47. 悪役令嬢、一推しと一緒にダンジョン破りで気分爽快です
その頃、帝都の冒険者ギルドでは、緊急クエスト発令に応えて集まったAランク以上の冒険者たちが集まっていた。帝国は他国に比べて魔物被害が少なく治安が良いため、あまり冒険者に旨味が無いとされているが、その割には高ランクの冒険者たちが集まった。
「皆緊急招集に集まってくれてありがとう、まず礼を言わせて欲しい」
厳しい顔で顎鬚を蓄えたギルド長が挨拶をした。会議室の中には36名が集まっていた。その内6名はSランクだ。集まった皆の顔を見ながらギルド長は話を進めていく。
「今はダンジョン入り口を封鎖して持ちこたえている状態だが、いつ破られてもおかしくない状況である。 そこでダンジョンの核を集め、最終フロアのギミックに挑戦して貰わなければならない。 が、各フロアの核はフロアボスを倒せば必ず手に入るものでは無い。 数チームにて収集に臨んでもらうが、最終フロアボスを倒して脱出ポイントから戻ることを繰り返すことになるかもしれない。 全てのフロア核が揃った時点で、最後にギミックに挑戦してもらうパーティーに全てを託す。 溢れ出た魔物はいずれも高ランクの魔物だ、異常成長が見受けられる個体が多い。 皆心して取りかかって欲しい」
その後、既存のパーティーメンバーを中心に組み、ランクの問題で抜けた穴をそれぞれのメンバーとの相性を考慮し埋め合わせて即席パーティーが6つ編成された。1パーティーにつき平均6名なのは用心のためだ。
だが、封鎖された蓋を外し、意気込んでダンジョン内に次から次へと入って行ったパーティーは肩透かしを食らうことになっていた。少なくとも1層目にはまだ下の階層から魔物が上がって来ておらず、通常発生したと思われる程度の魔物しか出て来なかったのである。その為、1層目のフロアボスにひどい目に遭わされるなど考えも付かなくなっていた。
「これが飽和か? ブラックベアとミノタウロスは確かに強敵だが、小さめの個体だったなぁ」
「先に入ったパーティーが頑張ってくれちゃったんじゃ無いの?」
「いやいや、飽和だからな、モンスターハウス連チャンでも可笑しく無いの!」
パーティーリーダーは不満げだ、聞いてた話と全く違う。これでは一攫千金が狙えない。
「まだ魔石3つとか話にならねぇな、さっさとボス倒して下に急ぐしかねぇ」
ボスフロアに待ち構えていたのは小さなイノシシだった。ベビーピグ、名前の通り可愛らしいと言えよう。だがやはりフロアボスである、可愛くなど無かった。
突然ブルブルと震え出し、赤い目が光を放った瞬間自爆したのである。周囲に満遍なく血の飛沫、当然冒険者達にも降り注ぐ。その血液は衣類を溶かし小さな穴だらけにし、皮膚に付着した血液は肉まで焼いた。まさに地獄絵図。回復役に回れるメンバーが2人居たのは不幸中の幸いだった。一人一人に【治癒】を掛けて行くが、他に【解毒】を必要とした。それだけ毒素が強かったのである。
そして、最悪なのはこのような目に遭ったというのに残されたのがフロア核ではなく、たった5cmの魔石だった事である。
「くそっ!付いてねえな、他に期待するか。次の階層から気を引き締めて行くぞ」
高ランクパーティーの意地として、こんな所で引き下がる訳には行かなかったのであるが、それが吉と出るか凶と出るかは誰にも分からないことであった。
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「いやーっ何コレ、2階層までショボいと思ってたら階段から引っ切り無しに上がって来て3階層に行けないじゃないの!」
「1層目のボスも酷かったじゃないか、盾が間に合ったから良かったが、血を踏んだら靴底が煙を上げたぜ。 しかもフロア核じゃなかったし」
「多分だが、自爆されたらダメなんだよ。 他に期待するか、次は自爆される前に仕留めなきゃならないな」
「まぁ苦労はしたけど2層のフロア核は取れて良かったじゃない。 フロア中、火の海にした時はビビったけどね」
「ちゃんと結界で守ってやったろ?」
「それにしてもこのフロアは爬虫類が溢れているだけなのかと思ったら、メリケンクロコの他にフェンリルに似た銀狼が混じっている。 階段でこんなに足止めされちまって、これ3層に辿り着けるのか?」
「んもーっ!蹴散らすしかないじゃないの! 【氷の礫】! さあ、今のうちに階段降りるわよ!」
度々絶叫で気を紛らわせながらも、このパーティーはまだ冷静に事を運んでいたのだが、やはり新ダンジョンであるが故の情報不足に苦しめられていた。
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「ん……」
ジルアーティーは目を覚ますと肩から暖かい毛布が掛けられていたことに気がつく。思い出そうとする時の癖で左手を額に当て髪を搔き上げる。よく眠っていたようだ、おかげで身体が軽くなっている。
そうだ、前のフロア、いや、傷を負ったのはその前のフロアだった。得体の知れない毒に侵され、危うく彼女に取り返しのしようが無いことをしかねない状態だったのを思い出した。幸いにも彼女が聖水を所持していて事無きを得た。判断と処置が早く助かってホッとしている自分と、少しばかり残念な気持ちの自分も居たようで落ち着かなくなる。サキュバスの毒は、はっきりとした催淫効果をもたらすが、精神に侵食する作用に付いてはまだ未知数である。
こんな事は初めてで自分に何が起こっているのか分からない。だが目下の問題はダンジョン消滅だ、先ずはそれだけを考えることにした。
アイスティーで喉を潤し、意識を切り替えて周囲を見渡すと、マリナは少し下の段の階段に腰掛けて本を読んでいた。普段、と言えるほど長く側には居ないが、本のページを大事そうにめくる所作が美しいことに気がついた、声をかけるのを躊躇いしばらくその姿をぼんやりと眺めていた。
「あ、体調はどう?」
彼女は顔を上げてこっちを見ながら、本を閉じてバッグに仕舞った。
「ああ、全快したみたいだ。 この毛布は君が掛けてくれたのか、おかげで身体が休まったみたいだ、ありがとう」
ずっと見ていた事に気がつかれたかもしれないと思うと少し気まずい。毛布を畳んで返しながら、水分補給をしたら先に進もうと提案し、視線を外したが落ち着かない。
それにしても、十分な時間休めたようだが、魔物が階段に上がって来ない。逆に上階から追いかけられてもいないようだ。今の階段は従来の休憩所として機能しているように思える。
飽和にしては平和なものだ。おかげで休めたのだが、魔物避けの香すら焚いている様子はないが、不思議と彼女の近くは空気が清浄な気がする。
彼女が伸びをしながら「次はどんなのが来るかなぁ」なんて、全く緊張感をのぞかせない所を見て自然と笑みをこぼしていた。
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さてさて、ジル様の体調も良くなったみたいだし、サクサク行けたら良いなぁ!そう言えばダンジョン内って時間感覚が狂って分からなくなるけど、どのくらい経ったんだろう?この世界にはまだ腕時計は無い、懐中時計はお貴族様が持つ超高級品だ、大抵家紋が刻印されていたりする。だからマリナの時は持ち歩かないのだ。不便だが仕方ない、どこから自分の正体がバレるか分からないのだから。
でもまぁ、もっと冒険者ランクが上がって賞金稼ぎとしても認められるようになったら、冒険者用にコンパス付きの時計を買っても良いかな。今日の稼ぎだけでも十分買えてしまいそうな気がするけど、やっぱランクが上がった記念とかで、自分へのご褒美に買った方が愛着が湧きそう。んーーっと、思い切り背中を伸ばす、令嬢じゃないってやっぱ楽だなぁ。少し水分補給をして13階層に足を踏み入れた。
食後の起き抜けにこれは気分が悪いものだと思う。アンテッド系がうじゃうじゃ居る。と言っても目の前にいるわけでは無い。
アンテッドにとって『聖女』は天敵と言えよう。逃げたくなる気持ちは分かるよ、分かるんだけど、ちょっとあからさま過ぎやしませんかね?まぁ私もここでセイントライトやホーリーフレアなんてぶちかまして一掃する訳にいかないから助かりますけどね!
微妙な気分だけど、多少はこのフロアの魔物の魔石が無いと可笑しい気がするので、またダッシュで追いかけて強制エンカウントの方向で2つほどの群れをポーションシャワーでやっつけた。ポーションで足りる相手で良かった。でも断末魔の声が鼓膜の奥を抉る……そう言えば私ホラー映画苦手だった、特に音声がダメだったの。
「今度のボスどんなでしょうね」
「リッチとか出て来るんじゃないか?」
ああ、出て来そうですね、他に死神とか?いや、まだここ13階層だし勘弁して欲しいわ。
重厚そうな扉を開けたら立派な黒い鎧を着た騎馬の騎士が居た、但し頭を兜ごと左腕に抱えている。デカくて何とも言えない威圧感もある。騎馬で首無しの状態で4.5mはあるかな。
「首なし騎士ですね、ボスだから1匹で良かったと言えますけど」
「こんなの数体も相手にしたくは無いな」
と、軽口を叩きながらも緊張感が流れる。たぶん緊張してる。
先ず自分たちを守る結界魔法陣をそれぞれの足元に敷いた。これで離れても個々に結界が維持出来る。
「動いても大丈夫です」
一言、言い置いて短距離転移で魔物を挟んで反対側に飛ぶ。さて、こいつは物理特化か魔法特化か。防御力が異常に高いと言うのが通説だけど。
短剣に追尾を予め付与し左手で抱える首の中に投擲する。同時にデュラハンを炎の柱が包む。業火の檻は火属性の上級魔法だ、ジル様はついにMP温存を捨てたらしい。まぁ相手が相手だもんね。
首の中には予想に反して何も無かった空洞で当てが外れた。としたら胴体の何処か、鏡を取り出す時間があれば確実に鑑定出来そうなのに。でもやっちゃおう、私も高火力魔法を重ねる、炎で熱くなった敵にはやっぱコレでしょ!
「【絶対零度】」
MP食いの高火力魔法だけどイメージしやすい分私には楽な魔法だ。予め個人結界張ってるからジル様も凍傷にはならないだろう。瞬間冷凍され氷柱になったデュラハンに鏡を向けて、
「【鑑定】」
出た、左腰骨に当たる部分に闇色の毛玉のようなものが見える。
「まだ動くのか」
ジル様も剣を構えている。氷柱とデュラハンの鎧が同時にヒビ割れていく中、狙いをつけて、こそっと極小さな光の矢を放った。
「魔石小さいですねー、でも長い方は12cmありますけど」
「ああ、だがフロア核だから問題無いだろう。 ドロップアイテムか、この剣は呪われてるから後だな。 今までこんなにアイテム拾いした事ないんだが……」
「飽和土産じゃないですか?」
いやぁ、私がトドメ刺すとドロップ率が高確率になるだけです。加護万歳♡
そして、ついに最終フロアの扉前……いや既に開いてるよ?奇跡的に他のパーティーと被った?それとも『いらっしゃいませ、おいでませ、めんそーれ?』
お互いに顔を見合す。とりあえず索敵してみたけど、フロアボスらしき1匹の魔物しか居ないことは確認出来た。どうやらお待ち兼ねらしい。大歓迎じゃない、涙が出て来ちゃうね!二人同時にフロアに入ってボスに対峙した。
見間違いじゃ無かった。ここジェラシックパーク?身長50mはありそうで長い尻尾を引きずった二足立ちの恐竜、一瞬ドラゴンかなと思ったけど、ティラノザウスの方が視覚的イメージ近い。ゴジラでもないね。ダンジョンの空間ってやっぱり不思議だ、天井高い、上階ぶち抜きの吹き抜けになってるよ?そんなに長い階段降りて来た訳じゃないんだけどな。
これ固そうだけど剣で滅多刺しは嫌だなぁ。やっぱ足止めして急所を一発で貫く?でも剣じゃ心臓まで届かないかな?剣圧乗せて肩から袈裟斬り?
魔物は遥か上から目線で侵入者二人をギロリと睨みつけ、間髪入れずに極炎の息吹を吐いた!予想はついていたので二人共難無く飛び退き、私は【空中浮遊】で、ジル様は魔物の肩に腰掛けてる、余裕だな!そんな所もカッコ良いです。床一面が炎に包まれている、この魔物は炎無効らしいことがうかがえる。だとしたら水属性で攻めるべき?でも守りには向きそうだけど攻撃となるとどうだろう?
「【氷原】」
これはただの足止めだ。ついでに尻尾も床に張り付いている。ジル様と一瞬だけ視線を交わす。私は風の刃を纏わせ剣圧に上乗せして肩から心臓部に向けて袈裟斬り。一方ジル様は強烈な【雷の槍】と古代装身具と思われる槍を頭が上を向いた瞬間、同時に口の中に叩き込んでいた。
床に巨体が倒れる間も無く体が崩れ去り魔石が落ちて来る、うわぁっ!折角の魔石に傷が付いたらどうしてくれよう。目の前で魔石がふわりと浮かんだ。ジル様の風魔法だ。そっと炎でチリチリになった床に下ろす。核だ。
しかしまぁどうしてこう勿体無いのが多いかな、これはまるで地球のようなアースブルーをしたクリスタル結晶の塊のような綺麗な石で縦55cm、幅60cmほど、置物だね。是非玄関に置きたい。
今までに集めたフロア核を全部出す。念のため邪魔が入らないように入り口は封鎖しておいた。別のパーティーが入って来る可能性が0では無いからだ。手柄云々の問題ではなく、私達はギルドに内緒で入り込んでいる侵入者なのだ。要らぬトラブルは避けたい。
そして部屋の中を検分して仕掛けを探す。壁には切れ目一つ無いけど、所々材質が違うようだった。鏡を通して【探知】を掛けると、階層分の空間があった。それぞれ大きさが違う。空間の手前の壁を押すと引き出しが出て来た。2人で協力し合って全ての引き出しを開ける。大きな核から引き出しに収納して行くと全てが収まった。何も起きない。
「引き出しを全部閉じましょうか?」
「それしかなさそうだな」
フロアボスを倒した時のみ出現する脱出陣の位置を確認し、大きい順に引き出しを閉めて行く。
「今、他の冒険者達ダンジョン内に居ると思う?」
「Aランク以上だ、急に崩れ始めたところで外に脱出出来るだろ」
そりゃそうだよね。そうとは思うんだけど、一応ギルドに知らせなくて良いのかなぁと思ったけど、考えてみたらギルドカードで発信出来る緊急信号って、助けを呼ぶだけのものだったわ。使えない。
最後の引き出しを閉め終わったら、床がぐらっと大きく横揺れした。脱出陣に足が向かう、と
チーン
この懐かしい音!電子レンジの加熱終了の合図音だ。思わず仕掛けがあった方を見ると、全ての引き出しが開いていた。ええっ?これ持って帰って良いの?欲張って一緒に地に沈んじゃうってことあるかな?
なんて考えながらもこういう時の女は早い!夕方スーパーのタイムセールに突入する主婦よろしく、全ての核を片っ端からバッグに仕舞って行く!途中からジル様も手伝ってくれて、最後の核を収めたら、ひょいと持ち上げられた。おっ、お姫様抱っこーーっ!動揺しているうちにダンジョンの外に出ていて、一緒に森の中の低木が密集している場所に隠れたところで草の上に降ろしてくれた。はぁーっ、色んな意味でドキドキし過ぎた。
「ご、ごめん、その、勿体なくて! 欲張りでごめんね! それとありがとう!」
慌ててペコペコお辞儀しながら謝ってお礼した。
ジル様は「いやぁ、むしろすごい根性だなと感心したよ」なんて笑いながらフォロー?してくれた。
さて、安心したところでお宝の山分けのお時間。とりあえずどこかに移動しないと物が広げられない。しかし何処に?
学園ダンジョンが有った周辺は蜂の巣を突いた様な大騒ぎ。ダンジョン消滅に巻き込まれての死傷者が居ないらしい事だけは良かった。怪我人自体は沢山居たみたいだけど、治癒師もMP枯渇で草臥れ果てていたから、宮廷魔導師とギルドでポーションや治癒師を集めて対処するしか無いだろう。
「……とりあえず近い所で、隠れられるから連れて来ただけで、決して他意は無いから」
そこは広めのリビングだった。窓から見える景色でそこが男子寮だと分かる。
「うん、すごく広い部屋だね」
「え、まぁ、ここ学園の寮なんだけど……今は皆退避していて誰も居ないから隠れるのにはちょうど良いんだ」
「ふーん?じゃあソファー座って良い?」
「あ、うん、今お茶出すから」
そう言って、明らかにキョドッたジル様は侍女達がお茶汲み用に使うミニキッチンで紅茶を入れ始めていた。
まぁそうだね。男子寮に女子連れ込むなんて初めてだろうし、邸であっても自分の部屋に使用人以外の異性を入れるなんて以ての外でしょう。未婚の令嬢が使用人や護衛以外の異性と二人きりで居ちゃいけないのと同じね。
こんなことで慌てちゃって可愛い~、庶民はそんな細かいこと気にしないよ、別に何があるって訳じゃ無いんだから。
ほくほくしながら、学園ダンジョンの戦利品を全て目の前のローテーブルに出す。私が持った分だけでも相当な量だ。お茶を置くスペースはちゃんと空けておく。
「帝立学園の寮ってすごく広いんだねー、ここは談話室?来客用の会議室?」
個室の居間なのは分かってるけどね。隣に自室と寝室、使用人用の部屋二部屋は最低でも付いているだろうな。学園の寮って意外と贅沢な調度品とか使ってて、高級ホテルのスウィートみたいなのね、公爵家だからかな?最初から通学だから見たこと無かった。
「いや、1人部屋だよ」
言いながらティーカップを置く。何これ洗練された所作、一流の執事にも負けない優雅さだわ、見惚れちゃう。いただきますって言ってから紅茶を口にして誤魔化した。
ジル様も紅茶でほっと一息つけた様で、ローテーブルに戦利品を出して行く。
いやぁ、それにしても大量。これをちゃんとギルドに持ち込んで報告すれば、いや出来れば。ランク昇格間違いなし。報奨金とアイテム引き取り料で大金持ちになるところなのは間違いないのだけどなぁ。
「ギルドへの報告は無理だよな」
「うん、まぁ怒られちゃうよね、正式な依頼の横取りってペナルティー有ったよ。今回のは完全にそれに当てはまるよね」
「山分けして、あとは自由にってことにしようか。 それが無難そうだ」
「そだね、買取ならギルド以外もやってるし」
綺麗な魔石に目を輝かせる私に、フロア核のほとんどを私に譲ってくれた。呪いが憑いていた剣は多重付与された国宝級だったので解呪してジル様のに。
斯くして大量のお宝を山分けして、お互い大満足して別れたのであった。