まるでストイックなエリート? 一種タイプ3について見てみる
今回は一種タイプ3を紹介する。この性格の特徴を一言で表せば「ストイックなエリート」である。
まず、タイプ3に共通する「感情の内容」について考えてみよう。
タイプ3は、有能感≫自律性≧関係性の順で関心が強い。したがって、あくまで自分に有能感を得られるということが重要である。
この関心のうえで、各感情の内容は次のようになる。
PS 自分のあたえた成果に答えるべきという処罰心。
PO 他者に成果を認めてもらえない恐怖。
GO 自分を評価してくれるという期待。
WO 他者は自分を評価してくれないという諦め。
IS 自分は評価されるような存在であろう。
IO 自分を評価してくれる他者への甘え。
BS 自分を評価してという怒り。
BO 他者が自分を評価してくれないことへの嫌悪感。
WS 自分は評価されないという悲しみ。
GS 自分の成果を他者に与えようという自主性。
AS 他者と自分どちらが優秀なのかの解釈心。
AO 自分が評価してほしいということを他者に解釈してほしい。
タイプ3の統合先はタイプ6である。タイプ6は関係性を重視するタイプである。タイプ3は関係性の欲求が阻害されがちである。しかし、人間が本当に向上し人を率いることのできるリーダーになるためには、関係性への欲求が必要である。
次に、あらためて、一種体癖の特徴を復習しておこう。
WSやWOは発生した後、GOで防衛される。GOは巻き込みをつかってBOを引き起こす。
BOはPOに防衛され、それに対してPSで同一化する。PSはしばしば内在化した父の命令によって、ISに遷移する。
これをタイプ3において具体化すると次のようになる。
他者が自分を評価てくれない。
→他者に自分を評価してほしい。
→他者が自分を評価してくれないことは嫌なやつだからだ。
→自分が他人に正当に評価してもらえないかもしれない。
→いや、そんなことはない、自分のあたえた成果に答えるべきという処罰心。
→自分のことを評価してもらうためにより一層、成果を出そう!
自分は誰からも評価されない存在なのかもしれない。
→自分が評価されるように努力しよう。
→他者にも自分の成果を認めてほしい。
→自分を評価してくれないのは嫌な奴だ。
→自分はもしかしたら評価てもらえないのかもしれない。
→いや、そんなことはない。私は評価されるべきだ。
→自分を評価くれるためにより一層努力しよう。
自分のことを評価してくれないのは嫌な奴だ。
→自分はもしかしたら評価してもらえないのかもしれない。
→いや、そんなことはない。自分は評価されるべきだ。
→自分を評価してもらうためにより一層努力しよう。
自分を評価しろという怒り。
→自分は評価されるべきだ。
→自分が評価されるためにより努力しよう!
一種体癖タイプ3の場合、タイプ3の評価を求める心と一種の処罰感情が混じり合わさって、自分が評価れるべきという考えを強く信じることになる。自分の評価されたい期待をしばしば他者に求めてしまうのである。
これを避けるためにもやはり解釈の心を持つ心が大切である。
相手が評価くれなくて嫌な気分になった。
→他者はどうして評価してくれないんだろうという解釈心。
→評価されないとしても本当に他者に必要なことのために努力しよう。
こういった気持ちを持つことが重要になる。
ここからは一種タイプ3を主人公にした物語を考えていく。
一種タイプ3は関係性を求める心が阻害されていて、他者と側にいるだけでは満足できないという問題を抱えている。特に一種は、自分の間違いをあまり受け入れるのが得意ではないため、やたらと愛を押し売りがちである。
一種タイプ3を導く存在は、十種や十一種やタイプ6である。
タイプ6は将来の自力では対処できない課題に備えて、他者と関わることで、自力ではできないことをできるようにする力がある。
タイプ6との関わりを通して、一種タイプ3は、自分が評価されれこととは別の実際に社会や人々に役立つものを提供できるようになる。
また、十一種は他者を解釈する力に秀でており、一種タイプ3が許しの心を身につけることへ寄与する。十種の自己主体性を身につけることもが自分の労働を自分で評価することができるために重要である。
一種タイプ3を描く上でも注意してほしいことがある。
一種タイプ3は成果にこだわる性格であるから、自分が評価されることを重視している。これはわがままなわけではなく、実際に一種タイプ3はそれを望めるだけの努力をしている。(時にその努力の方向性が誤っていることもあるが。)
タイプ3はたしかに自分が評価されたくて努力しているが、決してアンモラルな露悪な存在というわけではなく本当に他者に評価してほしいという思いだけで活動しているのである。
一種タイプ3は決して露悪な存在ではなく、他者に自分の成果を認めてもらうために、ストイックなエリートである。