112. 閑話 あきらめません!
SSです。
side.Heroine
今日の送りはアル様、ジル様とジーン様。ジーンが居るとジル様には話しかけ辛いのだけど、アル様との会話に巻き込む戦法で最近は少しずつ話をする事が出来る様になって来ていたの。
でも昨日からジル様の様子がおかしいのよ、一昨日悲壮感を漂わせてどんよりしていたランディ様とフィー様は昨日から復活しているのに、ちょうど入れ替わった様にジル様が落ち込んでいる。何が有ったのかは全然教えてくれないのだけど、クールで何を考えているのか分かり辛いジル様が、こんなに落ち込む事って何かしら?アル様も心配してくれているのに何も言わないのよね。今日こそ絶対聞き出してやる!
「ジル様、そんなにずっと気持ちが落ち込んだままでは、体にも良くないと思います。アル様もジーン様も心配していますし、話して心を楽にされた方が良いと思います。きっと少しは気持ちが晴れると思いますよ?」
ジル様だんまりを決め込んだわ!ちょっとー!聖女に対して失礼なんじゃないの?シナリオではどんな時も紳士的に振舞って余裕を見せていたのに、一体どうしちゃったの?お身内に不幸でもあったのかしら?ここの学園では同級生の家に不幸が有っても知らせる事とか無いのよね。
「おい、ジル。良い加減にしろよ、皆が心配しているんだ、その態度はないだろう」
アル様もっと言ってやってー!そして理由を聞き出して!
でもジル様は一筋縄では行かなかった。
「殿下、並びに聖女様。大変申し訳ございません。個人的な理由でご心配をお掛けしてしまいました、今はまだ未熟者で自己のコントロールがうまく行っていないようでお恥ずかしい限りです。もう大丈夫ですので、ご心配なさいませんようお願い申し上げます」
そう言って、表面的には取り繕い出したの!でも落ち込んでいるのは明らかに分かるのよ?これは絶対に言うつもりないのね。はっ!まさか!あのイヤーカフの『彼女』ってヤツと何かあった?そうよ、フィー様と入れ違いで落ち込んでいるってことは可能性は無くないわ、そうなるとランディ様とフィー様の復活が不愉快な理由になりそうだけど、もし、ジル様が『彼女』ってのにフラれたとかだったら、今が好感度上げの大チャンスなんじゃないの?ふふっ!待ってて良かったわ、やっぱこういうのは長期戦でやってみるものなのね。今日のうちにもう一押ししてみよう、ジーンは邪魔だけどアル様が居れば何とかなるかもしれないわ。
「やっぱりジル様、無理している様にしか見えません。学園近くのティールームに新作のケーキが入ったと教えていただいたの!場所が変われば話しやすくなるかもしれないわ。ねぇ、アル様、今日はお茶する時間作れませんか?」
たっぷり甘さを込めた声でおねだりすると、高確率で効くのよね♪トドメとばかりにアル様に近寄り、潤ませた目で上目遣いで見上げる。勝った!そう思った。アル様がジル様に向き直って近づく。
でも内緒話なのよ!ちょっとーっその話の内容が聞きたいんだってば!その内アル様は一人納得した様に頷き、離れてからジル様の肩に手を乗せて。
「お前がそんな悩みを抱える様になるとは思って無かったが、その話の様子ではまだ断定出来ないだろう。お互いの立場を気にして敢えて壁を作られている可能性が高いんじゃないのか?本気ならもっと強めに出ても良いと思うが、まぁ程々にな。まだ諦めるのは早いだろう、頑張れ!」
えええええ~っ!そんな激励、応援しちゃダメだってば!諦めろって言ってよ!今の感じからだとそんな話よね?
「ジーン、今日は一時間半くらいなら時間が取れたはずだったな?」
「殿下、かなりタイトなスケジュールになります」
「良い。ジルはそのまま帰って良い。モクレン、そのティールームには俺が付き合おう。新作のケーキが食べたのであろう?」
「わぁ!アル様嬉しいです♪」
うわーん!アル様とのお茶デートは嬉しいけど、折角のチャンスがフイになったわ!!その『彼女』ってのはきっと貴族では無いのね!ああ、でもアル様が応援してたってことは、下位貴族の可能性も捨てられないわね。でも激励はないわぁ!諦めさせてくれなくちゃ!そうしたら傷心のジル様を私が慰めて好感度急上昇出来たのにぃ!
ヒロインのハーレムエンドの夢への道のりはまだまだ険しい。
ハッピーエンド後にも粘るヒロイン!
メンタル強過ぎです^^;




