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悪役令嬢?ヒロインの選択肢次第の未来に毎日が不安です……  作者: みつあみ
強制悪役令嬢!?ヒロインの選択次第の未来に毎日が不安です
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82. 悪役令嬢、家族のスペックの高さに今更ながら驚きですわ

 身体を十分に動かし、私は得る物も沢山得られたし、魔法も使いまくって鍛錬出来たしで、私とフィンネル兄様はご機嫌で帰宅した。

 ラストダンジョンをご一緒したので、帰宅したのは随分遅い時間だったにも関わらず、まだリンデーン兄様は戻って居なかった。もう十九時過ぎていて、普段ならディナーも終わりの頃か、食後のティータイムと言った時間だ。

 もう開き直っている、と言うか両親には私たちの冒険者活動は公認とはなっているけど、流石に冒険者(コスプレ)衣装のままダイニングテーブルに着くワケにも行かないので、急いでシャワーで汗と汚れを流し、普段着に着替えてダイニングへ向かったが、まだリンデーン兄様は帰って来て居ない。どうしたんだろう?


 「あーっ、まさか聖女様のハニートラップにでも引っ掛かったのか?」

 「フィンネル兄様、恐ろしいことを言わないでくださいませ。 きっとディナーにでもお付き合いなさっておいでなのだわ」


 フィンネル兄様は眉間をつまむように親指と人差し指の第二関節を当てて考え込んでしまった。


 「まぁ、ピアスでも奪われない限りは大丈夫だと思うんだがな。 彼女の加護の魅了はごく弱いもので、それほど害悪になるものでは無い。例えるなら親の庇護を必要とする赤子が無垢な笑顔で親の庇護欲を引き出す程度のものだ。 つまり、既に大切な人が居る人には、効き目が薄いか無いも同然になる」


 ほえーっ?なんでそんなことまで分かるの?もしかして鑑定でも使いました?加護の魅了の威力は私も気になってた!


 「お兄様は聖女の加護にお気付きでしたのね。 それも聖属性魔法使いであるが故なのでしょうか? わたくしは闇属性の補助魔法で一度間近で接触した時に魅了の加護をお持ちなのが見えてしまっただけですけれど、威力までは分かりませんでしたわ」


 私はお兄様に腹を半分くらい割って話をした。っと、そこにニンマリと、口角を上げてお母様が食後の紅茶を口にしながら新たな情報を続けて言った。


 「元々『魅了』なんてものは聖属性持ちの、少なくとも中級以上には全く効かないのよ。 だから現聖女は大神官のお眼鏡に適わなくて、貴方達に関心を持ち続けるの。 聖女として最低限の加護、豊穣と浄化を持ち合わせているけれど、前聖女より範囲も威力も格段に落ちることだけは確定だけど正確な範囲が不確定だわ。 自発発動は僅かな浄化だけ。 せめて浄化魔法だけでも及第点に持って行かせたい大神官はこの夏休み中に聖女特訓を受けさせるらしいわ。 迷惑な事に私の弟子にしないかと打診が来たのよ? 勿論即答でお断りしましたわ」


 まぁ!及第点って、つまり……。


 「聖女は聖水の生成すら出来ないと言うことですの?」


 実は、帝国内に出回る『聖水』の出所は神殿で、決まった分量を各教会に配布しているのだが、今出回っている聖水の内二割はお母様が生成して神殿に納品したものだ。要はそれだけーー神殿では大神官と5人の神官や巫女が生成しているらしいがーー賄い切れてない状況。大神官の跡を継ぐ者が居ないだけでなく、及第点の聖属性魔法使いが足りないのが今の帝国の現状だった。


 「その内皇太子以外の皇子達にも修行させるなんて息巻いているわよ。 だから貴方達はどうせなら私に弟子入りさせるから、神殿の修行は必要無いって回答しておいたわ。 うちは今夏も領地に帰るんだから、小娘になど構っていられないわ!」


 えーーっ?聖女を小娘って、どうしてお母様はこんなにヒロインを嫌っているの?接触が有りそうだったのは建国記念パーティー位よね?挨拶でもしたのかしら?それだけでこんなにも嫌われるヒロインってどんな?

 まぁ私を罠に嵌めようとはして来たけど。それにフィンネル兄様には最初から聖女の魅了は効き目無かったのね!ただピアスを付けてなければ好感度がここまで下がることにはならなかったと思うのだけど……。

 その時、フィンネル兄様が深刻な表情で聞いて来た。


 「マリア、学園内で聖女に会ったの? どう言った状況だったのかな? それとも”目”に報告書を纏めさせた方が良い? その分対価は掛かるが、定期的に報告させても纏めて報告させてもそれほど変わらないだろう」


 お兄様の表情は硬い。え?いや、あの時は何とかなりましたよ。対価って怖いわ。生半可なものじゃ済まないの知ってるもの。だから、かい摘んでその時の状況を伝えた。


 「なるほど、わざわざそんな所にまで行ってマリアに接触ね……バカなだけじゃ無くあざとさもあるみたいだね。益々要注意だ」


 うーん、私は今リンデーン兄様の方が心配なのだけど……。


 「ただいまーーーーーーーっ♪」


 そこに喜びに溢れた、なんとも緊張感の無い間の抜けたリンデーンお兄様の声が響き渡った!酔っ払っていらっしゃるのかしら?危険だわ。


 「はぁ、疲れた。ディナーにまで付き合わされて散々だった。誰か俺に癒しをくれ……」


 お兄様は疲れ切ってこそいるものの無事だったようだ。


 「まぁ、聖女様も外食をなさりたかったのね。でも伯爵家に引き取られる前の方がむしろ裕福な商家だったようですのに、今更街を歩くことが新鮮な事とは思えませんわね」

 「えっ?何それ。それってさ」

 「ええ、お兄様が今考えた通り。 聖女は十二歳までは何不自由なく自由にお暮らしだったはずですわ。 それにそれなりの遺産を所有していますわ。 金融商会にて彼女の成人まで動かせないように安全措置を施されているのでデボワール伯爵家に奪われる事なく残っていますの」

 「あー、両親が早くに亡くなった他は、そんなに可哀想な状況では無かった事は分かったよ。 まぁ彼女スレて無いしね」


 そこに注意を促したのはフィンネル兄様だ。


 「リンデーン、油断は禁物だ。 聖女は案外したたかだ。 殿下だけでなく、高位貴族に自分の味方、それとも派閥かもしれないが、作ろうと目論んでいる節があるし、マリアのことは陥れようと狙っているようだ」


 うーん、フィンネル兄様、それは違うわ。ヒロインはハーレムルートを狙っているだけなのよ。でもまぁ、お兄様の言うことも全くの的外れでは無いわね。

 リンデーン兄様は渋い顔をして黙りこくった。そして給仕が持って来た冷たい水を一気に飲み込む。


 「明日は癒されたいなぁ。何したら癒されると思う?」

 「大浴場でもゆっくり入ってらっしゃい」


 哀れなリンデーン兄様は、お母様にバッサリ切り捨てられていた。




▽▲▽▲▽


side.Heroine


 やっぱりランディ様は紳士だ。

 まだどうしても一線は引かれているけど、そこは誠実さの表れかもしれないし、気長に攻略しなきゃいけないキャラなのかもしれないわ。ただ、攻略対象外が二人も付いてると、代わりにエスコートして来たりして無駄に邪魔なのよね。護衛の騎士達はただ周囲に気を配って護衛に徹しているだけだから空気みたいなものだと思えるけど。うん、ランディ様は気長に行こう。


 それにしても、私に気を配ってくれていたせいなのかしら?食事があまりにも進んでいなかったわ。私もここの世界の料理は合わないから、もしかしたらランディ様とは食の好みが合うかもしれない!でも美味しいレストランなんてあるのかしら?女子達にリサーチしてみよう。


 やっぱジル様が問題よね。ジル様って選択肢有りでも難しかったの。ハーレムルートは勿論、単独のパッピーエンドにすら中々持って行けなくて苦労したの。wikiが無いと厳しいわ。クールで紳士。なのにすごく気難しいのよね。そうそう!潔癖なんて言うのも有ったわ。だからあまり強引に迫っちゃいけないの。


 やっぱりそれとなく会話から?魔法談義が一番良いのだけど、これも選択肢頼りだったし、難しいのよね。授業で頑張ってはいるのよ?でもジル様にとってはまだつまらない話でしか無いの。もっと詳しい話が出来るようにならないと行けないのよね。現実になるととても難しいわ。だって魔法なんて神殿で習うまで使ったこと無かったのよ。

 貴族は使える人が多いらしいわ。一種のステータスでもあるって聞いて、益々頑張らなくちゃと思ったけど、本当に難しい。


 そうだ!神殿には書物が沢山有ったわね。少し冒険者のことを勉強して、ジル様に話しかけよう!ヘイム様も巻き込めば話も弾むかもしれないわ。そうしたら二人同時に好感度が上がるかも!あとはエリン様ね。たまに自然な感じで会話に入ることはあるんだけど、私と話してくれている感じではないのよね。同じ組に婚約者が居るからかしら?


 フィー様に至ってはもうどうして良いか分からないわ。どうもシスコンって噂を同じ組の女子に聞いたけど本当かしら?

 だって公式設定では苦手だったはずなのに可笑しいのよね。でも実際に会ったマリノリアはゲームのマリノリアと比べ物にならないほど綺麗だったし、同性でも見惚れてしまうほどだったわ。

 フィー様はまだ情報が足りないわ。無理に攻略するより、時を待つ方がいいかもしれない。


 それに、夏休みは神殿に連れて行かれてしまうの。

 聖女修行ですって。それも二ヶ月も!そんなに夏休み長かったっけ?神殿は男子禁制では無いのだけど、関係者以外立ち入り禁止で、アル様ですら滅多なことでは来ないらしい……先生はあの大神官。

 元皇女とまた比べられるんだわ。どんなに優秀だったのか知らないけど、その『及第点』て言うのがそもそも分からない。

 聖女だからものすごく高みを求められているんじゃ無いかしら?

 ヒロインだったら突然ぱあぁーって光が輝いて、特殊な魔法に目覚めたりするものじゃ無いの?でもそんなのゲームシナリオには無かったわ。勿論こんな聖女修行もだけど。

 あーあ、わたし、二ヶ月も何を楽しみに生きていけば良いのかしら?神殿に入ると庭の散歩すら出来ないのよ。中庭だけ。酷いわ。



 とにかくハーレムルートなら攻略対象者六人全員MAX。アル様のハーレムエンドを狙うなら、アル様はMAXまで、他の攻略対象者達も少なくとも80%以上に上げないとダメなのよ。ああ、攻略状況の好感度パラメーターが見たい!

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