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悪役令嬢?ヒロインの選択肢次第の未来に毎日が不安です……  作者: みつあみ
強制悪役令嬢!?ヒロインの選択次第の未来に毎日が不安です
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10. 悪役令嬢、正面から行きます

今回短いです。

 「ごめんなさーい!!」


 ここは一先ず名乗りを上げる前に謝り倒すことにした。

 だって今の私ったらどう見ても不審者でしかないんだもの!


 国境の防衛基地(じょうさい)上空に忽然と現れた女の子。この辺は魔物が多少出て来る。でも人型の魔族は伝承でしか語られない神話レベルの話だけど、世の中何が起こるか分からないし、そんな怪しいのと間違われて総攻撃を受けるのは避けたい。自分のところの護衛騎士達とマジ戦闘なんて勘弁!


 上空から地上に降りる途中で遠距離攻撃仕掛けられたりしたら冗談じゃないから、敵意が無いことを分かってもらえそうなポーズを取りつつ、警戒しながら“城塞”をぐるりと取り囲む城壁に沿って囲む堀の外にある跳ね橋の着地位置を踏まない場所に降り立った。ところですかさずジャンピング土下座並みに頭を思いっきり下げた。

 公爵令嬢としての矜持(プライド)は最低限確保しとかないとダメかなと思って、膝を突くのはやめておいたのだけど。


 屋根裏部屋に直接忍び込んで視察と掃除くらいは出来ると思ってた私の計画は、”城塞”を城壁もろとも覆うドーム状結界に阻まれ灰塵に帰したのだ。

 うん、物理攻撃に対する防衛(高い城壁と深いお堀)がどうしても目に付くから魔法攻撃に対する防衛対策のことを失念してた。やっぱこの世界ではまだ子供なのね。前世で暮らしてた日本は平和だったし、魔法攻撃対策なんて考えたこともなかったからしょうがないよね?

 でも私、ゲームは乙女ゲームよりもファンタジー系RPGをやり込んでて、シナリオ系も魔法バトル系も割と得意だったのに悔しいなぁ!魔法がある世界なのにトラップの可能性を失念するなんて……。

 ちなみにプレイした乙女ゲームは一本だけである、シリーズ物だったんだけどねぇ……。




▽▲▽▲▽



 下げた頭を上げようとしたところで目の前にふわりと風を感じる。左右に垂らした髪がわずかに靡く。


 幅5m、長さ15mにも及ぶ大きな跳ね橋が下りていた。下ろすには巻上げられた鎖を伸ばす音、鎖が滑車を滑る音だけでもけたたましい音が鳴るはずだし、橋がお堀の対岸(目の前)に下された衝撃音はかなり大きく、振動だって感じるだろうに、それが目の前の跳ね橋はまるで羽のように、それも瞬く間に下されていた。

 正面の大門も開かれていて城壁の中から3人がこっちに向かって歩いて来た。私はその場で待ち構える。敵意は向けられていないけど様子見しないとね。


 「ようこそおいでくださいましたマリノリアお嬢様、わたくしめは指揮官長のヴァンレット・ハーウェイと申します。こちらにいらっしゃるのは初めての事と存じますが、案内を必要とされますか?その前にお身体を休めた方がよろしいでしょうか?」


 壮年の騎士が恭しく騎士の礼を取り頭を垂れると、それに続いて両隣の騎士達も半歩下がった位置で騎士の礼を取って頭を垂れた。


 「マリノリア・ルナヴァインよ。堅苦しい挨拶はいいわ、書物で覚えた魔術を試しに来ただけなの」

 「左様ですか。こちらは副官のダン・ナロット、執事官のジャーニー・スミスです、高度な魔術をご使用になった後ではお疲れでしょう。ひとまず中へお入りください」


 ハーウェイ指揮官長は現状、城塞の護衛騎士達のトップ、向かって左が副官で右が執事官ね……執事とどこが違うのかっていうと、騎士に準ずる訓練を受けていて戦闘要員でもあるってところかな。それにしてもこの短時間で状況を判断して予期せぬ訪問者をそつなく出迎えるなんて素晴らしいわ。ってかこの人達初めて会うよね?護衛騎士は領地と城塞で訓練度の違いを埋めるために定期的に交代しているけど、パッと見たところ見覚えのある護衛騎士や使用人は見当たらない。写真なんて無いけど、我が家の精巧な絵姿でも出回っているのかしら?描かせた覚えないんだけど。


 ってか、ここに来る事自体内緒にしたかったのに、もうお父様には連絡が入ってる気がする。有事の連絡用に早馬なんて対外用のポーズで、実は通信用の魔術道具がうちの主要箇所に設置されてるの。それも汎用的な2点間通信じゃなくて、今の所12個連携型よ、交換機もないのに任意の設置場所と連絡が取れるの。あえて例えるなら外線無しの内線電話みたいなものかしら。


 さてどう説明しよう。でもこうなったら誤魔化したってムダよね……うん、本当の目的は伏せて、好きに行動させてもらえるようにあざとく交渉、出来るかな……。




▽▲▽▲▽



 思いがけず不法侵入しようとしたのがバレたのはイタかったけど、魔導師団の精鋭から魔法全般を直接指導してもらえるようになったのはラッキー!いやもう学園行かなくていいわ。

 それにこっちが本命だったのだけど、城塞内を一人で(ここ重要)好きに歩き回って良いとお墨付きも貰えた。やったね!

 こっそり入った屋根裏部屋は手付かずで、北側に上水道用の大きな水タンクと所々柱があるだけのワンフロアのだだっ広い空間だったけど、魔法でチャチャっとハウスクリーニングしてピカピカにしたわ。補修が必要なところは無かった。場所は南東側に決めた、北側の日当たりに配慮した為か、南側は3階建なのも都合良かった。リフォーム計画はこれから考える。ああ楽しみ♪


 でもうちに帰ったらお父様にしこたま怒られた。無断外出もだけど、書物で得た知識だけで空間魔法を使ったのが一番の地雷だったみたい。ほんの少しでも間違ったら自身が引き裂かれたりとか破裂してちーんなんだって、自爆怖い。

指揮官長はイケオジ設定なんですが、今回は登場人物の特徴や経歴について入れられる所が無くてぶっ飛ばしました(笑)

そのうちご紹介出来れば…

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