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悪役令嬢?ヒロインの選択肢次第の未来に毎日が不安です……  作者: みつあみ
強制悪役令嬢!?ヒロインの選択次第の未来に毎日が不安です
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57. 悪役令嬢、リハビリ頑張りましたわ

 筋力がヤバい。もちろん全く歩けない訳では無い。身体は【究極治癒(エクスヒール)】と言う超上級治癒魔法で完治させた。ははは、やれば出来る。でもやり過ぎると何処から余計な横槍が入るか分からないから時期を見ないと出来ないのが悔しいところ。お母様も私が猛毒を受けた当日に、究極治癒を施したがMP切れを起こしてしまったらしい。その前にも解毒、浄化、回復等を使いまくった上でのことだったから、決してお母様の力不足などでは無い、お母様のMPを全回復させる回復薬は存在しないと言われる程なの。


 おかげさまでこれから苦しい苦しいリハビリ生活だ。落ちた筋力を戻すのは大変だし、何より私が哀しいのは骨と皮だけのように見えるこの身体。まるでミイラのようで気持ち悪いですーー。まな板が洗濯板になりましたよ。とほほ。

 私は元々食べたらお肉になる体質では無い。地道にお肉を増やさなくては……。ヒロインの巨乳が羨ましい、私は適度にあれば良いと思っているけど、全く無い今はある人が羨ましいのだ!


 さて、リハビリと言ってもそんな専門施設や指導員が居る訳では無い。先ずは関節の曲げ伸ばし。これは療養中も侍女達がやってくれていたので、関節が固まること無くスムーズに動かせる。問題は自重を支えられないところ、ほんの数分歩くだけでくたりと力が抜けてしまう。これは侍女を1人付き添いで連れて歩くくらいで補える状態では無い。階段は確実におんぶか抱っこだろう。恥ずかしすぎる!

 とにかく歩きと関節の曲げ伸ばし、動くことで少しでもお腹を減らして食べる量を増やす。一日疲れたらゆっくり入浴にオイルマッサージ……えっ?これは痩せるだろうって?私は単に肉を付けたいだけでは無いのでこれで良いの。むくみと余計な固まったお肉はその日のうちにさよなら。毎日ぐったりしてベッドに入ること二週間ほど。細さは相変わらずだけど、肋は薄っすらとしか見えなくなって来た、ような気がする。そして少しなら剣を振れるくらいに筋力も戻って来た。


 よし、久しぶりにダンジョンに行こう。まだ万全じゃ無いから聖女の加護はそのままで。低階層だけにし無理なら移動で帰れば良い。ってことで、平日なのでこっそり1人で行く。後で怒られるよね。何処が良いかな?よし!まだ良いドロップアイテムをゲット出来てないドナ・リサ遺跡ダンジョンに行こう、15階層だし、最終ボスは魔法でいける。今は物理で突破するのは無理だから、魔法でごり押し出来る所の方が楽なハズ。


 わーお、久しぶりに着用した冒険者衣装もスカッスカですよ。冬用はワンピースで良かった。今は初夏に差し掛かっているけど肉の無い私は寒くてしょうがないの。中のズロース(見えても大丈夫な厚手のおしゃれ下着)とペチコートを紐で締めてっと、調整用リボンを限界まで絞り上げたビスチェ、ワンピースとローブを着れば見た目だけはいつもと変わらないよね、うん大丈夫!




▽▲▽▲▽


 ふぅ。疲れた、こんなに疲れたことないなぁ。最終フロアまでやって来たけど、安全地帯の階段で休むのはこれで5回目だ。


 「【自己回復(エンチャントヒール)】」


 これでとりあえず体力は初期状態に回復。足の薄っすら筋肉が吊りそうなのだけど、ここは治癒魔法で治さずにハンドマッサージで足全体を解してからしばらく休む。はぁ、身体が重くて眠たくなって来たけど後少しだ。ここの最終フロアボスはボンボゴリラーLv.45。氷魔法がよく効くので先ず防御張ってから攻撃に徹しよう、知恵が回る相手なのが厄介なのだ。動きも早い。毛布にくるまって、ちょっと仮眠をとった。



 あーなんとなく気分爽快。きっと精神力も落ちてたに違いない。階段が辛くて【空中浮遊(レヴィテーション)】使い過ぎたからかも。最終ボスに挑むため扉に手をかけて中に入った。

 ここのボスのドロップアイテムってまだ取れてないよね、そう思ってたら、やってしまった。


 【聖なる炎(ホーリーフレア)


 はい、聖属性魔法の上級攻撃魔法です。完全にオーバーキルです。魔石粉々になってなきゃ良いんだけど……。

 あ、ちゃんとあった。ペリドットみたいな色味の綺麗な魔石だ、26cmと大きめで重い。ああこれ前と違うと思ったらフロア核だ。しかもドロップアイテム来たーっ!剣だ、やっと剣が来た!

 問題は性能だけど、うん、とりあえず呪いは掛かってないね。鏡をかざして【鑑定(アプレイゾル)


 守森の剣(まもりのつるぎ)/オリハルコン/物理防御、物理攻撃3倍、鋭利上昇3倍、追撃、帰主(きそう)


 うーん??これはお宝なのでは?ええっ!?鑑定してもらっていいやつ?ちょっと怖めの性能だけど、実は魔法特化な私には超欲しかった感じのじゃない?この帰主って手を離しちゃっても戻って来るの?じゃなきゃ追撃でうっかり手を離れたら怖いよね。

 とりあえず、このドロップアイテムだけは鑑定無しで収納して、他のだけ鑑定して踏破記録付けてもらうことにしよう。そろそろCランクに上がれるって言われてからまだ上がってないし。

 急いで最終フロアから出口に転移出来る魔法陣を踏んでダンジョンの外に出ると、夕暮れが近づいて来ていた。

 やっばーっ!これめっちゃ怒られるやつだ。ギルドは明日だ!今なら周囲に人居ないから早くうちに帰ろう。いや、もしかしたらしばらく家から出して貰えなくなるかも?とりあえず冒険者ギルド・マウラ支部で用を済ませて急いで帰宅した。

 今回の買取額は金貨10枚ほど。エンカウント避けてたからね、それでもよく頑張った!


 やはりしこたま怒られた。しかも父母兄二人の四人から。

 階段で休み過ぎた。まだ体力的にダンジョン潜りは良くない、しばらく我慢しようと心に決めた。

 でもCランクにアップしたのは嬉しかった。これでマリノリアがダウンしている間にもマリナが活動していた実績になるのでは?うん、悪いことばかりじゃなかったな。

 でもものすごく心配掛けたので、しばらく大人しくします。




▽▲▽▲▽


 地獄のリハビリ生活は続けながらも、ようやく学園復帰の許可が出た。っと言っても当初の予定通り介護要員の侍女付きだ。この世界にエレベーターやエスカレーター等無いので、車椅子では学園に通うことは出来ない。今の私の体力なら平地を歩くのは大丈夫。早足、走るのはほんの数分で息が上がる。階段はしんどいので手すりと侍女に肩を貸してもらって昇降する感じ。彼女は力持ちなので横抱きするという奥の手もあるが、なるべくそれは封印して貰いたい。

 やはり制服も緩くなってて、サイズ直しが必要か悩んだが、とりあえずタオルなどを巻いて体型補正し、ウエスト部分だけ裏から摘んでスカートが落ちないようにした。


 「二ヶ月で復帰出来るなんて、頑張ったな!」


 リンデーンお兄様が馬車に乗る時にエスコートしてくれる。私付きの侍女も今回は同じ馬車だ。隣に座って身体を支えてくれている。

 学園の馬車止まりで降りる時はフィンネルお兄様がエスコートしてくれた。物凄く注目されているのが分かるが、気付かない振りをして本校舎まで歩く。カバンは自分で持つ。付き添いの侍女はあくまで介添するのが仕事。二年生の教室は2階なので、階段の上まではお兄様方も一緒だった。お兄様方にお礼を言って教室に向かう。そういえば二年生になって初めて教室に入るんだなぁ~何だか感慨深い。


 「ごきげんよう」


 教室に入り、挨拶をする。ちょっと涙ぐんでいる人も居たけど、以前のように挨拶しあって席に着いた。

 中にはチラリと気にしている人も居るけど、まぁこの痩せっぷりは気になるよねー猛毒恐るべし。

 今日の授業は座学と刺繍だけで良かった。




▽▲▽▲▽


 そして季節は巡り夏。今年も我が家は領地に帰った。今回はお兄様方も一緒だ。まだ冒険者活動は封印中だけど、ゆっくりと領地内を視察とか観光しながら過ごす夏は普通に楽しかった。お兄様方を夏の塩水湖に連れて行った時は、あまりに露出度の高いスイムドレス(水着)に顔を手で覆い恥ずかしがってた。ウブね~隠すべきところはちゃんと隠れてるわよ?女性冒険者の方が際どい衣装着ている人見かけるのになぁ。立場の問題なのかしら。やっぱり野外での水遊びは貴族向けではないわね。


 遅れていた工房もオープンした。『ルゥナ工房』。”ルゥナ”は古語で”月”を意味する言葉。店舗は魔石にお守り程度の魔法付与をした小物類を中心に置いてある。

 ダンジョンの低階層で採取出来る2cm以下の魔石をさらに割って削ってルースや小さなビーズにしているので、魔石自体の品質が高くても比較的安価に抑えてある。それでも平民が買うにはお高いけど、中にはルースをファブリックから外してアクセサリーに加工して欲しいなんて希望者がいてちょっと困っている。ここは布製品のお店なんだけどなぁ。貴金属は扱ってないのだ。お客様のニーズに応えて考えた方が良いのかな?

 接客もうちの使用人。事前教育はちゃんとしてあるけど、販売の経験はなくても接客自体は慣れたものなので、すんなり入れたようだ。何しろあんな事件があったせいで折角の宣伝が無意味になり、大口の注文等も無く、地元でのまったり営業スタート。


 人気なのはハンカチ。シルク製品が主流だけど、前世でよくお世話になったタオルハンカチを店舗限定で作ったら、夏ということもあって売れに売れた。使用魔石が小さな4mmのドロップビーズ数個だから平民にも手が届くのが良かったよう。付与魔法も”ほんのり冷んやり””速乾”と夏向けにしたのが良かったみたい。鉱山街も近い所為か男性向けも作って欲しいと要望があって作ったの。ちなみにタオルハンカチは綿100%ではなく、綿70%シルク30%混にしてあるから肌触りが違う。絹の生産量に依って繭が余らないように買取対策したのよ。契約したからには損はさせられないわ。


 体力も筋力もだんだんと戻って来た。早朝には走り込みして、剣の型の練習など、軽めの練習に入れてもらう。後は部屋でブートキャンプもどきにマット運動と涙ぐましい努力を重ねる。それにしてもあんなにボロボロになってもこの回復力。魔法で治療したとはいえすごいなぁと、丈夫な身体に感心した。食欲もやっと戻って、好きに食事が出来るって本当に最高だわ!


 夏休みの終わり頃には護衛騎士達の鍛錬にも入れて貰えるようになって、気持ちよく汗が流せるように体調が戻って来ていた。

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