祭りの始まり(5)
*
「被服室に、被服部お手製の服が展示されているらしいわよ」
面白そうだから行ってみようと、ほのりがさくらの袖をくいくいつかむ。
着物はともかく、洋服にはそこまで興味は無いのだが、皆がどういうものを作っているのか、気になりはする。行ったからって損はしない。
「そうね、行ってみましょう。けれど何で手芸部と被服部っていう風に分けているのかしら」
「さあ? まあ、どうやらそろそろ統合するって話が出ているらしいけれどね。福ちゃんも被服部だったわね。あの子どんなふりふり衣装作っているのかしら」
被服室は家庭科室の隣にある、部屋。現在授業では使われていない。家庭科室だけでこと足りるからだ。ゆえにこの部屋は被服部(と何故か手芸部)の私物と化しており、隅にある棚にはよく分からない物体が置かれ、ハンガーにはアニメや漫画で出てきそうな服、ふりふりメルヘンな服、背の高い女の人が着たらさぞかし格好いいだろう服がかけてある。こちらは展示品では無いようだ。
「あっちにあるのが、作品らしいわね。ん? ねえ、サク、あそこにいるの井上妹達じゃない?」
ほのりが指差した先にはマネキンがずらりと並んでおり、生徒の作品らしい服を身にまとっていた。その前で生徒数人と、お客さんらしい人達が何か話をしている。よく見てみれば、確かにそこにいたお客さんは紗久羅、柚季、そして出雲であった。
気になってそちらの方へ行ってみる。彼女達と話していたのは福井で、あの出雲の手をぎゅうと握りしめていた。出雲は相当嫌がっている様子。
「貴方素敵、半端なく素敵よ! ああ、興奮してきた。でも貴方洋服は似合わないわね。着物! そう、貴方絶対着物が似合っているわ。色は赤……は無理だし、青とか紺……も少し違う……紫、ああそうだ、藤色! 藤色だわ、貴方は藤色! 髪ももっと長い方がいいわね……目の色は赤、髪は藤色……ああ、良い……人外……仄かに香る獣の匂い……扇もたせて、月の光の下で舞わせたら……ああもう死ぬ! 私死んじゃう!」
出雲のあの、もしもし? という言葉など耳に届いていないようで、福井は自分の妄想を際限なく垂れ流す。紗久羅と柚季もげっそりしている。どうやら出雲の前に彼女の妄想攻撃の餌食となっていたようだ。
「あんたの知り合い、完全に福ちゃんに捕まっているわね。本のこととか、妖怪のこととか語っている時のあんたみたいだわ、今のあの子」
「わ、私あんなに一方的にまくしたてたことなんて」
「無いって言ったら殴り飛ばすからね」
さくらの方を見もせず、淡々と言い放つ。私あそこまですごくない、と本気でそんなことを思いつつ、福井の発言内容に感心もした。
(すごいわ福井さん……色々当たっている。本質を見抜いているというか何というか)
服好きが高じてそんな能力を身につけたのか、そういう能力があるからこそ服が好きになったのか、それとも只の野生の勘なのか。
他の部員が、上気した顔をし、はあはあ言っている福井を無理矢理引き剥がす。今の彼女には「気持ち悪い」という言葉がぴったりであった。
流石の出雲も真っ青になっており、現在棒立ち状態である。
「はっ、私としたことが。素敵なイメージが降りてくるとどうしてもはあはあ、いえ、興奮してしまうのよね。着物と言えば、さっき着物が超似合いそうな女生徒を見たわ。黒髪、正統美少女。赤い着物を着せてあげたかったわ……後、小道具に鬼の面を持たせてあげたかった! 般若の面でもいいかも! ああ、鬼系美少女だったわ……ふふ」
「鬼系美少女って何さ。この学校の生徒って……何年生の?」
ほのりが聞くと、何故か福井は困ったような表情を浮かべる。
「さあ? それがあまり覚えていないのよね。その子の顔も、声も。学校の制服を着ていたのは何となく覚えているのだけれど」
「は? 覚えていないってどういうことよ」
「どういうことと言われても。強烈過ぎる出会いっていうものは、案外すぐ忘れてしまうものなのかもね。二年生で無いことだけは確かだと思う」
そんなものなのかしらねえ、と呟くほのりだった。それから、出雲や紗久羅の方を向く。
「あんた達もこの変態娘のせいで散々な目に合ったようね」
「出雲と一緒に行動しているだけでも疲れるっていうのに……なんか止めを刺された感じだよ」
柚季は紗久羅の背中に隠れ、ぶるぶる震えている。福井による被害は紗久羅よりずっと大きかったらしい。
「紗久羅ちゃん達は、これからどこへ行く予定なの? 私と櫛田さんは体育館へ行こうと思っているのだけれど」
「今のところ予定は無いかな。というかあたし達の意思が行動に一切反映されないというか。化け……出雲があたし達を行きたいところに無理矢理引っ張っているって感じ。体育館では何やっているの?」
「今は軽音部の発表かな。その後、劇があるの。東雲高校演劇部って結構歴史があって、そこそこの評価もされているらしいの。去年も見たのだけれど、なかなか良かったわ」
さくらの話を聞いて、紗久羅と柚季は少し興味を示したようだ。
「へえ、面白そう。あたし達も行こうかな」
と言いながら、主導権を勝手に握っているらしい出雲を睨む。出雲は仕方無いという風に肩をすくめた。
「そろそろ疲れたし。劇を見ている間は座っていられるのだろう?」
体育館内には充分な数の椅子が設置されている。立ち見にはまずならないだろうとさくらが言うと、出雲はそれじゃあ決まりだ、と一言。
こいつの気が変わらないうちにさっさと行こうと紗久羅は出雲の手を引っ張る。
「君から私の手を握ってくれるなんてねえ」
「うるせえ、馬鹿。ほらさっさと行くぞ」
優しさ、丁寧さのかけらも無い乱暴な引っ張り方だ。それでも出雲は嬉しそうであった。
「ねえ、あの二人本当に恋人同士じゃないの?」
ほのりがこっそり耳打ちする。
「多分……」
正直さくらにもはっきりとしたことは言えなかった。何だかんだいって二人は仲が良さそうだったからだ。しかし紗久羅にこんなことを言ったら絶対怒られるだろう。だから、言わない。
一足先に部屋を出て行った紗久羅達をさくらとほのりは追いかける。
展示されていた服を殆ど見ないまま出て行ってしまったという事実に、二人は体育館へ入る直前になるまで気がついていなかった。
「あたし達何しにあそこへ行ったのかしら」
「福井さんの暴走っぷりを見る為……?」
「あそこに飾ってあったどの服よりも、強烈だったわね、福ちゃん。主役の服が霞んじゃう位酷かったわ」
体育館からは、力強い楽器の音が漏れている。そこに混じって微かに聞こえるボーカルの歌声、ややばらばらな手拍子。
体育館入り口に入る直前、さくらの足が止まった。
(そういえば、朝体育館に入った瞬間世界がぐにゃりと揺れて、足元がふらついて……妙な感覚に襲われて。開会式中も頭がぼうっとして……またそうなるのかしら)
躊躇い。だが中に入らなければ劇を見ることは出来ない。
(何か起きても、出雲さんがどうにかしてくれるかも)
意を決して中に入る。
ぐにゃり。足が沈む。床が柔らかいものに変わっているような気がした。脳がホッカイロのように熱を発し、視界が一瞬ぼやける。矢張り、おかしい。
だが朝に比べればまだましではあった。脳内の透明度も開会式の時よりは高い。
耳、頭、腹を直撃する楽器の大きな音のお陰なのか。それとも別の理由があるのか。矢張り分からなかった。
「おお、やってるやってる。結構盛り上がっているじゃん」
隣にいるほのりの声も少し聞き取り辛くなっている。時間が経てば慣れるだろうが。
紗久羅達は中央後方にある椅子に座っていた。三人の隣は空いている。さくらとほのりは遠慮せずそこに座ることにした。
軽音部は先程まで有名なアーティストの楽曲を演奏していたらしい。今度は彼らオリジナルの曲を披露してくれた。
それは高校生らしい、若く瑞々しい歌詞とメロディーの曲……なんて言葉が全く似つかわしくないものであった。
歌詞全てが聞き取れたわけでは無いが、兎に角すごかった。
貴方は絢爛豪華なシャンデリア、眩しすぎて見えない、貴方私の上に落ちてきて、私を愛憎で染めあげるの、貴方の欠片が私の体を引き裂く、痛い痛い、それでも良い……などなど。そんな歌詞がずらずら並んだものであった。
「な、何かすごいわね……」
「この学校の軽音部、演奏もボーカルもそこそこ良いんだけれど、歌詞が何か……ねえ」
聴く者を圧倒する力はもっていた。色々な意味で。
出雲はといえば、全く演奏など聴いている様子が無い。ただ辺りをきょろきょろ見回しては、ほう、とかおう、とかそんな感嘆の声をあげている。
「結構客、いるんだな。こういう発表会ってあまり人が入らないものだと思っていたけれど」
「そうね。去年より……」
多い気がした。去年はもっとがらがらだった気がするのだが。けれどそれをちゃんと確かめようと意識を客席に集中させた途端、頭がぼうっとした。
本当に沢山の人が来ているのか、否か。確認が出来ない。
「無駄だよ、無駄。幾ら頑張っても」
そんなさくらに出雲がそんな言葉を言い放つのであった。さくらには意味が分からなかった。一方紗久羅の方は何かを察したのか、ああ、と一言。それからさくらに何か説明しようとしたのだが。
「ほら、サク。劇が始まるよ」
ほのりの言葉によってそれは中断されたのだった。さくらは紗久羅が何を言おうとしたのか少し気になったが、劇を見るのに集中したかったから、諦めることにした。話なら後で聞けば良いのだ、そう思って。
舞台の照明以外が消え、体育館内は薄暗くなる。
今年の演目は『仮面の男』という、演劇部オリジナルのもの。
物語は一人の男――これを最後に部活を完全に引退するらしい三年生が演じている――を中心に進められていく。
男は仮面(お面)収集家。仕事で貯めたお金の殆どを、仮面を買う為につぎこんでいる。派手なもの、地味なもの、ユーモア溢れるもの、恐ろしいもの、自国で作られたもの、遠く離れた国や島で作られたもの。
舞台を埋め尽くす仮面達。流石にさくら達のいる所からだと、細部のデザインまでは分からない。だが色とりどりの仮面は光を受け宝石の様に輝いており……それがとても魅力的に映った。殆ど見えないのに、その魔力に魅せられ、惹きつけられてしまう。
流れる音楽は妖しい響きのもので、人々を不安にさせていく。けれど聞きたくないとは決して思わない。恐らく演劇部オリジナルの曲では無いとは思う。
ただ、これから起きる出来事を何となく予感させる曲を上手いこと選んだ人のセンスは素晴らしいと思った。
男はただ仮面を集めるだけでは無く、それらを実際につけることにも喜びを感じていた。仮面には一つ一つ名前がつけられているらしい。例えば『薔薇を挿した貴婦人』『道化師』『国一番の色男』『宵闇を彷徨う鬼』等。
仮面をつけると、男の性格は豹変する。その仮面につけられた名前通りの人間に彼はなりきってしまうのだった。
それからしばらくは、男が仮面をつけるとどんな風に変わってしまうのかということがよく分かるシーンが続く。
冒頭からの流れで、彼が非常に地味でぱっとしない性格の人間であることは観客の殆どが把握していた。が、そんな印象を吹き飛ばすような強烈な場面が波のように押し寄せてくるのだった。
貴婦人の仮面をつけた途端、男は左手でドレスの裾をつまみあげるフリをし、右手を口元に添える。声のトーンが気持ち高くなり、口調は見事に女っぽくなる。周りにいた人間達は、驚いた様子で彼のことをまじまじと見つめたり、またかという風に大げさに肩をすくめてみせたり。
今度は色男の仮面。男にしては優雅過ぎ、女にしては凛々しすぎる、そんな何とも言えない歩き方で、舞台を行ったり来たりする。すると彼の姿を見かけた女達がきゃあ、と桃色な悲鳴をあげ、らんらんスキップしながら鴨の子供のように男の後ろをついていく。
振り返った男が「やあ、美しいお嬢さん方。ご機嫌いかがかな」と言うと、女達が一斉に倒れるのだった。その動作があまりにおかしかったものだから、さくらを始め、多くの人が声をあげて笑った。
犬の面をつければ犬となり、四つんばいになってわんわん言いながらそこら中を走り回り、道化者の面を被れば杖を振り回しつつ、ヘンテコな歩き方をし、翁の面を被れば腰の曲がった老人になり。他にも幽霊、踊り子などなど。
そこの場面はやや長く、途中から少しだれた印象はある。なるべく多くの『顔』を見せたかったのだろうが、あまりやり過ぎても良くないとさくらは正直思った。だが、充分楽しむことは出来た。
最初の内、男は一週間に一、二度位しか仮面をつけることは無かった。時々つけては、嫌いな自分を忘れ、仮面の名に合った「キャラ」を演じる。それが彼のストレス発散法だったようだ。
しかし、仮面をつける頻度は段々と高くなっていく。彼は自分という存在を嫌っていた。どれだけ嫌っているか。そしてどれだけ仮面の魔力に頼っているか。それは彼の台詞がよく表していた。
「私は、私を忘れたい。忘れない限り、私は幸せになれないのだ! 嗚呼、仮面、お前は私の血肉、すなわち、私自身なのだ!」
やがて男は仮面を外さなくなった。いつも、仮面をするようになった。
日によって替わる仮面。それと共に変わる彼の人格。
「もう仮初の顔に頼るのはやめて頂戴。貴方は貴方のまま、生きて」
男の幼馴染役である、同じく高校三年の女子が叫ぶ。だが男は聞く耳を持たなかった。彼女と幼馴染である『男』は今そこにはいない。今の彼は『音楽家』であった。
話が進むうち、本来彼はどういう人間であったのかさくら達は思い出せなくなってきていた。男の人物像はぼやけ、霞み、消えていっている。
それは男も同じであった。男もまた、本来の彼を見失っていた。
そして。
「ああ、何ということだ! ああ、ああ!」
突如出てきた鏡。男は久しぶりに仮面を外し、鏡で自分の顔を見る。ところが男は鏡を見た途端、大声で叫び、崩れ落ちた。
「無い、無い! 顔が無い!」
どうやら男は『顔』を無くしたようだった。本当にそうなってしまったのか、男にだけそう見えているのか、その辺りは観客の解釈に任せるようだ。さくらは後者だと思っている。
男の声から滲み出る、恐怖とあせり、戸惑い。この男子生徒は本当に上手いなとさくらは素直にすごいと思った。
「どこだ、どこへ行ったのだ、私の、私の顔! 今この手に持っている仮面こそが私の顔なのか、別の仮面が私の顔なのか、それともここにある仮面全て、私の顔などではないというのか!」
仮面に頼り、本当の自分を無くした男。
男は暴れ、叫ぶ。
「顔が無い、顔が無い、顔が、何も、何も、無い!」
照明がやや暗くなり、また、色が赤くなっていく。段々盛り上がっていく音楽、音も大きくなっていく。
男がある仮面をつけた。途端、音楽がぴたりと止み、体育館内はしいんと静まりかえる。
静寂を破った最初の音。それは男の笑い声であった。或いは悲鳴か、怒りの叫びか。
「そうだ、誰かが私の顔を盗んだのだ! 盗まれたものは取り返さなければいけない! 殺してでも、取り返さなければ!」
男がつけた仮面。それは『殺人鬼』の仮面であった。かつてある国を騒がせた殺人鬼の顔を真似て作られたもので、男はこれをつけるのだけはためらっていた……そんなくだりが冒頭近くにあったことをさくらは思い出す。
そして男は『殺人鬼』となった。照明に照らされた刃物が銀色に輝いている。
最初はへっぴり腰で、少し躊躇いつつ人を殺した男。だが何人も殺す内、彼は完璧な殺人鬼に近づいていく。徐々に変化していく様子は、遠くから見ていてもはっきりと分かった。
くるくる回りながら倒れこむ沢山の人、不吉なものに見える照明、腹を抉るようなメロディーのBGM。恐ろしい場面であったが、否応無く二つの目は舞台に吸い寄せられ、目を離すことが出来なかった。
そして、男は一人の女を刃物で切り裂いた。他の人達と同じように倒れる女。
女を見下ろし、顔、顔、と言いながら彼女にぺたぺた触る男。すると男は突然悲鳴をあげた。
(あれは、あの人は確か。主人公の幼馴染の)
男もそのことに気づいたらしい。
「私は、本当の、仮面も何もつけていない、ありのままの貴方のことを、愛していました」
それが女の最後の言葉だった。
男は仮面を外し、泣き崩れた。
「そこにはもう殺人鬼の姿は無かった。男はあまりにも大きすぎる代償を支払った末に、ようやく自分の顔を取り戻すことが出来たのであった。その後男がどうなったのか。それは、誰も知らない」
聞き取りやすい良い声のナレーションで、物語は幕を下ろした。
腹に重いものを溜め込みながら、皆大きな拍手をする。
(今年も素敵な劇だったわ。頭が少しぼうっとしているお陰で、現実と非現実の境界がより曖昧になって……非現実的な……作られた物語が自然と頭に入っていって……去年より数段楽しめた気がする)
「今年のは暗い話だったけれど、面白かったね」
「ええ、楽しかった。身に来て良かったわ」
もう少ししたら、再び幕があがるだろう。そして舞台を埋め尽くす演劇部部員達に改めて大きな拍手が送られるに違いない。
*
劇で使われた殺人鬼の面。それは今、主役の男を演じた生徒の手にあった。
彼、そして他の部員達はカーテンコールに向けて着々と準備を進めている。
「北条君、今日の演技最高だったよ。本物の殺人鬼になっちゃったかと思った」
「うん。自分で言うのもなんだけれど、最高の演技が出来たと思う」
でも、と主役――北条の顔が少し曇り、仮面を握る手に力が入る。
「もうこれで、終わりなんだな……」
この高校でやる劇はこれで終わり。コンクール等に出ることももう無い。
それを思うと矢張り悲しかった。興奮が冷めればその気持ちはもっと強くなるかもしれないと思う。
「ずっとやっていたいよ、劇を。ここで、ずっと」
言葉以上に強い思い。その思いが全身を伝い、そして手を通じて仮面へと……。
彼も、他の部員も気がついていない。
仮面が黒に近い紫色の炎に焼かれていることに。
さくらや紗久羅を始めとした観客達は気がついていない。
天井で泳いでいた無数の塵が小さな音を立て、はじけ、禍々しい色をした何かを放出していることに。
体育館、前方右側に一人の男が座っている。男は天井で起きている異変に気がつき、はあ、とため息をついた。
「ああ、弾けちゃった。……暴れるだろうなあ。勿体無い。……とりあえず、外のものにまで影響が及ばないようにしないと」
何かを残念がっている風な言い方。そのくせ、笑っている。楽しそうに。
「さて。何が起きるかな」