表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

4

4


なぜ、ここにいるのだろう?

私は幾度も繰り返してきた疑問をまた考えていた。

答えのない迷宮じみている。

自と他?それとも無数の自と無数の他?

混濁した意識ではそれすらもわからない。

私は少なくとも3人の私だった。記憶を共有しているせいで、同日の同時刻に複数の記憶がないまぜになってしまっていて、どうしても混乱してしまうのだった。

ただし、「2年前の10月」の記憶だけは視点が異なるものの、同じ記憶を共有していた。

ちょうどハロウィンの仮装をして誰が誰だか見分けがつかないお祭り騒ぎの時だった。

地下で秘密の集会があり、金星の政治の後ろ盾をどうするかで意見を出し合っているそのさなかに、威力の強い爆弾が落とされた。

私は複数の私と混ざり合い、分化し、散り散りになった。

同じ記憶を重複して私がもっているということは、逆にその記憶だけを持っていない私も存在するということにならないだろうか?

その私は私を捜して彷徨っているかもしれない。

私は今、地球にも金星にもいない。じっと身を縮めて隠れている。

私の脳に、重要事項が決定された記憶が存在しているのだ。それを奪われるわけにはいかなかった。

ここから脱出して、金星に向かうには、足りないピースがいくつかあり、私はそれが揃うのを待っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ