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第1話:始まり

精霊編が書きおわってもいないのに差し出がましくも本編を書き始めてしまいました。。。冒頭を読んでダメだと感じたらすぐに読むのをやめてくださいm(_ _)m

 ここは王都のある大きな大陸の小さな村。周囲は森に囲まれ、村の真ん中には小さな小川が流れている。子供たちは外で元気良く遊び、大人たちは忙しそうに働く。どこにでもあるような普通の村。アシュルタ村。

村の半分を過ぎた所に普通の一軒家が一戸。クローゼ家がある。その時、この家に住む女の大声が外に漏れだしてきた。

「ノーイー、どこに居るの?」

 その声に気付き、一人の赤髪の青年が家に駆け込んできた。  ギィ バタン

 彼は彼女が気付いてくれたと思い込み、戸から入ってすぐの机に荷物を置いた。

 けれど、彼女は気付いていなかった。また叫びだす。

「早く出てこないと、あんたの部屋からアイラちゃ…ん…うぐっ!」

 青年は必死に女の口を塞ぐ。女は驚きながらも冷静に後ろに振り向いた。

「! ノイ! 居たなら返事くらいしなさいよ」

「いや、気付いたと思ってたから…ところで母さん、何の用?外まで聞こえるぐらいでっかい声なんか出して」

 ノイは母親を離し、台所まで行き水をコップに注ぐ。

「あんたもう十七歳になったでしょ? だから、明日から旅にでてもらいます!」

  ブッ!

 ノイは口に含んだ水を吐き出してしまった。旅だとか明日だとかの母親の発言に驚いた。

「何で急に!?」

 腕で口を拭いながら椅子に座り母親を見る。

「ほらぁ、よく言うじゃない? かわいい子には旅をさせろって」「言うけどさぁ・・・明日とかって、急すぎでしょ?」

「あんた昔から旅したいって言ってたじゃない」

「・・・まぁ」

 ノイはちょっと不貞腐れながら次の水を口に含む。

「ついでに、アイラちゃんと一緒に行ってもらうからね」

「うぐっ! ゴホゴホッ」

 今度は驚きのあまり、変に水を飲み込んでしまう。

  バン!

 机を叩き立ち上がる。

「なんでアイラなんかとっ…!」

「私とじゃあ嫌?」

「なんでここに…」

「帰ってきたの。全課程が修了したし」

 目の前に現われたのはアイラだった。アイラは今まで王都にある学校に行き、村を離れていたのだ。

「私とじゃあ嫌だった? ノイがあの時言ってくれたから旅をする気になったんだよ、帰ってくる気になったんだよ」

「別に嫌ってわけじゃあ…」

 ノイは耳を真っ赤に染めて口籠もる。

「よし決定ね! 今日の晩ご飯頑張っちゃうわよ! アイラちゃん、今日は泊まってってね」「ありがとうございます」

 そんなこんなで、荷物をまとめて明日に備えて早く寝た。




 次の日、朝日とともに村を出発し歩き始める。けれど、これといって行くあてもなかったため王都を目指すことになった。

「なぁ、アイラ。王都までの道程は一本道だったよな?」

「そうだよ」

「…ところで、お前その格好で旅するんだよな?」

「何かいけない?」

 アイラの職業を考えればその格好はどうしようもないのだが、ノイが聞くのも無理はない。アイラの格好は黒のタートルネックに茶色の膝丈スカートを履いている。スカートを履いていると旅の中で邪魔になるケースが多いのだ。

「まぁ、本来ならこんな古風の装いをしなくてもいいんだけど、気に入ってるんだよね。昔の習わしを守ってるのは今じゃあ数える程しかいないけどね…」

 アイラの職業は召喚・魔術師。自然や生き物を操る術を修得した者のこと。アイラは若いながらもその素質を買われ村を離れ、王都にある世界最高峰の召喚・魔術専門の学院に行った。

「そういえば、ノイ、付けててくれたんだね!」

 アイラはノイの横に付き、胸元に目をやる。そこにはシルバーの首飾りが掛かっていた。

「私のネックレス」

「別に、好きで付けてるわけじゃあ…家に置いとくと母さんがなんかしそうだから…」

 外方を向き口籠もりながら返答する。髪の隙間から見える耳は真っ赤になっていた。

「つまりは、大事にしててくれたんでしょ?」

「…行くぞ!」

 ノイは足早に足を進める。アイラはそんなノイを見て少し嬉しくなった。


 それから少し経ったその時、アイラは何かに足をつっかえた。

  ガッ

「ひゃあ!」

「うわ!」

 体勢を崩したアイラはそのまま前方を歩いていたノイの腕に掴まる。二人の間隔はそれほど広くもなかったため、ノイのもう一つの腕がアイラの脇に入った。

「大丈夫か、アイラ」

「いてて…なんとか」

 掴んだアイラの腕は以外にも細く、今にも折れてしまいそうに感じた。幼い頃のアイラとは背丈も体型も違うことを実感する。

「ありがとう。もう大丈夫だよ」

 アイラはするりとノイの手から離れる。何故か寂しくなった。人の温もりが恋しくなる。

「はっはっはっはぁ!」

 アイラが足をひっかけた場所の草むらから突如、男の声がした。 ガサッ

 三つの人影が草むらから飛び出し、道端に姿を現わす。

最後まで読んでいただけて嬉しい限りです。次話も頑張りますので、また見かけたら暇なときに読んでやってください。

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