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悪役令嬢?ヒロインの選択肢次第の未来に毎日が不安です……  作者: みつあみ
強制悪役令嬢!?ヒロインの選択次第の未来に毎日が不安です
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40. 閑話 残念男子達の週末の過ごし方

side.Elin


 土曜の夕方には帰宅したが日曜日は身体が動かなかった。やはり俺は頭脳派で良い、貴族男子の嗜みなんてクソ食らえだ、護身術程度出来れば文句は無いだろう。だが大変貴重な体験をしたことは確かなので学園時代の良い思い出としておこう。


 「へぇ~。お前らだけそんな良い思いしたワケだ、俺なんて家に帰ってどれだけ嫌味を言われたか分かるか?小言の一言二言が増えるのは覚悟の上だったさ、やけ酒なんて褒められたものじゃ無いし?でも鍛錬でボロボロに扱かれるなら、俺も姫将軍に指導を受けたかったよ、あー羨ま怪しからんってこの事だよな」


 ヘルムルトのコレは想定内だから聞き流せるな。結局双子の妹君(いもうとぎみ)に会うことは叶わず、意識が無かったとは云えども多大な迷惑をかけた謝罪も出来ていない。

 かと言って学園内で話しかけるのは問題がある。互いの婚約者問題も大きいが、他学年の領域に踏み込むと目立つのが厄介だ。

 双子が行くのとでは全く違う。あいつらは目立っても問題にならないが他の奴だと問題になる、俺含めて。何でだろうなぁ、本当に貴族社会は面倒だらけだ。


 俺としては、謝罪もしたいがそれよりもお礼がしたい。飲んだ当日、意識を保っていた双子よりも意識を失っていた俺とジルアーティーの方が重症だったはずだが、翌朝双子の方が酷い二日酔いだった。違いは介抱した人物だ。


 双子は白湯を飲み、十分な水分補給をし、十分な睡眠を取ったらしいのだが、それでも酷い頭痛と吐き気を催していた。

 意識の無い二人の介抱は妹君がしてくれたらしいのだが、己では水分補給出来ない状態だったのに、ほんの数時間後、客室で冷たい水を飲み、夜食を美味しく食べられるほどに回復していた。


 たぶんジルの方が色々聞きたいことがあるだろう。ご令嬢は恐らく魔法が使える。双子も魔力判定前なのに魔法が使えるのだから、一つ年下の妹君も使えて不思議なことでは無い。あの家は客室担当の使用人でさえ氷魔法を当たり前のように使っていた。氷魔法は水属性の上位魔法だ。


 「まだ身体が痛い」


 つい、口をついて出てしまった、実際は色々考えすぎて頭の方が痛いところなんだが。


 「俺も」


 ジルアーティーが小声で呟いた、まだ双子が来て無いのはいつものことだ、結局、公爵と令嬢は帰宅したんだろうか?


 殿下が入って来ると周囲の令嬢達の目の色が変わる。パトリックとジーンは単なる付け添えだ。気の毒なことに令嬢達の視界に入ってない。

 あれだけ才媛美少女かつ完璧令嬢な婚約者が居るというのにご苦労なことだ。まぁ皇族は一夫多妻が許されているからだろう。

 それにしたって、皇太子妃になれるのは一人だけだ。気の早い令嬢が多いってことだな。婚約者と挨拶一つ交わさない殿下にも責任があると思うがどうしたものか。

 政略結婚なんて世に溢れている。と言うか貴族社会では至極当たり前のことで、その中でどう上手く折り合いを付けるか、この一点に尽きる。

 まぁ?俺も最初の頃の猫被りに騙されて失敗したがな!この婚約どうするんだよ、性格が超絶合わないって大問題だぞ、一生の問題だ!殿下は贅沢だ、自分より強い異性に抵抗を感じる気持ちも分からなくは無いが、それなら、そもそも姫将軍の娘と婚約するのが間違いだ。しかも父親も帝国の将軍で英雄だぞ?正直『勇者』の称号を持っていないのが信じられない。対人の危機では出現しない称号……いや祝福なのかもしれないが。


 俺とヘルムルトは今年婚約したが、ジルアーティーはともかくとして、双子も何も考えていないようだ。急いで失敗することもあるが、あまりにも遅いと残り物の難あり令嬢率が高くなるからそれも警戒すべきだと思うが。特に家督を継ぐリンデーンはもう焦り始めてもいいくらいだ。


 気を取り直し、ジルアーティーと一昨日の夕方帰ってからの事を話す。やはり同様に予選落ちを両親からネチネチ突かれたようだ。彼は魔導師なんだが、それでも予選落ちはナシらしい、情けないとばあやにまで嘆かれたそうだ。


 殿下には聞き辛い。殿下も深酒していたから二日酔いにはなっただろうが、剣術についてはそもそも守られる側だからな。

 でも第二妃辺りは嬉々として嫌味を言いそうだ。その裏で第三皇子に剣術の師を付けているかもしれない。殿下は既に立太子されて安定した地位を築いているが、今後兄弟間の人気がひっくり返ったり、実力や計略次第でどうとでもなる。そう考える奴らが一定数居るのはどこの国でも似たようなものだ。


 そう言えば、過去に第二妃が殿下の婚約者を第三皇子にすげ替えようとしたことが有ったと父から聞いたな。実質皇后だが、実際には未だに第二妃のままだということを理解していないのか、したく無いのだろう。都合の悪い時に現実逃避したくなる事は多々ある事だが、国のトップでそれやられると下々に仕える者が苦労するから勘弁して欲しいものだ。

 俺も現実逃避したい。ジルアーティーは今週末こそ冒険者活動に勤しむと言っていたが、しばらく何事も無いと良いな。


 双子は担当教諭とほぼ同時に滑り込みでこっそり席に着いていた。寮暮らしなのにどうしてこうなるのか、昼休みに色々聞けると良いなぁと思い、気持ちを切り替えて授業に集中した。




 昼休みになった。家の食事はともかく、やはりここの食堂はもっと料理の改善をした方がいいと思う。一年生のテーブルをちらりと確認したら、いつもの場所にご友人方と一緒にルナヴァイン嬢が居た。やはり転移魔法で戻ったのだろうか。ものすごく聞きたいが、堪えるしかない。双子は少し遅れて来た為聞き辛くなった。今日の殿下は御機嫌斜めだ、残念だが下手な刺激は避けておいた方が賢明だ。


 双子は珍しくランチボックスを持って来ていた。今日は寮からではなく邸からの通学だったそうだ。それにしては芸術的とすら言える滑り込み登校だったが。


 「そう言えばさー、多分かなり重要度の高い機密情報なんだけど、聞きたい?」


 いや、リンデーン、そんな話ここでするな。こいつまだ酔っ払ってるのか?

 だが、そもそも答を聞く気もなかったらしく、声を潜めて爆弾情報を落とした。それ殿下も知らないって顔してるが良いのか?良くないだろ。


 話を要約すると、()()()田舎領地での適正判定時に『聖女』が発見された。それにより、殿下の婚約者が挿げ替えられる可能性が高いとのことだ。細かい情報は言えないと言ってるが、それもう国家級超機密情報だからな?他国に知れたら戦争仕掛けられることもあるからな?


 殿下が知らないってことは、まだ皇宮には保護されず、領主レベルに留まっていると言うことだろう。しかも学園への編入が特別に四年生から認められているらしい。俺たちと同じ年齢で同学年って、お前ら何処の諜報員だ!

 現宰相を祖父に持つジルアーティーも初耳だと呟いてるじゃないか。俺の父だって宰相補佐だがそんな情報欠片も知らないはずだ、今日早速聞いてみよう。


 ああ、聞きたいことは沢山有ったのに既に情報過多で頭がイカれそうだ。


 そんな俺の気持ちなど知らぬ気にフィンネルが「まだ身体中痛い」と眉を潜め、リンデーンが「冬休みもブッチしようぜ」なんて事を言っている、その内強硬手段を取られたらどう逃げるんだろうな。周りが大騒ぎするだけで本人達は気にも留めなそうだ。気楽に生きて行ける奴らが羨ましい。


 立場的には公爵家でほぼ横並びなのになぁ、この差はなんだ。教育か?そうかもな、姫将軍様はのびのびと人生謳歌している感じだったからな。そう言えば双子は母親似だったと今更ながらに思い出した。双子の性格は遺伝の可能性が浮上した。

久しぶりにヒロイン情報を出せました、そろそろ話進めたいところですがまだ考え中です。

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