77. 閑話 もう1人のヒロインが居るの?
side.Heroine
あれっ?って思った。ジル様ってアクセサリーしてたっけな?
私はスチル全部スクショして良く見てたから覚えてる。ジル様はアクセサリーをしない人だ。
正装時でも指輪の一つもしない、その時の装いに必要最低限の物しか付けないの。
なのに今はイヤーカフを付けていた。とっても綺麗なやつだった、宝石を削って作ったとしたら元の石は相当大きいだろう、しかも素人目にもカットが素晴らしくて僅かな光も惹き寄せられるよう。もちろんジル様は筆頭公爵家のご子息だもの、値段なんて気にしなくても良いだろうと思うけど、あれ何の石だろう?オレンジピンクって言ったらパパラチアサファイア?めっちゃ高いじゃん!て言うか、あんなに削ったら勿体ないやつだよ、流石としか言いようがない。どうしよう、見せて貰えるかな?
それにね、ランディ様のピアスはサファイアのハズなのよ、で、フィー様はパライバトルマリンなの、二人共青みの強目の石を好むのよ。
なのに二人共お揃いでちょっと赤みがのったシャンパンカラーの石、多分だけどインペリアルトパーズの良いやつだ。輝きも段違いだもの!
悪役令嬢マリノリアの瞳の色と似た色。彼女は皇族の金色の目とは少し違う色合いで、琥珀のような、そう、今二人がつけている宝石に似ているの。なんで?どのスチルでも二人共青系のピアスしか付けてなかったのに今は違う。それに石も少し大きめだし台座がプラチナかな?とっても繊細で細かい細工品。芸術品だわ。
やだ、なんか混乱して来た。もう聞いちゃおう!
「ジル様の耳に付けているのってイヤーカフですか? とても綺麗な色ですね、よく見せてもらっても良いですか?」
その時ジル様がちょっと耳を隠すように手を当てたような気がした。私の目の前に座っているヘイム様がおでこに手をやって、ちょっとだけ考えたような仕草をした後言ったの!
「あー、それは突っ込まない方が良いんじゃないかな、たぶんアレでしょ」
なんて意味深なことを言いながらジル様を見た。ジル様が少し気まずそうにして。
「これは貰い物だから外せない」
なんて言ったのよ!ええっ?貰い物だから外せないってどう言う意味?それ誰から貰ったの?ちょっと驚いて見ちゃったんだけど、そうしたらヘイム様が揶揄うように続けたの。
「彼女に貰ったものなんだろ?もうバレバレだし、どうする気なの?」
えええええっ!ジル様に彼女?って何?恋人ってこと?そんな設定無かったでしょ。そしたら反対側から横やりが入った。
「ただの知り合いだろ」
フィー様が憮然としている。ええっ?何二人で取り合ってるの?私は思わず、もうひとつ気になっていたことを聞いた。
「フィー様のピアスも素敵ですよね、インペリアルトパーズですか?」
たぶん間違いないはずよ。って思ってたらランディ様にバッサリ否定された。
「違うよ、もっと高いやつ。滅多に手に入らない超貴重品だから値段付けられないんじゃない? 特殊な魔法付与付きのアイテムだし、ジルのもね」
「そんな貴重なものぽんとくれちゃう人居るんですか?凄くびっくりなんですけど」
ランディ様の値段が付けられないくらい高いって聞いて思わず言葉が崩れちゃったわ!でもそんなのぽんぽん渡せる人ってどこかの未亡人とか、若い燕を囲っている大金持ちのマダムとか妖しいニオイしかしないんだけど!?かなり混乱していたら、アル様が助け舟だしてくれたの。
「どうせダンジョンの宝箱とかドロップアイテムだろう。 たまにとんでもないお宝が出て来るって聞くからな」
そう言えば、ジル様って冒険者もやってたんだっけ。でもゲームシナリオではあまり語られてない部分なのよね。でも双子は?謎が深まってしまったけど、それでも何とか話を続けようとした。
「ダンジョンの宝箱とか夢がありますねぇ」
あれ?何か引いてる?
「「「これ拾ったものじゃなくて手作りだから」」」
うわぁ、三人揃ったよ?それも『手作り』て所を強調してた?ええっ?何その『彼女』は、その、恋人って意味じゃないのかな?アクセサリーデザイナー?職人?でも値段が付けられないって言ったよね?
「もう、ヘイムが口出すとややこしくなるから黙っててくれないかなぁ」
そうフィー様が眉間にしわを寄せて、すっごく迷惑そうな顔して言ったらその話は打ち切りになって、それ以上聞けなくなっちゃったの。
えーーーっ?ヤダすごく気になるやつじゃないの?それにフィー様のそんな表情見たことないんだけど!そんなに大事な、触れて欲しくないくらい大事な『彼女』なの?ジル様なんて頬づえをついてすっかり反対側を向いていて表情さえ見えないのよ。誰かその『彼女』てどんな人なのか教えてよ、ライバルなの?凄く気になるじゃない。うわーん、なんでこんなに上手くいかないの?泣きたくなっちゃうよ。
いいえ、殿下は着実に攻略出来ていますよ^^




