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悪役令嬢?ヒロインの選択肢次第の未来に毎日が不安です……  作者: みつあみ
~異世界転生で超健康になったので冒険がしたいです~
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121. 先触れ無しの来客お断り、できませんの?

 「あの子、あんなに落ち着きのない子だったかしら?」


 ひいお祖母様くらいだよ、大神官様をあの子とか言えるの。まぁひいお祖母様からしたら甥っ子だものね。それにしても疲れたわぁ、最新機器なんてものがあるなんて思わなかったよ。加護が後日判明なんてしたらどうなるんだろう?でもあれってダンジョンとか魔物退治に行かないと意味が無い加護だけどね。精神異常無効も凄いとは思うわ、勇者には必ず付いているっていう加護なのよね。大魔法使いも混乱や魅了されたら困るものねぇ。ああ、今日は大浴場で泳ぎたいくらいに疲れた気がするわ……。


 「大神官の後継問題ってどうなっているのかしら? どうもフィーを狙っているみたいですけど、本来は皇族から選出するものなのよ。 過去には聖属性の力が無い名前だけの大神官も居たくらいなの」

 「えーっ、母上そうなの? じゃぁ僕もう隠蔽しなくて良いのかな」

 「それはそのまま継続した方がいいわ。 大神官候補でなくても、最良の婿がねとしては狙われているの忘れないでちょうだい」


 フィンネル兄様は肩を落とした。うーん、フィンネル兄様にはまだ出会いが無いの?

 そこんとこシナリオとは違うのよねぇ。そもそも本人が決めるんじゃなくて政略婚約だから、お父様とお母様の問題なのよね。お母様はやはりシナリオクラッシャー?でもそうかもしれないわ、お母様は恋愛結婚推しなのよ。だからフィンネル兄様にも自由に相手を選ばせてあげたいって思っているのかもしれないわ。お父様はお母様に弱いから論外ね。


 今日は何して過ごそうかしら?考えながら手に取っていたのはやはり刺繍枠。うん、何も考えずに集中出来るものが一番いいわ。今日の私は髪を自然のまま引きずっている、様に見えるだけで、魔法付与で引きずらないように浮かせてる。だから引きずるような髪の長さでも肩が凝らない。中々楽で良いかも。家に居るだけの日はこれでも良いわね。ドレスもデザインはシンプル、使用されている布はちょっと多いかもしれない。でも芝生でしゃがみ込んでも大丈夫!明日ストレスMAX越えする分、今日はリラックスして過ごそう。今日最大のストレスはもう通り過ぎたハズだわ。


 苺の花を見ながら癒されていたら、門扉側の方から馬車の音が聞こえた。

 うわぁ!また来客なの?私はもう出ないよ!普段着だし髪結ってないからね!

 私は転移魔法で自室に戻った。ああ、あの苺の花可愛かったなぁ、刺繍の題材にしよう。誰が来たのかは気にしないでおきましょう。

 無心で刺していく、今回も丸いクッションにするつもりだ。お茶の時間になったけど、プライベートスペースといえども行く気がしない。来客が帰った様子が無い。今は刺繍に集中しているからって事で部屋でティータイムを過ごそう。私は侍女を呼んで部屋に持って来てもらった。クロカンブッシュを崩して行く。ストレスのせいなのかミニシューが口の中に入って行くのが早い。早食いしたつもりは無かったのだけど、三十個ほどのミニシューはすっかり私のお腹の中に消えていた。後はゆっくりとミルクティーを飲んだ。

 はぁーっ癒された!刺繍の続きを始めた。完成した頃には日が沈んで来ていた、すごく集中していたらしい。

 もう来客は帰ったかしら?ディナーの用意が出来て呼びに来るまでにクッションを作ろうかしら?そうね、たまには何も気にしない日があっても良いわ。


 侍女が夕食の支度が出来たと知らせに来たので、プライベートダイニングへ向かった。家族が揃って、あらお兄様方が居ないわ。そう思ったら、お母様が教えてくれた。


 「ああ、二人はご友人方が遊びにいらしたのよ。 客間の方で一緒に食事するからこっちには来ないわ」

 「まぁ、そうでしたの。 ではいただきます」


 お兄様以外は揃っていたので、食事を始めた。それにしても()()()()って、こんな大変な時に来るのは誰よ?まぁ淑女(レディー)はイケメンが来たからって見に行ったりしませんけどね!複数って事は、殿下以外勢ぞろいって事もあり得るじゃ無いのよ。



 食後は大浴場で泳いでちょっとした人魚気分……出来る訳無いわ!

 あーでも本当にこの”ピーチ姫”で水中散歩出来るんだなぁ、ボンベ無しで水の中にずっと潜って居られる。今度はもっと広い、そうね、海中で散歩したいわ。どの辺の海が綺麗だったかしら。

 調子に乗って湯中りしてしまった私は、食後のティータイムも寝室でゆっくりと過ごした。




▽▲▽▲▽


side.Helmult


 「今日は妹ちゃん居ないの?」


 ちらりとジルを見たが、あまり気にした様子は無い。今日は久しぶりに客間に通されたと思ったら、なんと明日の会議ってやつのために英雄夫婦のみならず、双子の祖母、曽祖母まで揃って居ると言う。貴婦人方は三人共元皇女様で、聖属性魔法のエキスパート、当然のように浄化魔法も使える。憧れの将軍に挨拶しに行きたくても、少なくとも俺達が入り込めるような場所ではなくなっているな。


 「そう言えば、ご令嬢の魔力判定日に教会の不正が見つかって、結局受けられなかったって?」

 「ああ、ジルはやっぱ気になる? まぁ今日わざわざ大神官様が判定器抱えて来てくれたから、問題無く受けられたよ」


 ジルにそう答えたランディは急に疲れたようになった。


 「いやぁ!あの爺さんマジでしつこいんだわ。 今日なんて一切の予告無しで朝っぱらから隣の爺さんかよってくらいの勢いで訪ねて来てさ、流石の母上までドン引いて引きつってたわ」

 「違うよ、元皇女三人ドン引きしてたよ」


 ランディにフィーからツッコミが入った。フィーもなんだかお疲れ気味だ。


 「大神官様ってそんなに疲れる相手なのか?」


 エリンが聞いたら、二人とも同時に頷く。


 「今日はついにマリアが姪っ子扱いになってたし、また神殿に勧誘されてた。 聖属性は出てないってのに本当にしつこいんだわ」

 「そりゃ凄いな、で、妹ちゃんは何属性だったの?」

 「五と剣聖の称号付きに、フィーと同じく大魔法使いの祝福付きだってさ。 爺さん張り切って最新式の持って来て、成果が出たもんだからホクホクしてたよ。 まぁ五で惜しがられるってのも微妙だよなぁ。 魔力に関してはもう、フィーの時同様目が潰されるかと思った」

 「いや、僕の時以上だったでしょ」


 ランディが答えたらフィーから訂正が入った。うわぁ、フィーもかなりの魔力持ちだって話だったのに、妹はそれ以上か!そりゃ高位魔法連発も出来るわな。こうなると、聖属性隠しているんじゃないかって気もして来るが、そんな話聞いた事ないからなぁ。ジルが感心したように言う。


 「兄妹揃って魔法向きか」

 「いや、俺は違うからね?」


 ランディが速攻で否定する。ん?こいつもフィーほどでは無くてもかなりの魔力持ちだと思うが違ったか?いや違わない。座標移動出来る時点で高位魔導師確定だろう。


 「”城塞”の引越し手伝いの時、バテてたの俺だけだったから! もう皆んなほぼ不眠不休なの変わらないのに、顔に出ないんだよ! 俺は目の下真っ青なのにさ、可笑しくない? あれから毎日鍛錬欠かさずにするようになったよ。 まぁ聖女様には大分邪魔されたけど、これからは邪魔されないと思うと清々しいよ」


 ランディはどこか遠くを見だした。ああ、こいつ余程聖女様のお世話係の負担がキツかったんだな。ジルから、どうもお世話時間に個人差があるらしいとは聞いていたが、ここまで嫌がるとは相当だったようだ。


 「客間に通されると、本当に静かなんだな」

 「エリンの所だってそうじゃないの? プライベートスペースとは完全に分離しているから、廊下歩いてもまずマリアと出会す事無いからな?」

 「ええっ? うちはそこまで徹底されてない気がするよ。 来客有ったら大抵挨拶している気がする」

 「それって不便じゃない? ご令嬢は特に、普段着で客の前に出たがらないよ? マリアさっきまで庭に居たけど、馬車の音聞いてさっさと消えたからね。 たぶん自室から出ないよ」


 エリンとフィーが話しているが、うーん、俺のとこもエリンの家と近いかもしれないなぁ。大体完全分離なんてどうしているんだ?


 「『剣聖』付きか、なるほど」


 ジルは今頃それか!今までの話全然聞いて無かった?今日はご令嬢とは会えないってさ。まぁ、お前は明日の会議で顔くらいは見られるだろうけど、話しかけるのは流石に無理だろ?両脇に元皇女様二人だぜ?何だか可哀想になって来るな。


 「ジルの家はどうなの? 来客スペースとプライベートスペースって分離してる? それともつながってる?」


 ランディが聞く、今聞いてもジル訳分かって無いだろうな。


 「来客?」


 案の定分かって居なかった。こいつの頭の中ご令嬢の判定結果で一杯だったんだな、分かるよ、ほとんど会う事すら出来ないもんなぁ。


 「ああ、さっきエリンがうちの客間が静かだって話になって。 こっちに通したら家の者とはすれ違う事も無いって話したんだが、どうもエリンとこは違うみたいでなぁ」


 ジルは一体何を当たり前の事を言っているんだと言いたげな顔だ。


 「ん?普通来客同士も擦れ違う事は無いし、家族を紹介する時は使用人が呼びに来るがそれがどうかしたか?」

 「だよな。 来客同士だって擦れ違わない様になってるよな。 実際うちもサロンここだけじゃ無いし」


 うげっ!武家と文家で考えが違うのかと思いきや、そうじゃ無かった!ランディとジルは感覚同じだったか。そっかー、来客が有っても挨拶する時としない時があるのか。それも楽そうだな。だからジルはご令嬢と会えなそうな気配でも気にして無かったのか、なるほどねぇ。


 「別に、会いたいってんならマリア連れて来るけど」


 フィー、お前親切だな。だが、いったん部屋を出たフィーが直ぐに戻って来た。


 「今日はダメっぽい。 侍女に聞いたら、刺繍に集中したいからティータイムも部屋から出ないって。 なんなら夕食まで出ないって言ってたらしい。 やっぱ大神官様からのストレス半端無いわ」


 なんてこった!ご令嬢はストレスで引き籠るタイプだったのか。そりゃぁ中々会えないよな。明日なんとか話せると良いな。


俺は、難儀な恋をしている友人にそっとエールを送っておいた。

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