウィークが助言をした。

「その場所には、忍の隠れ里が存在してるのではないか…って言われてる」

「へぇ〜…」

 アイラを含め、彼以外の四人が尊敬の眼差しでウィークを見ている。

「てことは、この近くに里があるってことですよね?」

「そうじゃん! 会えるのかなぁ?」

 ドールの言葉にいち早く反応したのはもちろんアイラ、術に掛かっているというのを忘れてすごく楽しそうである。

  パン パン

 手が二つ叩かれた、叩いたのはコイルである。

 “幻”は視覚だけでなく、聴覚、味覚、嗅覚、触角、全ての機能をも操ってしまうため今の場所は本物の砂漠のように暑さもあり、砂の感触もある。彼女はその暑さに耐えきれなくなったのだろう、顔は真っ赤で汗はだらだら、五人の中で彼女が一番今の状況に参っている様子。

「早く術を解くかこの場所から出ましょ? 暑くてかなわない…って、どこいくのよ!」

 コイルの目に飛び込んできたのは、とても楽しそうに砂漠の中を歩いている四人の姿。

「どこにあるんだろ? 里」

「早くお会いしたいですね、忍さんに」

「どうやってこんなん作ったんだか早く聞きてぇな」

「忍に可愛い子いるかなぁ…」

 上から順にアイラ、ドール、ノイ、ウィークが言っている。

 言っていることはみんなバラバラだが目的は同じのようだ、つまりは忍に会いたい。

「はぁ…しょうがない」

 コイルは反論しても無駄だと感じ、付いていくことにした。



 陽が高い所まで昇りきり、大地に光と熱を降り注ぐこの時間帯。

 一見、黄色い絨毯のようだがそれは太陽の熱を嫌というほど吸い込んだ砂達、空と地面の両方からの熱が体の水分を奪い取ってゆく。

「ねぇ…一体どうやったら…探し…だせるわけ?」

 あれから少なくても三十分は経っただろう、持っていた水はすでに底を突き始めている。

 流れ出る汗を腕で拭いながらアイラは前を歩いているウィークに訊ねた。

「知らねぇ…俺は酒場で聞いただけだし」

 妹の手を引きながらウィークは言った、さすがに砂漠で妹を背負うことは無理だったのだ。

「ちょっと…休憩しません?」

 一番前を歩いていたノイが振り返り提案した、もちろんこの案を却下する者はいなかった。

 一行は自分の上着や寝るときに使う薄手の布を砂の上に敷き、腰を下ろした。

「コイルさん…シルフに風おくってもらいません?」

 つまりは扇風機代わりにしようというノイの考え、最初は却下していたコイルだが、暑さに負けシルフを喚び出した。

「はいはぁ〜い! お話は聞いてました、風をおくればいいんですよね?」

 そう言うと弱い風をおくってくれた。扇風機でいうと弱ぐらいだろうか、その心地よい風に暑さが弱まった気がした。

「そういえば、隠れ里への行き方知ってますよ」

 さらりと大事なことを言ったシルフに、当たり前のように皆の突き刺さるような視線が集まる。

「何で早く言ってくれなかったの!?」

 コイルさん切れました。暑さに弱い彼女は既に、生死の境をさまよっていたのだ。

「だって…勝手に外に出るなって言うから…」

 怒られてへこむシルフ。だが、どうでもいいときにその約束を破り、どうでもよくないときに約束を守るはどうだろうか。

「とにかく、その隠れ里への行き方を教えてくれ!」

 ウィークが物凄い勢いでシルフに掴み掛かる。

「はわわ! 教えますから手を離してください!」

 小さなシルフは完全にウィークの手の中に納まってしまっている。ウィークは言われてすぐに手から彼女を放した。

「あ、ごめん」

「それで、どんな方法なんだ? シルフ」

 ぱぱっと服を整えている彼女にノイが優しく問い掛ける。

「えっとですね…昔、長老様にお聞きしたことがあるんです。忍さんのところにはどうやってたら行けるのですか? と、お答えはこうでした」

 彼女は急に気を高め始めた。

「ハッ!」

 いきなり気の濃度の高い疾風を何もない砂漠に放つ。

 もちろん人間の五人は唖然としている。

「これが長老様のお答えでした」

 シルフが先程疾風を放った方向を指差す、そこには歪んだ空間があった。

「一時的に術の効力をかき消しました。その中は術はかかりませんので、中に入れば里に着くと思いますです」

 にっこりと笑顔で説明はしてくれたが、ひとつ、気になる言葉を彼女は口走っていた。

「…思うって何? 思うって」

 そう、シルフ(ナジュール)は今回が初めてらしく、これは可能性でしかない。もしこれが失敗してれば…。

「入った途端…ドカン! です」

「はあ!!??」

 砂漠のど真ん中なのに皆さん元気です。この中でただ一人、まだ冷静に話すのはドール。

「とにかく、入ってみましょ? まだどうなるか分かんないし、ずっとこの空間に居るわけにもいきませんし」

 確かにずっとこの空間に居たら全員脱水症状になってひからびてしまう、意を決して中に入ることにした五人。

 ノイ、ウィーク、ドール、アイラ、コイルの順に歪みの中に入っていく。













「何も…起きなかったね…」

 アイラが小さな声で呟いた。目の前には天に向かって伸びた木々や、青々と茂った草花。そこは森だった。

 無事に爆発もなく元の空間に戻ってこれたが、できれば何か起こってくれたほうがよかった。と作者もこの五人も、そして読者も思ったことだろう。

「まあ、いいじゃん。先に進んでみよう、きっとこの先に里があるんだよ」

 ウィークを先頭にまた歩きだす一行、ただし、やる気が出ないまま歩いているので、はたから見ると妙な集団に見えるというのは言うまでもない。

作者の気持ち。。。早く冬休みになぁれ♪つまりは現実逃避したいわけです。はい。

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