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学校給食未来録 ~ちょっとSF/浅倉椎菜の青春日記~  作者: STUDIO TOMO
9章 あげぱんと母校に帰る日

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ep36 ガイダンスとソースと夕焼けに染まるビル

 そのあと、プログラムは会社説明や、

 私の体験談へと進んでいった。

 「学校給食の一日の流れ。」「大量野菜のはなし」

 「朝が早いこと」

 「現場で大変だったこと。」

 でも、それ以上に「やっていてよかった」と

 思えた瞬間のこと。

 「毎日給食が食べられることと、

  子どもたちの笑顔」

 自分の言葉で話しながら、

 (……私、本当にこの仕事が好きなんだな)

 と、少し照れくさくなる。


 最後は部長が会社の説明をした

「ぜひインターンや会社説明会に来てくださいね」

 と言ってみんなで声を合わせて

「待ってまーす」と手を振って

「今日はありがとうございました」深々と礼をした。


 ガイダンスが終わると、佐藤先生が声をかけてくれた。

「ガイダンスも揚げパンも、今日の体験談、

 すごくよかったよ。頑張っているね。」

 とプログラムが終わったあと、佐藤先生が声を

 かけてくれた


 その後校長先生も顔を出してくれた。

「“自分もああなりたい”って顔、いっぱいあったわよ。」

 そう言って笑ってくれる。

 しばらくして、アンケート用紙を集計した佐藤先生が、

 目をまんまるにして戻ってきた。


「インターン参加希望者16名だって。」

「16……?」

 思わず復唱してしまう。


 あげパンだけじゃなくて、

 部長のキャリアの話や、会社説明。 そして、私の

 失敗談と今の気持ちまで、ちゃんと届いて

 いたらしい。

(……この会社なら、私を導いてくれる。)

 就活のとき、ここで説明を聞いて、

 そう思ったあの日の自分が、ふっと胸の中で笑う。


 社用車で反省会の会場へ戻る道すがら、

 坂の下に広がる車の列と、夕焼けに染まり始めた

 ビルの谷間を眺める。

  ヘッドライトの光が、ゆっくりと動く粒みたい

 に連なっている。

(……なんか、来る前と景色が違って見えるな。)

 同じ道なのに、胸の中だけが少し変わっている。

 そんな不思議な感覚を抱えたまま、


 車は懐かしさを感じる都電通りへと入っていった。

第3章は、椎菜が“誰かの未来を開く側”に立つ

瞬間を描きました。

インターン希望者が46名中16名という数字

は象徴で、

「椎菜自身の言葉が、ちゃんと誰かに届いた」

ことを示すためのものです。(しかも実話です)

この章は、椎菜の成長描写として最も大事に

した部分で、

・ただの成功談にしない

・背伸びしすぎない

・だけど“前に進んだ実感”をちゃんと残す

というバランスを強く意識しました。


帰りの車で見た景色が、行きとまったく

違って見える——

この気持ちは、働きはじめの1年目に

誰もが経験する感覚だと思って描きました。

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