祭りの始まり(6)
*
再びあがった幕。部員達の眩い心に照明が反射して、舞台はその輝きをより一層増しているように思えた。白い、白い、どこまでも白い舞台。暗幕がかけられ、薄暗くなっている客席とは大違いだ。白と黒。だがこの二つの場所に大きな隔たりは無い。劇が舞台と客席を結び、一体化させたのだ。
そして始まるスタッフ、キャストの紹介。紹介された係の人達がそろって前に出、観客の拍手をその身に浴びる。
「おい、さっきから天井ばっかり見て、どうしたんだよ」
尋ねるような、咎めるような紗久羅の声。見れば紗久羅の言う通り、出雲はじっと天井を見つめていた。
何となく見ている、ぼうっとしている、というわけではないことを、彼の冷たい瞳が物語っている。
出雲は紗久羅の問いに答えない。今度は舞台へ目を向ける。その視線はある一点に注がれているようだったが、具体的にどこを見ているのかまでははっきり分からない。恐らく舞台中央辺り。しばらくすると、また天井へ視線を戻した。
聞いても全く答えない出雲に業を煮やし、もう一度問おうと口を開いた紗久羅だったが、結局やめ、出そうとした声を息に変えて吐き出す。
さくらも気にはなったものの、舞台でスタッフ紹介等をしている時に喋りたくはなかったし、どうせ聞いたところで彼は答えてくれないだろうと思ったから、やめた。紗久羅が我慢したことを、わざわざ自分がする必要も無い。
頭は相変わらずぼうっとしている。劇を見ている時はかえってその方が良かったが、終わった後は、辛い。外から入ってくる声、音のボリュームは普段より明らかに小さい。
しかし朝と全く症状が同じというわけではなかった。朝よりずっとましである点と、もう一つ違う点があった。
(何だろう……劇が終わった辺りから、頭がぼうっとしたりすっきりしたりを繰り返すようになってきたような)
朝体育館で式があった時は、ずっと頭はぼうっとしていた。すっきりせず、校長先生の話等も一切頭に入ってこなかったのだ。軽音部の演奏や、演劇部の公演中も朝ほどまででは無いが、頭はややぼうっとしていた。
だが今は違う。ぼうっとした頭が急に、まるでミントでも投入されたかのようにすっきりし、普段と全く変わらない状態になったかと思ったら、また霞がかかったかのようにぼうっとする。
「……もうここのは限界だな」
天井を見上げながら出雲が呟く。意識が半分迷子になっていたさくらの頭も、彼の言葉はちゃんと拾った。
「え?」
彼の意味深な発言に困惑した三人の声が綺麗にハモる。スタッフ紹介を熱心に聞いている上に、出雲に全く興味が無いほのりの耳には届いていないようだった。
出雲は静かに立ち上がると、かぶっていた帽子を脱ぐ。そのまま紗久羅の前まで行き。手に持っていた帽子をぽん、と彼女の頭にかぶせた。紗久羅は出雲を睨み、何なんだよ一体と小声で文句を言う。
何か楽しんでいるような、人を馬鹿にしているような笑みが彼の顔に貼りついていた。
「ま、せいぜい頑張りたまえ。……私は少し外に出るよ」
「頑張れって何を」
大声で叫ぶのを必死に我慢しているような表情の紗久羅。そんな彼女の問いに出雲が答えることは無かった。さくらが続いて聞いたところで結果は変わらないだろう。彼女には手を軽く振りながら闇に溶けて消えていく出雲の後姿を見つめることしか出来なかった。
(出雲さんには何かが見えたのかしら。私達の目に映らない何かが)
ぼうっとする頭を抑えながら、天井を見上げる。
そこに広がるのは、果てない闇。星も月も無い夜空、海の底。無限、限界の無い、どこまでも続く、闇。
体中を冷たい電流が走る。同時に湧き上がるのは不安と恐怖。
氷の手で包まれたかのようになった心臓がとても痛い。
(どうして……。頭が痛い。まるで氷でも入れられたかのよう。何か恐ろしいものが見えたわけじゃない。何も見えない、何も無い。でも、本当に? 本当に何も無いの?)
何も無いとは到底思えなかった。目に見えないなにかがある、もしくは何かが起きているに違いない。しかしそれが何であるのか、さくらには分からなかった。
目を逸らしたいと思った。だが視線が恐怖に縛られて、動かない。光り輝く舞台を見たくても、見られない。
「サク。あんた何天井なんて見ているのよ。そんなの見たって楽しくも何ともないでしょうが。ていうかそのままの体勢だとあんたの場合、絶対バランス崩して椅子ごと倒れちゃう」
ほのりのたしなめる声を聞き、さくらははっと我に返る。視線をようやく天井から逸らすことが出来た。
「ありがとう」
唐突な感謝の言葉にほのりは面食らった。
「何をいきなり。疲れて頭おかしくなっちゃったんじゃない? ほら、主役が今から喋るわよ、ちゃんと聞きなさい」
「そ、そうね。ちゃんと話を聞かないと……」
ぎこちない笑みを浮かべ、先程まで天井にやっていた目を舞台へ移す。
光り輝く、真っ白な舞台に。
真っ白だったはずの舞台に。
「……え……?」
舞台を見たさくらは戦慄した。舞台の中央――主役を演じた男子生徒、北条のいる辺り――に、紫がかった黒の、炎の様なもやの様なものが見えたからだ。
それは北条と、彼の持っている仮面を包んでいるようであった。
頭痛と共にまた頭がぼうっとする。するとそれは見えなくなった。
気のせいか、いやそんなはずは。そう思ったさくらの頭がまたすっきり冴える。するとそれは再び現れた。先程までと違い、その状態は一瞬で終わらず、しばらく続く。
冴えたり、ぼうっとしたり。現れたり、消えたり。段々頭がすっきりする時間の方が長くなっていった。
「さくら姉……」
何かに驚き、困惑しているかの声。紗久羅がさくらの右腕をつつく。
舞台から彼女の方へ視線を移し、目で問う。紗久羅ちゃんにも見えるの、と。
紗久羅は無言で頷く。どうやら彼女にも見えているらしい。
「寒い……何だか、ここ、とても嫌な感じがする……入った時から何となく感じていたけれど、今は、とても、酷い、寒い、冷たい」
自らの体を細い手で抱きながら、柚季が震えた声で呟く。周りの人が聞いているかもしれないということを考える余裕も今の彼女には無いようだ。
「絶対、おかしい。ここ……何か、いる」
「さっきまで何も見えなかったのに。もしかして術ってやつが……」
紗久羅がそう口を開いた時のことだ。
何十、何百台もの鉄琴の、一番高い音の部分を一斉に叩いたような音が体育館中に響き渡り、同時に世界がぐにゃりと歪み、さくらや紗久羅は強いめまいを覚えた。
それがおさまった後、無駄だと分かっていながら、頭を激しく横に振る。
「ちょっと、何あれ!」
ほのりの叫び声が聞こえ、さくらは思わず閉じてしまっていた目を開けた。
彼女が指差しているのは舞台。悲鳴や戸惑いの声が体育館中を満たす。
(黒い……舞台が。さっきまで他の人達には見えていなかったはずなのに!)
ぼうっとすることが無くなった頭。断続的に見えていたそれは、消えることなくさくらの目に映り続けている。
体、特に肩と頭が異様に冷たくなってきた。痛みと痺れを伴う冷たさ。
まるで雪が降りかかってきたかのようだった。
北条が、悲鳴をあげて仮面を放り投げる。同時に彼を包んでいた黒いものが消えた。放物線を描いて落ちていく仮面と、黒い何か。
床に落ちた仮面から、一気に黒く禍々しいものが噴出す。もし色が赤だったなら、それを見たものは火柱があがったと思っただろう。
それは少しずつ人間の様な形になっていく。ふわりと宙へ浮かんだ仮面は顔にあたる部分で静止した。
顔が出来、髪、首、胴、手足が出来。黒く禍々しいものをまとった人間が一人、その舞台に姿を現した。
「な、何なんだ……あんたは!」
彼の傍らで尻餅をついていた北条が叫ぶ。
「僕? 僕は君、北条大樹だ」
その声は北条のものと全く同じであった。遠くからなのではっきりと分からないが、姿も似ているようだった。男(以下仮面北条としておく)は北条ににじり寄り、彼のすぐ近くまでくると、笑い声をあげた。
「僕を生んでくれてありがとう。心から感謝するよ。はは、皆何をそんなに怯えているんだい? 僕は北条だ。何も恐れることは無い。さあ、さっさと準備をして」
「じゅ、準備って何よ!」
ヒロイン役を務めていた女生徒の叫ぶ声。彼女の質問が余程おかしかったのか、仮面北条は先程よりずっと大きな声で、おかしそうに笑う。
「何って? 決まっているだろう、劇だよ、劇。君達がすることといえば、劇より他無いじゃないか」
「訳の分からないことを……一体何なの、これは、夢なの!?」
「夢? 夢じゃないよ。これは紛れもない現実。さあ早く準備をして。観客を幻想の世界へ誘う為の。永遠に覚めない夢の準備をしよう」
両手を広げ、芝居かかった口調で仮面北条が叫ぶ。それに呼応するように観客達の悲鳴がそこら中からあがった。
緊急事態が発生したことを察した人々が、暗幕を動かし、日の光を体育館内へ入れる。同時に今まで消えていた天井の照明がつけられた。
そうすることで、人々の目に映っていた異様なものは姿を消し、ああ良かった、あれは夢だったのだ……ということになれば良かったのだが。
舞台には相変わらず禍々しいものを身にまとっている仮面北条がおり、優雅な足取りで歩き回りながら、怯え震えている部員達に準備を催促しているのだった。
おまけに。暗幕が取り払われ、照明がつけられたのにも関わらず、館内は思ったほど明るくならなかった。周りの様子が先程より詳細に見えるようになったことは確かだったが、それでも明かりがついているとは到底思えないような暗さだ。
「おい、さくら姉、天井!」
「何、あれ……」
紗久羅に言われるまま天井を見上げたさくらは愕然とした。
天井を、仮面北条の体を包んでいるものと同じようなものが覆っていたからだ。その向こう側に見える微かな光は恐らく照明だろう。それはまるで雷雲に隠れ、震える月の様であった。
天井から何かがひらひらと落ちてきている。それは天井を支配しているものと同じ色をしていた。紫がかった、黒。見た者を不安にさせる色。
恐る恐るさくらは右手を伸ばし、それを受け止めた。
「冷たい……!」
冷たい、を通り越して、痛い。重みや実体は無く触れた途端消えていく。或いは体内に入り込んでしまったのかもしれなかった。
黒い雪。そんな言葉がぴったりな、おぞましいもの。
(頭や肩が異様に冷たくなったのは、これが降り注いでいたから? 出雲さんにはこれが見えていたってこと?)
先程までは暗かったから、この黒い雪も見えなかったのだろうか。そもそもこれは何なのか。何も分からず、気持ちはどんどんあせっていく。
「いや、化け物!」
一際大きい悲鳴が、舞台に近い所から聞こえた。それに続くように、何だお前は、妖怪、こんなの有り得ない……という言葉が次々と聞こえてくるのだった。
「紗久羅! 見て、妖……妖達が、いる!」
「え、そんな馬鹿な……うわ、本当だ!」
「嘘、あ、あんなに……」
明らかに人間では無い者の姿が、観客の中に沢山混じっているのが見え、三人は驚愕する。巨大な猫、牛頭の男、ろくろ首、八本の腕を持つ女、化け灯篭諸々が慌てふためく人間を見て、笑っているのだった。
「嘘、幾ら体育館の中が暗かったからって……」
これだけの数の、人間には到底見えないような姿をした妖の存在に誰も気がつかなかったなんて、とさくらはただ絶句する。
(祭りの影響? 日常と非日常が入り混じっている空間になっていたから、気がつかなかった? そんな、でも、幾らなんでも)
おかしい、そう思った。
「何よこれ、どうなっているの!? あたし、たちの悪い夢でも見ているわけ?」
三人とは違い、向こう側の世界のことなど微塵も知らないほのりは頭を抱え、目や耳から入ってくる意味不明な情報に苦しんでいた。
他の人達も同じである。さくら達でさえこのザマなのだから、当然といえば当然だ。
仮面北条の高笑いが、人々の戸惑う声をかき消し、ほんの一時の間館内はしんと静まり返った。
「珍しい観客達もいるようだ。君達、誇るがいい。『向こう』の世界の住人達を前に劇が出来ることを!」
振り返り、震えて逃げ出すことも出来ない部員達にそう告げた。いいぞ、いいぞという妖達の嬉しそうな声。
「冗談じゃない、こんなところ、一刻も早く出て行ってやる!」
「そうだ、早く逃げないと!」
「皆、早くここから出るんだ!」
次々と起きた非現実的な出来事に動きを封じられていた人々も、ようやく『逃げる』という選択肢を選ぶ位の余裕が出てきたようだ。
椅子を蹴飛ばし、倒し、我先にと出口を目指す。
だが、それを黙ってみている仮面北条では無かった。
「逃がさないよ? ほらほら、皆、席に戻って?」
求めるように、抱きしめるように、突き出された両腕。歌うように、小さな子供に話しかけるように、彼は言った。けれどその声に滲み出ているのは優しさではなく、狂気だった。
「あいつ、何かする気だ!」
しかしそれが分かったからといって何か出来るわけでは無い。
彼女が叫んだ直度のことだ。仮面北条の周囲に、彼がまとっているものと同じ色をした謎の球体が次々と現れた。
その球体から、無数の黒いつるが飛び出し、それは逃げ惑う人々へと向かっていった。
恐怖のあまり椅子から立ち上がることが出来なかった人がまず、捕まった。
つるは人に巻きつき、身動きをとれなくする。その後、球体と繋がっている部分は千切れた。つるはぐいぐい縮み、千切れた先端はやがて床へと吸い込まれていく。
逃げる人も次々と捕らえられ、座っていた席まで引っ張り戻された。倒されたはずの椅子は仮面北条の力によって戻され、そして捕まった人はそこに座らされる。つるの先端は床に固定された。もうそれ以上伸びることも縮まることも無いだろう。捕まった者は椅子から立ち上がることさえ出来なくなったようで、ぐったりとしている。
その光景を目の当たりにした人々はますますパニック状態に陥り、周りの人を押しやってまで出口を目指す。体育館から出られさえすれば、この悪夢から解放される。そう信じて。
さくら達も同じように体育館後方を目指す。途中つるに捕まりそうになったが、それは柚季によって防がれた。
「こんな気持ち悪いものに襲われてたまるもんですか!」
印を結んだ彼女は手をぶんぶん振り回す。彼女の手に近づいたつるはことごとく消えていった。
紗久羅に近づくつるも同じように消えていく。
「この帽子に、あいつの力が残っているのか……?」
紗久羅はその帽子を脱ぎ、滅茶苦茶に振り回した。彼女が思った通り、出雲が被っていたそれには、彼の力が残っているらしい。柚季にはカバー出来ない部分を彼女が引き受ける。さくらとほのりには何も出来ない。ただ二人の傍にいて、つるが自分達の所へ来ないことを祈るしかない。
「兎に角、ここから逃げないことには……」
言いかけたさくらの耳に、一人の男性の叫び声が聞こえた。
「おい、この扉開かないぞ!」
先頭にいた男性が戸をがたがた揺らしている。だが、びくともしない。
「こっちも開かない!」
「こっちもだ!」
驚くことに、全ての出入り口の戸が開かなくなっていた。鍵がかかっているはずはないのに。
体当たりしても、数人がかりで引っ張っても、びくともしない。
「おい、どうなっているんだ! 開け、開け!」
どん、どんと戸を叩く音が悲鳴や怒号に混じって聞こえる。だが叩いたところでどうなるわけでもない。
この悪夢から逃れることは出来ないのだ。
「これも、あいつの仕業か!?」
「多分……」
「もう何がどうなって、きゃあ!」
さくらの隣にいたほのりが、とうとうつるに捕らえられてしまった。さくらは慌てて手を伸ばすが、わずかに届かず。
「櫛田さん!」
その叫びは果たして彼女の耳に届いただろうか。
つるは次から次へと伸び、逃げ場を失った人々を一人、また一人捕らえていく。
それだけでも十分な悪夢であるというのに。加えて、妖達が調子に乗り始め、席に無理矢理座らされた人で遊び始めた。長い舌で人間の顔をぺろりと舐める者、膝や頭に乗る者、肩を抱き大声で歌い始める者、おぶさる者。
「はは、これは愉快、愉快。我は今とても気分が良いぞ!」
「儂もだ、儂もだ!」
天井近くを、巨大坊主の首や、みこしのお化けが飛び回り。
柚季はその光景をなるべく見ないようにしながら、襲い掛かるつると対峙している。
「これじゃあキリが無い!」
「あの仮面野郎を倒さないことには、どうしようも無いんじゃないか? あの馬鹿狐はさっさと逃げやがったし……こうなったらあたし達が、というか柚季が何とかするしか」
「や、やっぱりそうなるわよね……ってきゃあ、ちょっとこっち来ないでよ! ああもう最悪!」
(日常の場に、非日常的なものが置かれることで、日常と非日常が混ざり合う。祭りは、二つの世界の境界を曖昧にする。……日常と非日常、あちらとこちら、どちらにも属さない世界になる……祭りの場は……。でも今、今この場所は)
体育館は最早、体育館では無くなっていた。『日常』のかけらはどこにも無い。
ここは今、異界へと姿を変えていた。境界も何も無い。ここは異界そのもの。
(天井を覆っているあれが……榎本さんと男子が言い争っていた時、この学校に入り込んできた者なのかしら……)
肌で感じ取れる位の禍々しさ。敦美が抱いた負の感情が、あれをこちらの世界へと招いてしまったのだろうか。
今のさくらに答えを知る術は、無い。
そして気がつけば、三人以外の人間は全員捕らえられてしまった。笑う妖達、泣く人間達。
つるを追い払うのに相当な気力を使っているらしい柚季は、ぜえぜえと息を荒げている。このままでは、仮面北条のもとまでたどり着き、彼を倒す前に力尽きてしまう。
「さあ、後は君達だけだ。君達が席に戻ったら、劇を始める。早く席に戻っておくれよ。僕だってこんな手荒な真似はあまりしたくないんだ」
芝居がかった喋り方。
「絶対、お断り! 紗久羅、もうこうなったらヤケよ! 前につっこんでいって、あいつの所まで行きましょう」
「ああ、行ってやろうぜ。近づかないことには何も出来ないし」
頭に血が上っている二人は完全に戦闘モードだ。
二人が行くと言っている以上、さくらも突っ走るしかない。二人についていかなければ、捕まってしまうからだ。
(それに。気になるもの。あの人は何か知っているかもしれない)
一か、八か。三人は舞台を目指し駆けていくのだった。