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心癖論から体癖を見てみる

 心癖論から、様々な既存の性格論を見てみよう。今回取り扱うのは体癖である。

 

 心癖論の大枠は体癖とエニアグラムを組み合わせたものであるから、心癖論は体癖と多くの共通点を持つ。しかしながら、私は理論構成の中でオリジナルの体癖とは、異なる点が四つ存在する。その違いを見ていこう。


 一つ目の違いは、奇数、偶数、型という考えをほとんど放棄したことである。

 本来体癖には、上下型(頭脳型)、左右型(感情型)、前後型(行動型)、捩れ型(闘争型)、開閉型(集中型)、遅速型という6つの型を用いて、その中に奇数と偶数を定めている。

 では、心癖論の中に、本当に型や奇数偶数にに相当するものはないのだろうか。


 上下型の場合を見ていく。一種と二種は心癖論においてはどちらも父の命令を使用するという特徴がある。また、PSとPOの間の同一化、この向きの方向が、頭脳型の偶奇を定めている。SとOの対立においてはSすなわち自己の要素が強いのが奇数体癖の特徴である。

 

 左右型の場合を見ていく。三種と四種は心癖論においては、WOとGOの間の遷移に特徴づけられる。これは、他者に対して期待するか諦めるかという評価に関する感情である。防衛と解離の対比において、奇数体癖では防衛の要素の方が強い。


 前後型の場合を見ていく。五種と六種は、心癖論においては、WSの次の遷移先の問題と考えることができる。偶奇についてはやはり、自己の防衛要素である五種が奇数体癖である。


 捩れ型の場合を見ていく。捩れ型は、どちらも、Bの要素を持った感情である。自己の要素であるBSに関するが七種が奇数体癖である。


 集中型の場合を見ていく。集中型は、GS(自己満足感)の維持しやすさを表していると考えることができる。

偶奇については、再発生を意識したWSが奇数にあてがわれている。


 遅速型については変更点が多いので省略する。


 さて、以上のように心癖論においても型や偶奇を考えることができる。ただし、偶奇の決定法則が防衛と自己、再発生の三つの基準があり、はっきりしないことから、偶奇や型の議論は取り除くことにした。



 二つ目の違いは、体癖の体癖たる、体に関する部分を取り除いた点である。

 これは、私としては泣く泣く取り外した部分である。私は、私の体癖論もオリジナルの体癖と同様の身体傾向を持っていると想定しているが、私自身が体癖と整体の専門家ではないので確認の手段を持っていないというのが実情である。

 もし、これを読んでいるあなたが整体師で私の理論を信じてくださるのなら、どうか検証していただけると嬉しく思う。



 三つ目の違いは、十一種、十二種の取り扱いである。オリジナルの体癖においては、十一種や十二種は身体の偏りとは異なるものとして別枠として扱われている。しかし、心癖論においては感情の振る舞いの偏りとして同等の扱いをしている。また、十一種を解釈者として取り扱い、十二種を聖人として取り扱っている。

 私の十一種のイメージはニーチェである。彼は、若い頃は大学で働いていたのだが、自分の理論が世間に受け入れられなかった結果、精神と身体がボロボロになってしまった。しかし、彼はその解釈者としての才を活かし、独自の哲学を打ち立てることを達成した。

 また、私の十二種のイメージは、不動の聖人であり、悪魔の囁きに流されずに一心不乱に神の赦しを追い求めるものをである。カントのような自制心を持った人間は己れ自身を実践理性という赦しを与える天秤において測ることができる。


 四つ目の違いは、エニアグラムと組み合わせたことで一つの体癖の中に様々な性格の可能性を広げたことである。

 従来の体癖では、一種は抽象思考、二種は秘書仕事、三種は色彩感覚……といったように体癖ごとに得意な業務を定めているという側面があった。

 心癖論では、一つの体癖にたいして九つのエニアグラムを組み合わせることで同じ体癖でも得意とすることの幅を考えることができるようになった。


 体癖の型と偶奇、体癖の身体性の消滅、十一種十二種の取り扱い、エニアグラムとの組み合わせという四つの変更により、心癖論はオリジナルの体癖と比べ、身体という客観の基準を失うことを代償に、すべての体癖を感情振る舞いの偏りとして、感情の内容を意味するエニアグラムと統一的に扱うことができるようになっている。

 執筆で扱う上では、これらの変更が有用であると私は信じている。

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