ノーベル文学賞 GPTべらぼう版

作者：アホ

脳部流章は、文月の終わり、すでに名を馳せた文人として、ノーベル文学賞を授けられてから、ひと月が過ぎた。

だが、これは平和賞ではない。流章はその違いをはっきりと理解していた。

だが、他人が思うほど、変わった日々を送っているわけではない。近所の婆さん――今はすっかり年老いたものの、かつては小町のような美しい女だった――は、相変わらず流章を馬鹿にしている。

婆さんは一日中、京の街の噂や、浅草の浮世絵を眺めて過ごしている。そんな中で、流章の名もすでに耳にしているはずだ。しかし、知っているにも関わらず、彼を侮る態度を崩さない。

彼の筆は、ふとした思いつきから始まったものだ。日々の暇を持て余す中、ふらりと書いた戯れ言がまさかの賞を受けることとなった。

流章は、村上春樹の名を聞くと少し申し訳なく感じる。大名跡の作家たちがひしめく中、自分のような者が受賞することには、何かしらの運命を感じずにはいられない。

「これも一種の才能かもしれぬ。」流章は、ふと蔦屋重三郎のように自らの手にしていた硯を見つめながら、呟いた。蔦屋はただの商人ではなく、浮世絵の才を活かして人々を驚かせ、世の流れを変える力を持った男だった。そのような器用さを、流章もまた得たのだろうか。

努力では、勝てぬものがあることを流章は知っていた。どんなに筆を揮っても、ボルトのような速さや力強さには到底勝てるものではない。しかし、それでも、流章には他者と並ぶことのできない力がある。

筆を執れば、無敵だ。右に出る者は、どこにもいない。