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悪役令嬢?ヒロインの選択肢次第の未来に毎日が不安です……  作者: みつあみ
強制悪役令嬢!?ヒロインの選択次第の未来に毎日が不安です
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70. 悪役令嬢、久しぶりに令嬢らしく過ごしましたわ

 今日は入学式なので私はお休みだ。でもお兄様達は入学式の手伝いに駆り出される為、学園に出かけて行った。結局ジル様とエリンは泊まって行った。エリンは前日の内に制服を家人に届けさせていた。用意周到ね!最初から泊まる気だったのだわ。ジル様は昨日の礼装のまま出かけて行ったのだけど、寮に戻って着替えるから大丈夫なんですって。


 結局寮に入っているのはジル様だけ。本来なら殿下以外の攻略対象者達と、悪役令嬢達も寮に居るハズなのに、ジル様以外誰も居ないという事態になっている。ヘルムルトの婚約者のディナも通学だし、不思議な事にエリンの婚約者のサトゥレ侯爵令嬢も通いなんですって!だけど彼女は座学の成績を上げて二組から一組に入っていた。ヒロインとの接点はなるべく無いほうが良いのに。まぁ貴族街の一等地に住む彼女らなら、寮なんかよりも皇都の別邸(タウンハウス)の方が快適よね。これでヒロインが寮内で苦言を呈されたり、意地悪?されることは無いってことね。まぁ、婚約者以外の、まだフリーの攻略対象者達を狙っているご令嬢方からの嫌がらせは多少あると思うわ。だって、ジル様とお兄様方は殿下が側にいる所為もあって、中々近寄ることさえ出来ないのよ。まぁ、公爵家ご子息ってだけでも気軽に声を掛けて良い存在じゃ無いけどね。


 それにしても。昨日は色々な事があったけど、最後は悪くなかったわ。

 むしろ甘美なひと時を過ごさせてもらった。それに、夜食に続いて朝食もご一緒させてもらえたもの。食い意地が張っているらしいエリンに感謝ね!どうもうちの料理に魅せられてしまったらしいのよ。でもジル様はそうでも無いみたい。残念だわ。良く『殿方の心を掴むには胃袋から』ってあるのに、食に拘りが無い相手には通じないわね。まぁ私がこんな事を考えてもしょうがない事だけど。


 そして、早いうちにリード辺境伯宛に、先日の建国記念パーティーで、危ういところをご子息のディリスナ・リード辺境伯子に助けていただいた事への感謝、その所為で大怪我をさせてしまったことへのお詫びを手紙に(したた)めて、封筒に入れ封蝋にスタンプを押し、固まったのを確認してから、執事を呼んで手紙を届けるように申付ける。彼に頼めば適切な者に直ぐにでも配達させてくれるだろう。全快している事は分かっているけど、温室の花からガーベラを中心に、無難に可憐な感じにアレンジした花束も添えた。相手は男の人だけど送ったのはあくまでもリード家だから問題無し。消え物が最適だけど、食べ物だと好みがね。それに買いに行かなくてはいけなくなってしまうから、悩んだら花!



 そうだ!今日はゲームシナリオ開始日なのよ。今まで全く役に立たなかったーーこれからも私の役には立たないけどーーステータス画面の〈攻略状況〉すなわち攻略対象者達の好感度を見てみよう。


 ん?うん。殿下はグレー一色じゃ無いとおかしいのにまだ20%残っているわ。これから0%になるのかしら?次はエリン、ほぇ?うちの料理の所為かしら?70%って、普通に良くない?少なくともお友達にはなれそうよ。ヘルムルトは、まぁ婚約者の友人である私への好感度は低く無いらしい。50%か……何とも思ってないけど、悪くは思われていない、ってところね。ジル様は見るの怖いわなぁ。でも見ちゃう!


 はぁっ?80%って何だろう?マリナ加算かな?って事は、私+マリナで2人分とか?まぁ私に対しても、昨夜の感じでは悪感情を持っている様子は無かったし、うん、嫌われてないみたいで良かった!媚薬盛られてた時に下心で留まらなくて良かった!それに昨日ちゃんとマリナからのってことでフィンネル兄様から渡してもらったイヤーカフを着けてくれてた。うん、このままの距離感をキープしよう。そしてヒロイン経由の悪い情報を流されても……大丈夫じゃ無いわね。


 聖女は神聖な存在。先入観って怖いの。真実じゃなくてもヒロインがちょっと目を潤ませて「あの人怖い」って呟くだけで、その相手は悪い人になっちゃう。つまり知らない間にどんどん好感度が下がって行くの。


 さて、気を取り直してリンデーン兄様。


 これオカシイわ。120%って、もちろん恋愛パラメーターじゃなくてあくまでも好感度である。つまり家族としてってことよね?これシスコンの領域に達しているのでは?じゃあフィンネル兄様は?120%ってこっちもか!何だ何だ?確かに過保護な気はしていましたよ。今日だって一人で勝手に出かけないようにって、フィンネル兄様に念を押されましたとも。まぁ私も今日は大人しく昨日の舞踏会での疲れを癒すつもりでしたけどね。


 まぁ悪い結果では無かったので、朝から大浴場で、と言っても本邸にあるのとは比べ物にならないくらい小規模なものだけど、足をバタバタするくらいは出来る大きさの銭湯並みの浴槽がある。しかも大理石で見た目だけでも贅沢な空間なの。温室で咲かせた薔薇の花びらをたっぷり浮かべて癒されましょう。垢擦りもしっかりしてつるっつる。昨日の大神官から受けた凝視のストレスもこれで脱ぎ去れたわ!


 あ、ダメだ。8日後にはまた大神官がお目見えするのよ。わざわざうちの領地まで出張って来なくても良いのに!

 双子のお兄様方にも興味津々なのよね。だってあれだけお母様に似ているんだもの。期待したくなるのは理解出来るわ。しかも本当にフィンネル兄様は聖属性使いだし。まぁ当日は私が隠蔽させて頂く事になっていますけどね。


 それでも、ソレを抜いても2人共3属性持ちなのだ。当然領民達は祭りになるだろう。領民達自慢の領主の血が、力が、次代に受け継がれたとを喜ぶに違いない。でもお兄様方は2属性に抑えたがっている。多分殿下に配慮しているのね。殿下は1属性で炎属性のみ。でもヒロインとのイベントで水属性に目覚めるはずなの。頑張っても中級程度だけど、水は生活魔法として好まれるからとても喜んでくれるのよ。でも魔導師になる訳じゃあるまいし、普段は殿下も気にしていないのよ。でもたまに気になる、難しいお年頃よね。


 まぁその原因の多くは私なんだけど。成人の儀前に私は消えるから、まさかの全属性持ちだなんてことは殿下に知られることもなく、そのうち存在ごと忘れ去られて行くのだけどね。


 だから、私はお兄様方の儀式と判定を見学するだけなのだけど、念の為私のステータスは隠蔽で偽装することにしている。ごく平凡な?3属性持ち。まぁ闇属性は今更隠せないからあとは風と水にしとく。ランクもAにしておこうかな?あまり低くても怪しいから闇はSくらいが適当かしら。それ以外は聖女ごと全部隠蔽ね!

 ちなみに教会での魔法判定は、私が自分で見るステータスのように丸見えになる訳では無い。精々属性と大まかなランク、称号や祝福が判定出来る程度なのよね。


 ふーっ、とりあえずは癒されたし、後はゆっくりテラスでお茶しながら刺繍でも刺して過ごしましょう。なんて令嬢らしい一日なのかしら?




▽▲▽▲▽


side.Heroine


 うわぁ、この制服やっぱ可愛い!もうこれだけでテンション上がっちゃうよ。

 私は昨夜、社交界デビューに続いて行われた夜会の後、学園の寮に連れて来られた。まるでホテルのスウィートルームのような豪華な部屋。入り口の部屋は応接間っぽい。他に私室、寝室、かなり広めのユニットバス、使用人用の控え室二部屋。すごいわあ!しかもこの部屋ったら、寮の中で一番の部屋なのよ。すごい。私付きの使用人は二人、聞いていた通り、皇宮から来た侍女のタリアと大神殿から来た一般巫女のティータ。二人共綺麗なお姉さん系でよく世話は焼いてくれるけど、話し相手にはならない。やっぱ学園でお友達作らなきゃダメなのかな。でも私はアル様の側に居るのに忙しい。他の攻略対象者達とも仲良くなりたい。

 でも女の子の友達も作らないと、彼らの情報を得る機会が無いわよね。だって本人に直接聞く訳に行かない事だってあるじゃない?

 本来ならゲームのシナリオや設定を知っているだけでも楽に攻略出来そうなのに、実際にはゲームシナリオと違う事が起こっていて、なんだかオカシイんだもの。


 昨日の夜会は散々だったな。社交界デビューのファーストダンスまでは至福の時だったのに、アル様ったら他の攻略対象者の紹介くらいしてくれても良いのに、他の令嬢に誘われたら二曲目からずっと放ったらかしなんだもの。勿論、皇太子殿下だもの。色々挨拶とか付き合いがあるのは理解しているわよ。そんなの当たり前じゃない。

 でも結局、ヘイム様は他の令嬢と踊っているのを見かけたけど(そういえば楽しそうに踊ってたなぁ、羨ましい)。他の二人、エリン様とジル様がいくら探しても居なかったのよ!会場が広いってのもあるけど、本当に人も多くて探せなかった。向こうから誘ってくれても良いと思わない?好感度が足りなかったの?

 でもジル様はしょうがないわね。ジル様の好感度がそう簡単には上がらないのはゲーム通りだもの。


 でもやっとの思いで見つけた双子は一人の令嬢を挟んで、楽しそうにお話ししてた。何あれーっ!超羨ましいんですけど!と、思って近寄ろうとしたら外国の?偉い感じの人が近づいて一緒に話し始めちゃったから、しばらく話しかけに行く事も出来ずに、ずっと待ってた。それにしても一緒に居た令嬢は超美少女だった。誰アレ?って思ってたら、何だか三人一緒に何処かに行こうとし始めて、慌てて追いかけてやっと声をかけたのに!すごくあっさり、しかも一緒にいた令嬢の紹介だけしてさっさと帰っちゃったのよ!


 それもその令嬢が悪役令嬢マリノリア!なによ、立ち絵じゃあんなに美少女じゃ無かったじゃないのよ!確かに双子の妹だもの、ブスな訳無いけど、綺麗過ぎよ!しかもドレスやアクセサリーが超豪華!あれってピジョンブラッドとか言う最高級ルビーじゃないかしら?それをジャラジャラ付けて、手首にも大きいのが付いていたから、アクセサリーだけで何億円?ドレスも他の令嬢とは比べ物にならない上級品だって分かったくらいのだったし、頭とか袖に付いてたのは、ムーンストーンはそんなに高くないけど、他にキラキラしてたのは高いやつだったよね?ダイヤじゃなかったと思うけど、薄紫のは水晶かな?それとも、あっタンザナイトだ!もっと色が濃い方が高いんだけど、あの衣装には薄い色がドンピシャにハマってた。化粧もあれ薄化粧だったよね?ほんのり色を乗せた程度で、ちょっとアイラインを工夫してた?キツめに見えないようにしてたんだと思う。すごい化粧技術、流石公爵家ね!


 それに重要な事が。フィー様は悪役令嬢が苦手なはずなのよ。それにランディ様も、苦手では無いけど興味が無いハズなの。なのになんで、あんなに宝物を扱うみたいにしてたの?一体何がどうなっているのか分からないわ!


 ああ。入学式から遅刻は出来ないわ。今日はアル様が寮の前まで迎えに来てくれる!可愛くお気に入りのピンクのリップを塗って、グロスが無い代わりに、はちみつほんの少し乗せてツヤツヤにした。今日からガンガン迫るわよ。頑張らなくっちゃ!


 アル様は本当に紳士だ。私は少し早目に女子寮の外玄関にある受付前に行ったのに、もうアル様が待っていてくれていた。もう一人はメガネのイケメン男子だ。ああ、制服姿のアル様も素敵だわ。


 「聖女様、ごきげんよう。 お迎えにあがりました。会場に向かいましょう」

 「おはようございます、アーノルド殿下、ディリスナ様。 迎えに来てくださり、ありがとうございます」


 アル様は手を出してエスコートしてくれた。私は腕を借りた方が、距離感近くて良いんだけどな。でも手を取ってもらえるのも良いわ。何だかお姫様になったみたい。


 入学生の待つ控え室まで来たら、アル様は離れてしまった。しばらくここで待ってから講堂へ案内されるらしい。席は決まっているから迷う事は無いと教えてくれた。でも心細い。私の他にも七名、四年生から編入する人がいた。留学生も二名ほど居たみたい。こんなにいっぺんに自己紹介されても覚えきれないわよ。留学生はどこぞの公爵家子息だった。結構イケメンだけど、私の本命はアル様だもの!他の攻略対象も狙っているけど、それ以外に気を配る余裕は無いわ。忙し過ぎるもの。


 入学式って、まぁどこも変わらないのね。学年主席の挨拶は第三皇子のフリーディア様だった。そう言えば異母兄弟の第二皇子と同学年でバチバチなんだったっけな。隠しルートも行ったけど、私は平和なハッピーエンドが好き!波乱万丈とか要らないし、私の存在のせいで戦争が起こるのなんてもっと嫌!だから私は王道を行くわ。ハーレムルートにはまだ心惹かれているけどね。


 ああ、ステータス画面で好感度を確認したいよ。マジでこれ無いと攻略難しいんですけど?

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