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悪役令嬢?ヒロインの選択肢次第の未来に毎日が不安です……  作者: みつあみ
~異世界転生で超健康になったので冒険がしたいです~
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120. やっぱりこの人来ましたわ(困惑)

 馬車には癒しのグッズ。ひいお祖母様には昨夜出来たばかりのクッション。お祖母様には私がひっついて、ってよりお祖母様が私にひっついている。他にも私用には、ラビット毛皮のもふもふ付き扇子、普段は冒険者バッグに入れてある癒し桃姫(ピーチプリンセス)、金剛の腕輪は防具だけど、色々重装備ですわ。だって会議には当然大神官様が来るんだもの、聖女と聖属性魔法を隠蔽したら私の防御力が心配!って事で、まぁ色々考えたわけですわ。


 あくまでも私は付き添いとして入ることを許されただけなので、剣を持っては入れないのよねぇ。その分の防御力を他で補っておかなくちゃ!って事で、その後の出来事が刺激的で忘れてたレアなシーパンサーが落とした”俊敏のアンクレット”を調べたら〔攻撃力・素早さ5倍、装甲化〕、この装甲化って所謂ドラゴンメイルのような感じだよね。見た目変わらないのに普通の針も蜂の針程度なら刺さらない!なんて素晴らしいのかしら!ちょっと足に踊り子さんみたいなジャラジャラした感じなのが嫌なんだけど、これで蹴り食らわせたら相手が心配になっちゃうわね!ちょっとワクワクするわ。私の家族を狙って来たヤツなんて遠慮無くボコるわよ~。先日は物騒な妄想で仕舞い込んだ危ないかんざし”緋の簪”も当日は髪に挿しておくつもり。しっかり武装もさせて頂きますわ。だってもう帝都騎士団なんてアテにしてないもの。



 久しぶりの皇都はやっぱり圧を感じる。このピリピリした感じはまた別の物なんだろうけどね。そこかしこに帝都騎士団の見回りが歩いている。物々しい警備の私達の馬車を見たけど、予め周知されていたのか注意されなかった。


 「やっぱり馬車旅は身体に堪えるわねぇ」

 「あなたがそうなら、わたくしは尚更辛いわよ。 マリアのクッションのおかげで何とか持ちこたえたわ。 癒しグッズってなかなか良いわね」

 「喜んでいただけて嬉しいわ」


 そうね、やっぱもう一つサンプル作ってクッション売り出そう。馬車の走行中、広場の向こうにジル様と一緒に入った超高級商店が見えた。あらぁ、今日はサロン待ちが外まで並んでいるわ。そう言えば今日って休日だったわね。貴族でも並ぶことあるんだわ……今世初めて見た光景にちょっとびっくりした。そして広場前と皇宮前大通りを通り過ぎてうちの皇都の別邸(タウンハウス)に着いた。


 久しぶりの家族勢揃いした(お爺様だけ領地でお留守番だけど)プライベートリビングでは、予想に反して和やかなティータイムが始まった。先にお風呂に入りたかったけど、ひいお祖母様とお祖母様は先に座って休憩を取りたそうだったから合わせたの。旅の汚れはそれほどでもないけど、一応三人共洗浄魔法で綺麗さっぱりしたので、そのままソファーに座っても大丈夫よ。


 「ああ、マリアの食べっぷりは見ていて気持ちいいね」

 「フィンネル兄様、それ淑女(レディー)に対しての褒め言葉になりませんわ」


 もう慣れた事だけど、ちょっと拗ねたふりをした。


 「褒めてるわけじゃ無いから。 ただ僕は癒される。 聖女様ときたら、僕らの顔色伺いながら、ケーキを一個にするか、二個食べてもいいか考え込むんだ。そんなに食べたいなら勝手に食べればいいのにウザったいんだよねぇ、で、いつも一つに抑えては物足りなそうな顔をしているんだ」

 「ああ、聖女様はいつも物足りなそうな、満ち足りて無さそうな、物欲しそうな表情をしているよ。 それを庇護欲をそそられる、なんて言うアホな奴らが多いけど、俺は言いたいことはハッキリ言えよって、思っちまうからああいうのはダメだなぁ~相変わらずストレスMAXだったけど、五年生からは俺達の送り迎え業務は無くなって、教室内での質問タイムとランチタイムくらいになったから、かなり負担が軽くなった」

 「ランディはまだ甘いな。 僕はランチタイムも殿下と護衛だけで皇族専用食堂を使って貰いたいと思っているんだけど?」

 「あー、それ良いね!」

 「まぁ、結局寮にも入らなくて良かったみたいですし、状況がちょっと複雑で不謹慎ではあるものの不幸中の幸いといった所なのかしら?」


 どうやら、ヒロインの逆ハー作戦は難航中らしい。彼女は自分の行動で戦争が始まりそうになっている事を分かっているのかしら?まぁ、分かっていたらこんな事にはなっていないわね。


 「ああ、こんな不毛な会議に意味があるのかしらね。 会議は明後日よ。 帝国でさえ貴重な浄化魔導師の派遣なんて断るしか無いでしょうに、何考えているのかしら」


 お母様の言うことは至極真っ当だと思うわ。あんな大きな湖の浄化なんて、一体何人の浄化術者を派遣すれば良いのやら分からないし、それに、そのまま拉致される可能性も考えたら、派遣なんてとんでも無いことだわ。それとも、この国にも戦争に持ち込もうとする一派が居たりするのかしら。ありがちよねぇ……私は隠しルートは一部しかプレイしてないけど、ネタバレwikiでシナリオ自体はある程度知っているのよね。戦争の混乱に紛れて帝国内では王位継承争いが水面下で激化するのよ。その布石になるかもしれないこの案件、どう処理するのか心配だわぁ。貴重な聖属性魔術師の中でも更に稀な浄化魔法持ちの派遣なんて、断る一択だと思うのに、わざわざ会議なんてするのかしら?それとも会議したポーズを取ってから断るのかしら?『貴国のことを考え会議しましたが、やっぱり無理でしたー』は、まぁ外交上アリよね、即却下だと心象悪いもの。それでも実際に浄化魔導師をここまで集める必要ないと思うけどね。


 会議までは何を考えたところで結論が出ないので、みんなゆっくり身体を休めることにした。私はもちろんその前に汗を流しましたわ。鍛錬場に護衛騎士達が十人ほど少し遅い昼寝をしていますけど、風邪を引かないように暖かくしておきましたわ。

 はぁ~この長い髪が洗う時めちゃくちゃ大変なんだけど、それを言うと一人でお風呂に入れなくなっちゃうから頑張らなくてはね、洗浄や浄化の魔法だってあるんだし!

 美容院とかで髪を洗って貰うのって気持ち良かったけど、服着てるから良いのよ。まっぱで髪洗って貰うのは恥ずかしいわぁ。まぁ、今でも大変だから、そのうち美容院にあったみたいな洗面台を作って髪だけ洗って貰うのも良いかもしれないわねぇ。

 浴槽(バスタブ)でゆっくり身体を伸ばす。ああ、明後日の会議憂鬱だなぁ。




▽▲▽▲▽


 憂鬱は翌日突然やって来た!

 フィンネル兄様の冗談が誠になっちゃったよ!?

 私は大神官様ご訪問の一報を聞いて、急いで聖女と聖属性のステータス隠蔽をする。その他はもう放置だ、五属性って事になって騒がれるだろうし、フィンネル兄様とお揃いの『大魔法使い』でまた凝視が強くなりそうだけど、剣聖も持っているし、魔法だけじゃないのよ♪

 もう隠し事は最低限にする!これが楽に暮らしていく方法の一つよね。全部隠すならその方が楽だけど、出来ないんだものしょうがないわ。


 「久しぶりじゃのぉ! 益々美しくなったのではないか? 叔母上から洗礼式までは受けたと聞いてな、これを持って来たのじゃ!」


 その手にあるのは紛れもなく魔力判定器である。しかも何だか以前よりも口調がフレンドリーになっていませんか?やっぱりまだ大叔父様って呼ばれたいの?私は頬が引き攣るのを何とか堪えた。けど、お母様を始めとしたお祖母様、ひいお祖母様は明らかに引きつってるしかなりドン引きして居る!フィンネル兄様も聖属性隠蔽済みだ。もう自分で出来る様になったのでこんな時に即対応出来るようになったのは目出度いことだわ。でも双子揃って明後日の方向を向いて遠い目をして居る。


 「まぁ、お忙しい大神官様のお手を煩わせるなんて心苦しいことですわ。 でも手ずから判定して頂けるなんて、とても光栄で、恐縮してしまいますわ」


 もう判定は決定事項だ!この状況では逃げられない。私は腹を括って淑女の笑みを必死で浮かべながら言った。

 その時、執務室から出て来た為に遅れたお父様が最後に挨拶した。流石、石像のようにいつもの表情を保っている。冷静沈着そのもの。


 「大神官殿をお迎えするのに、急な事で大したおもてなしも出来ませんが、玄関ホールでは流石に我が家の手落ちとなります。 せめてサロンまで案内させて頂きたい」

 「おお、公爵殿。 可愛い姪の不遇を聞いて、つい礼を欠いてしまったのはわしの方じゃ。 そうかしこまらんで良い。 だが確かにここで判定も失礼であったな」


 一見スムーズに客間に案内し、一番良い応接セットのソファーに座らせる。もちろん上座の一人掛けソファーだ。

 私はその斜め前に座る。三人がけソファーだが、皆んなフィンネル兄様の時の強い光を覚えているので、離れて立ったまま様子を見守って居る。ひいお祖母様とお祖母様は少々離れたソファーでお茶している。まぁ結果分かってますものねぇ。それにあの光は目潰し級なので、見ない方が良いでしょう。


 「今日の魔力判定器は神殿で使っている性能の良いやつなのじゃ! ほれ、手を乗せて見なさい」


 うーん、いつの間にか私まで姪っ子扱いで、仲良し作戦継続中って、本当に執念深いなぁー。まぁ、今日分かるのは五属性持ちと称号の剣聖くらいね。大魔法使いの祝福は後日かなぁ……。しょうがないのでクッキングメーターのような魔力判定器に右手を乗せた。判定器に触れる前から光り出して触れた瞬間には銀光が爆発したように四方に放たれた!もちろん私は目をつぶりましたよ、でも、それでも目の前が超明るい光に包まれたのはまぶた越しにも分かりましたわ。目潰し光禁止!危険すぎるわ。目を開けると、余韻なのか銀の花びらのような物がチラチラと降りて来ている。隠蔽したので金じゃないけど光り過ぎだよSS×3は伊達じゃないな。やっぱ隠蔽セット使った方が良かったかしら?


 「一番強いのは水かのう、それに風と闇と火と土じゃ。 どれも強くて混じり合っているようじゃ。 このメーターでもなければ属性判定が出来ない所じゃった! それにしても五属性は惜しいのう……じゃがこれほどの魔力。やはり修行で伸ばさねば勿体無いと思うのじゃが、神殿に来てはどうかね?」


 私は一応残念そうに、しおらしい表情を作って謝った。


 「申し訳ありませんわ大神官様。 わたくしスウィーツが無いと元気が出ませんの。 良い修行にはなると思うのですが、清貧には耐えられそうもありませんわ」

 「勿体無いのう……おおっ?これは! 祝福と称号持ちとは珍しいのう! 『剣聖』の称号と、『大魔法使い』の祝福を得ておる!これは素晴らしい!祝福には何らかの加護が付くはずじゃ良いものが付く事を願っておる」


 うわぁ……このお爺ちゃん、マジで最新機器持って来たの?『大魔法使い』はレアであるだけでなく判定しづらい祝福らしいのだ。加護まで見えなくて正解だよ、幸運宝箱(ラッキードロップ)ドロップ率上昇、精神異常無効、なんてレアだからね?あー、なんかザワザワして来たーーーーーっ!


 「大神官様。ここまでご足労いただきましたお礼に、これ生成しておきましたわ! どうぞお納めになってくださいませ」


 お母様はいつの間にか聖水を20ℓ瓶三つ分も作っていた!うわぁ!これ持ってさっさと帰れって顔してるわ。でも大神官様は大喜びだ。


 「今日はなんと目出度いことだ。 こんなに気分の良い日は久しぶりで嬉しいのう」


 今日はとりあえずスキップでもしそうなご機嫌で大神官様は帰って行った。聖水と言う超貴重品を持たせた為、皇宮の城門までうちの護衛騎士達も付けた。一応アフターサービスだ。

このお爺ちゃんも諦め悪いですね、皇子達の判定どうなってるのって感じです^^;

それはまた別の機会に。

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