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人魚姫とお魚王子  作者: 只野透四郎
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第83話 ロンドンで青春

造船所で魔導戦艦の設計図を盗もうとしたルパンを襲撃した刺客を操っていたモリアーティ。

彼を足止めしたのはポルタから戻ったエンリ王子たち。



モリアーティが召喚ペガサスに乗って逃走した後、ドレイク提督とホームズがエンリ王子の所に・・・。

「さっきの奴がモリアーティ教授だな?」とドレイクはエンリに。

エンリは「奴を追った人は?」

「ボンド男爵。諜報局の下で活動するМ機関というスパイ組織のボスですよ」とホームズ。


ドレイクはエンリに「造船所で起きてる騒ぎについては?」

エンリは「聞いています」と一言。

「あなたはポルタの王子として、この造船所については?」とドレイク。

エンリは「多くの人が交易に参加するのは良い事だと思います」


「ポルタが交易を独占しようとは?」とドレイク。

「それでは大きく世界を変える事は出来ない」とエンリ。

「私たちが独占するのは?」とドレイク。

「それは困る。ここで作っているのは軍艦なのですよね? あなた達はそのつもりで?」とエンリ。

「それは国王が考える事です」とドレイク。



警官たちがエンリの所に来る。そして二人の警部が名乗った。

「ロンドン警察のレストレードです」

「フランスから招かれたガニマールです」

レストレードはガニマールに「イギリスとしては、招いた憶えは無いのだが」

ガニマールは「ルパン逮捕はユーロ全体の課題だ」

「ポルタ王太子、エンリです」と、エンリは彼等に名乗る。


そしてレストレードはエンリに言った。

「ところでエンリ殿下、早速ですが、こちらにおいで頂きたく・・・」

タルタが身を乗り出して「歓迎の宴だな」

「タルタ、意地汚いぞ」とエンリは彼を窘める。

ファフが「ねえ、御馳走?」

「あのなぁ。外交の場でポルタの恥を晒すんじゃない」と、更に困り顔のエンリ。


そんなファフを見てレストレードは「いや、元気なお嬢さんで」

「いや、こいつは従者なんだが」とエンリ。

「女の子ですよね?」と怪訝顔のレストレード。


警官の一人が「ボンド男爵の所のボンドガールズみたいな?」

エンリが怪訝顔で「何ですか? ボンドガールズって・・・」

「彼の手足として動く7人の女アサシンですよ」とレストレードが説明。

エンリは「まあ、そんなものかな?」


警官たちがひそひそ。

「ボンドガールズって夜の相手とかも、するんだよね?」

「あの王子ってロリコン?」



そしてレストレードは言った。

「それでエンリ王子。あなたがモリアーティの黒幕だという疑いが、かかっているのですが」

「はぁ?」とエンリ唖然。


レストレードは懐から一枚の紙を出してエンリに見せた。

「襲撃者の懐からこれが。イザベラ女帝の密書ですよね?」

エンリは「そんな筈は・・・」

「けどイザベラさんだから」とタルタ。

「あの人なら有り得るかも」とニケ。


レストレードは「あなたの妃でもあるんですよね?」

エンリは冷や汗顔で「多分彼女が勝手に・・・。政治家の賄賂だって秘書が勝手に貰った事が解れば、本人は無罪ですよね?」

「あの、王子。それ、一番駄目な例だと思うんですけど」とアーサーはあきれ顔で言った。

残念な空気が漂う。



その時、ホームズがその密書と称するものを見て、言った。

「これは偽物ですね」

「ホームズさん、その理由は?」とレストレード。


ホームズは説明した。

「紙というのは植物の繊維ですが、この手紙に使われている紙はアルプス麻を原料としたものです。スパニアやポルタで使われている紙はイベリア麻を使います」

「アルプス麻という事は、ドイツで? すると向こうに拠点を置くドリアン商会?」とレストレード。

「それも違うと思います」とホームズ。

「そうでしょうね。これは我々を仲違いさせようとするモリアーティの小細工ですよ」と、その場に来た商人風の男性が言う。

レストレードが「あなたは?」と問う。


男性は言った。

「ドリアン商会のフッガーです。早急にヘンリー王と三者で会見を持ちたい。モリアーティがこんな小細工をするのは、外交的な対立を期待しているからです」



騒ぎが収まると、エンリは「助かりましたよ、ホームズさん」

「いえ、あなたがモリアーティを足止めしてくれたのですよね?」とホームズ。

エンリは「うちのリラ、お役に立ってますか?」

「彼女は有能ですよ」とホームズ。



いつの間にか探偵団の仲間も集まっていた。

その中に居るポカホンタスを見て、エンリは言った。

「ところでポカホンタス、その恰好」


初めて自分が魔法少女服のままでいた事に気付いて慌てるポカホンタス。

「あ・・・。私はポカホンタスではなくて、正義の魔法少女のえーっと、そう、魔法少女ポカリンよ。悪者退治はお任せよ」

「そのネーミング、間抜け過ぎじゃ・・・」とエンリ。

「うぐう」

「それと、服装変えただけなのを普通、変身とか言わないと思う」とエンリ。


ポカホンタス開き直る。

「いいんです。解ってます。痛いですよね? 恥ずかしいですよね? こういうの中二病って言うんですよね?」

「大丈夫だよ。こんなの普通だ」とフォローを試みるアーサー。

ポカホンタスは「そうなんですか?」


「いいものを見せてあげるよ」

そう言ってアーサーは記憶の魔道具を出して映像を再生。

あのノルマンの砦でのエンリ王子の映像。仮面のエンリが「我は世界の裏に封じられし邪神の転生、闇のヒーロー、ロキ仮面」


エンリは慌てて「何見せてるんだよ」

ポカホンタスは目を丸くして「これってエンリさん? やっぱり中二病だったんだ」

「いや、あれはね」とエンリは口籠る。


アーサーはエンリに「まあまあ、一人の女の子が引き籠りになったゃうかどうかって瀬戸際なんだから」

「俺はいいのかよ」と口を尖らせるエンリ。

「だって他人事ですから」とアーサー。

「王子様がたとえ中二病でも私の愛は変わりません」と人魚姫リラ。

エンリは頭を抱えて「勘弁してくれ」


そんな彼等にポカホンタスは「けど、こういうのを見せて元気づけようとするって、私のこれも同レベルなんですよね?」

落ち込むポカホンタス。

エンリは彼女を見て、アーサーに「さっきより落ち込んじゃったじゃん。人の黒歴史晒した挙句がこれかよ」



そんな中でタルタがポカホンタスに「ってかそのデザインとか変身ポーズの振り付けって」

「精霊さん」とポカホンタス。

「普通居るわな」とジロキチ。

「小動物みたいな?」とリラ。

「この人」と言ってポカホンタスは、いつの間にかステッキの頭部から外れて宙に浮いている黄金像を指した。


黄金像を見てニケ唖然。

そして「あんた、ケツァルコアトルじゃないの。あんたが元凶ね?」と言って黄金像を掴む。

黄金像は楽しそうにニケに言った。

「そうさ。お前がキンカ帝国で分身を盗み出そうとした・・・。触るとお金に触れなくなる呪いってあったよな?」

ニケは「ギャーッ、エンガチョ」と叫んで黄金像を放り出した。


そして隣に居るタルタに「今何秒触った? まだ三秒たってないわよね? 三秒ルール適用よね?」

黄金像は「五秒くらい触ってたぞ。ってかエンガチョって何だよ。仮にも神様だぞ。天罰追加で座布団三枚没収だな」

「ふざけんな」とニケは口を尖らせる。


「ほらほら、お金触れなくなったかどうか確認しなくていいのか?」と黄金像。

「そーだった」

そう言って財布から金貨を出すニケ。

そして「なーんだ、触れるじゃない。脅かさないでよ」


その時、一匹のカラスが急降下し、ニケの手の中の金貨を咥えて飛び去る。

「このドロボー烏、私の金貨返してよ」と叫んで地団太を踏むニケ。

「ほーら罰が当たった」と高笑いする黄金像。

ニケは黄金像に「あの時のカラスもあんたの仕業ね? 私の金貨返しなさい!」


唖然とするポカホンタス。



そんなポカホンタスを囲んでわいわいする、探偵団の仲間たち。

「その服、どうしたの?」とローラ。

ポカホンタスは「精霊さんの力で変身したんです」

「俺がデザインしてやったぞ」とドヤ顔の黄金像。


「可愛いと思う」とリラ。

「そうかな?」とポカホンタス。

「こういうのって楽しいじゃん」と遠坂。

「そうかな?」とポカホンタス。

「俺は好きだな」と間桐。


そんな彼等にワトソンが言った。

「青春には三つのものが必要だ。それは友情と恋と遊びだ。みんなで思い切り羽根を伸ばしてきたらどうかな」



翌日、探偵団の学生五人で街を歩いた。


大道芸人を見る。食べ歩きに買い物に見世物小屋。そして水着を買って海へ。

波打ち際で水着ではしゃぐ五人。


砂浜にある一軒の浜茶屋を見て、リラが言った。

「ここにもあるんだ。浜茶屋」

「ジパングにはよくあるんだよ」と遠坂。

「ヨークにもあります。ジパングから来た人が作ったって言ってました」とリラ。

「リラって人魚になれるんだよね?」とポカホンタス。


人魚になって海面で跳ねるリラ。輪くぐりや立ち泳ぎを披露。

遠坂が水蜘蛛の術で水面を歩き、間桐が蟹や水鳥の式神を操る。


波打ち際に立って、ローラが言った。

「海っていいな」

ポカホンタスは「けど、こんな海の上でも戦争、やってるんだよね」

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