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桜町幻想奇譚  作者: 里芽
鏡女
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鏡女(2)

 紗久羅はそれを聞いて驚いた。夏休み最後の日に起きたようなことが、また起きたなんて。

 二人は騒いでいる女子達から少し離れる。柚季がかぼそい声でことの経緯を話し始めた。


「トイレに行って、手を洗おうとしたの。でも丁度洗面台が埋まっていて……それで私順番を待っていたの。そしたら私の前で髪をいじっていた子が悲鳴をあげて倒れちゃったのよ。まるで怖いものでも見たかのような声だった」


「あれ、そういえば喫茶店で倒れた人も悲鳴をあげてから倒れたんだっけ」

 柚季がこくりと頷く。何かおかしいような気がする、と言葉を続けた。


「皆も驚いていた。虫とかが壁や鏡を這っていたわけでもないし……」

 

 間もなく教師がやってきて、倒れた女子生徒を保健室へと運んでいった。ちらりとその姿を見る。顔色が悪く、ぐったりしているのが良く分かる。

 友人達や、丁度その場に居合わせた人達は心配しながらも教室へと戻っていく。


 その倒れた少女だが、保健室に運ばれてすぐ目を覚ましたらしく、最後の授業が終わった後、教室に戻ってきたようだ。どうやら軽い貧血だったらしく、しばらく休んだらすっかり元気になったらしい。

 それを聞いて、柚季も紗久羅もほっと胸を撫で下ろす。しかしその一方で、何故彼女が悲鳴をあげたのかが気になり、思わず彼女のクラスを訪ね、何気なく聞いてみた。彼女は申し訳無さそうに首を振った。


「ごめんね、驚かせちゃって。でもよく覚えていないんだよね。何かものすごく怖いものを見た気がするんだけれど。暑さで頭がぼうっとしていて幻覚を見ちゃっていたのかも」


 二人は放課後、今度はあの三つ葉市にある喫茶店を訪ねた。そこで以前柚季の前で倒れた女性に会い、出来るだけさり気なく聞いてみた。しかし回答は先程の女子生徒と同じものだった。

 あまり覚えていない、と。二人は改めて彼女に礼を言われ、照れつつも店を出た。

 喫茶店の店員さんも、女子生徒も自分が何故悲鳴をあげたのか覚えていない。

 二人はどうして倒れる前に悲鳴をあげたのか。


「でも気味が悪いわ。私の目の前で、二人の人が悲鳴をあげて倒れるなんて……。しかも短い期間中に――洗面台の前で倒れたっていうのも共通しているし……こんな偶然、あるかな?」


「き、きっと偶然だよ。あんまり気にするなって」


「そうだよね。いやだな、私ったら。一瞬自分が気づかないうちに何かしちゃったのかなとか変なこと考えちゃってさ。馬鹿だよね、そんなただ近くに居るだけで誰かを貧血にさせることなんて、只の人間に出来るわけがないのにさ」

 柚季は困ったように笑い、頬をかいた。その手には未だ絆創膏がついている。


「あれ、まだその絆創膏取れてないの?」


「あ、うん。何か傷がまだしっかり塞がっていなくて。別に外してもいいんだけれどね。……ああそれにしても今日はびっくりした。もうこんなこと、起きないよね……?」


「大丈夫だよ。こんなこと滅多に起きないって」

 そうだよね、と笑って彼女は紗久羅に別れを告げた。また明日と手を振る紗久羅に、柚季も手を振り返す。


 桜町のある方へ歩く紗久羅の後姿を、柚季はじっと見つめていた。その顔に先程までの笑顔は、無い。

 人から温もりを根こそぎ奪うような、冷たい瞳を彼女に向け、やがて口元を綻ばせて、再び笑う。しかしそれは先程までの可憐な笑みではなく、人を馬鹿にしたような――何かが上手くいったことを喜んでいるような――そんな笑みだった。


 そしてしばらくすると両手を上げて伸びをして、自分の家へと帰っていった。


 まだ、まだ足りない。これでは腹の足しにもならぬ。力も大して戻ってはいない。全てを奪われ、傷ついたこの体を完全に癒すには程遠い。

 だがある程度力が戻れば……。


 一人の二年女子生徒が、特別教室が並ぶ棟と、教室等が集まる棟を繋ぐ廊下にあるトイレに行っていた。

 用を済ませ、洗面台で手を洗う。ふと見ると洗面台の上にピンクのくしが置いてあった。誰かが忘れていったのだろう。

 それを手に取るとトイレ入り口のドアが開き、一人の生徒が入ってきた。ネクタイの色を見る限りでは、一年生のようだ。セミロングの髪に、赤いカチューシャの可愛らしい女の子だった。


「あ、すみません。それ私のです。置き忘れちゃったみたいで」

 恥ずかしそうに笑いながら、少女が近づいてくる。


「そうだったの。どうぞ」

 くしを差し出すと、少女は礼を言ってそれを受け取った。


 くしから手を離した二年女子生徒は、何故か鏡から視線を感じ、どきりとした。その視線は痛い位強いものだったから、思わず彼女は鏡に目を向ける。

 そして、そこに映っている光景を見て呆然とした。


「え?」

 くしを渡した相手――一年女子の姿が、鏡に映っていなかった。代わりに――丁度彼女が居る辺りに……一人の女が立っていた。

 大人の女性で、黒く艶やかな髪を綺麗に切りそろえている。頭には金の飾りがついていて、光り輝いている。赤く、妖しく潤む唇。

 萌黄色、躑躅色、瑠璃色の着物を重ね、更にその上から紫紺色の着物を羽織っている。どう見ても現代人の服装ではない。いや、そもそも人間なのかどうかも分からない。


 心臓をぎゅっと強く握りしめられたような感覚に陥り、頭の中が真っ白になり、唇が震えるのを感じる。


 女はゆっくりと歩き、女子生徒と向かい合わせになった。女子生徒の姿は、その女によってかき消される。

 鏡に映る女。けれどその女は現実の世界には存在しない。女子生徒の前にあるのは洗面台と、鏡だけ。女の姿はどこにも無い。それなのに、鏡の向こうに女は、居た。鏡の中でのみ、存在している。


 水に濡れた石のように、黒く冷たい瞳。歪む唇。

 女が両手を前に突き出す。雪を思わせる手は鏡を突き抜けた。今にも消えて無くなりそうな儚く、透き通ったそれはどんどん近づいていく。


 そして、女子生徒の頬に、手が、触れて……。


「いやあああ!」

 悲鳴をあげたところで、その手から逃れることは出来ない。少女は自分の頬が凍りつくのを感じ、同時に体から力が抜けるのを感じた。


 少女は壊れたマリオネットのように、がたっと崩れ落ちる。

 倒れたまま動かない彼女を、くしの持ち主である一年女子……及川柚季が静かに見つめていた。やがて彼女の口から漏れるくすくすという笑い声。


 倒れた少女を見つめるその瞳と、浮かべている歪な笑みは鏡に映った女のそれによく似ていた――。


 一年女子生徒が倒れた次の日のことだった。


「え、また!?」


「そう。またなの。……今度は、二年生の先輩」

 うんざりしたような表情を浮かべながら、柚季はため息をつく。それを聞いて紗久羅は驚き、声をあげ、うるさいと先生に叱られた。

 今は家庭科の授業で、家庭科室で針及び糸、布と格闘している最中。

 

「状況とかもまるっきり一緒だし。何かやっぱりおかしい、よね」

 紗久羅も流石に「偶然だよそんなの!」とは言えなかった。お手洗いの洗面台前で三人もの人間が、悲鳴をあげて倒れた。しかも柚季の目の前で、こんな立て続けに。


(偶然にしてはちょっとおかしいような……。何か悲鳴をあげて倒れたっていうのが気になるんだよなあ。やっぱり『向こう側の世界』の奴等が関係しているのか? ううん、分からないな)

 お化けか何かに憑かれているのかもしれない、何か最近変わったことをやったとか、そういうことは無い?……と聞きたいところだが、普通の人にそんなことを言えば、間違いなく「何言っているの?」とドン引きされることだろう。紗久羅だってつい最近まではそんなものが実在しているなんて、信じてなどいなかった。

 そんなことを色々考えながら、余所見をしていたせいで指に針を突き刺してしまい、顔をしかめる。


「いてっ」


「だ、大丈夫井上さん」


「大丈夫、大丈夫。あはは」

 そう言って笑いながら適当にやっていたら、また針で指を刺した。料理は得意だが、裁縫は滅法苦手だった。


「でも、やっぱりおかしいよね。それとも考えすぎ? けれど……」

 そう言う彼女は、神妙な面持ちで未だ絆創膏が取れていない自分の指をじっと見つめる。何か考え込んでいるようだ。

 あのいつになっても取れない絆創膏も何となく気になる、と紗久羅は思った。絆創膏を巻くだけ程度の怪我なら、もうとっくに治っているはずなのだが。まだ時々痛むのだというその指は、一体どこでどういう風に怪我したのだろう。

 作業を止め、指を見つめたまま人形のように動かない柚季。


「どうしたの、及川さん」

 呼びかけると柚季ははっとしたような表情を浮かべ、そして苦笑いしながら首を横に振る。


「ううん、何でもないの。ちょっとぼうっとしていただけよ、気にしないで」

 だが紗久羅は彼女の浮かべている表情を見て、彼女には何か心当たりがあるのではないか、と思った。しかししつこく聞いてもしょうがないと思い、そのまま糸、針、布と格闘を再開する。


 そして授業が終わり、掃除とHRを経て下校の時間となった。下校の時間といっても多くの人はこれから部活だ。紗久羅は帰宅部なので、一足先に帰ることが出来る。家に帰った後は、いつも通り店番をする予定だ。

 学校近くのバス停でバスに乗り、桜町へ向かう。紗久羅の前に、同じく帰宅部の奈都貴が座っていた。


 バスから降り、前を歩いていた奈都貴の肩を思いっきり叩く。奈都貴は「うわっ」と叫び、振り返って紗久羅をぎろっと睨みつけた。


「痛いな、何するんだよ! 乱暴な奴だな……お前本当に女か?」


「一応そうだけど。ふふ、何なら確かめてみる?」

 にやにや笑う紗久羅に、冗談じゃない!と返し、奈都貴は早足でさっさと歩いていった。それを紗久羅は追いかける。


「何だよ、俺に何か用か?」


「別に。一人で寂しそうだったから、あたしがついていてやろうと思って」


「うるさい、余計なお世話だ」

 出雲相手だと一方的に弄られまくる彼女だが、奈都貴相手だと常に優位に立つことが出来る。どうも奈都貴は女の子に弱いらしい。

 紗久羅は何となく今回の不思議な出来事について、話をした。


「及川さん、びっくりしていたよ。そりゃそうだよな。三回も同じようなことが続いたんだから。でも不思議というか妙な話だよな。こんなことってあるものなのかな。大体悲鳴あげてから貧血で倒れるって……別に虫とかが居たわけでもなかったらしいんだけれど」

 奈都貴はちらっと紗久羅を見、すぐ視線を逸らす。


「世の中なんて、不思議なことだらけだよ。……誰も気がつかないだけで」


「え?」

 小さく低い声で、思ってもいなかった言葉を紡いだ奈都貴を見て、紗久羅は目をぱちくりさせた。

 いきなり何を言い出すのだろうと思うのと同時に、出雲のことや「向こう側の世界」のことを思い浮かべて、どきりとする。


 奈都貴が、突然歩みをやめる。


「なあ、井上」


「何?」

 紗久羅は振り返り、そして再びどきりとした。真剣な顔、真っ直ぐな瞳。


「お前は、知っているのか」


「はあ? 何をだよ」


「俺は……」

 奈都貴は何かを言いかけ、静かに目を瞑り、首を横に振った。


「何でもない。――それじゃあ、また明日」

 そう言って、紗久羅を追い抜き、足早に去っていった。

 残された紗久羅は訳が分からず、ただ呆然と立ち尽くす。


 結局奈都貴は何を言いたかったのか。頭の中でぐるぐると考えながら家へと向かうが、答えは出てこなかった。


「何だよあれは、意味が分からん!」

 二階にある家に行き、自分の部屋に入ると、乱暴にカバンを床に叩きつける。制服を脱ぎ、私服に着替え、一階にある弁当屋へ足を運ぶ。

 ショーケース前にある椅子に座り、お客さんが来るのを待つ。この時間になると、弁当よりは一緒に売っている惣菜の方が多く買われる。冷房など無いそこは当然のことながら、暑い。


 そんな暑い空間を一気に冷ますのは、毎日のようにこの弁当屋を訪れる出雲の存在だった。いつものようにいつの間にか店の前に立っていた彼の姿を見るだけで、全身に流れる血が凍りつきそうになる。


「やあ、紗久羅。今日も暑いね」

 という彼の顔はとても涼しげだ。いや、涼しげ通り越して、冷たい。いつもそうだった。


「さっさと買って、さっさと失せろ。……と言いたいところなんだけれど、なんかさあ……ちょっと気になることがあってさ」

 出雲が首を傾げる。いつもとはやや違う反応に戸惑っているようだった。

 紗久羅は柚季のこと、彼女が三回も遭遇してしまったことについて話をする。


「……ふうん。それで君は、もしかしたら私達世界の住人が関わっているのではないか……と思っている、と」


「考えすぎなのかもしれないけれど。でも何か変だなって思って」


「確かに、妙な話ではあるね。――しかし流石にそれだけの話じゃ何とも言えないねえ。仮にこちらの世界の住人が関係しているとすれば、その及川柚季という娘との間に何かがあったのかねえ」


「及川さんが何かに憑かれている、とか?」


「さあ、そこまでは……。その柚季という娘と直接会うことが出来れば、何か分かるかもしれないけれど。まあそんなことより、いなり寿司をおくれよ。その為にここへ来たのだから」

 こいつに相談したのが間違いだったと思い、ため息をつきつつ、紗久羅はいつものように乱暴にいなり寿司の入ったパックを突き出し、お金を貰う。

 結局話したところで何の解決にもならず、出雲は満足した表情を浮かべながらさっさと帰っていった。


 一人の男が、夜道を歩いていた。月光、家から漏れる灯り、電灯以外に灯りは無い。その中を歩くのは慣れている。しかしその日は何故だか知らないが、妙な胸騒ぎがした。気温は夜でもうんざりするほど高い。それなのに、背筋が何だか冷たい。


 誰かが後ろに居る。男はそう思った。

 別に人が居ることはそんなにおかしくは無い。男は後ろを振り返ろうとしたが、怖くて出来なかった。何故か自分の後ろにいるのは、人では無いものなのではないか……などと妙なことを考え、苦笑いする。そんなわけが無い。しかしそう考えずにはいられない――その位気味の悪い気配がしている。


 こつ、こつ、こつ、と後ろから足音が聞こえる。その度に男の心臓はどくどくという音と共に揺れた。

 仕事のせいで疲れているのだろうか、ああそうだ、きっとそうに違いないと自分に言い聞かせる。


 いつもとは違って気味悪く見える月が、男の進む先にある十字路を照らしている。


 くすくす……。

 背後から少女の笑い声が聞こえ、男はぎくりとする。頭が痺れてしまう位冷たい声だった。男はごくりと唾を飲み込み、後ろを振り返る。

 男の後ろを歩いていた少女が立ち止まる。


 黒髪は闇に溶け、頭につけたカチューシャと白いワンピースがうっすらと見える。年頃は男の娘と同じ、16歳位と思われた。少女は微笑んでいる。

 子供がうろつくにはやや遅い時間だ。しかし見た目夜遊びをするような女の子には見えない。

 可愛らしくはあるのだが、子供っぽい子供にどうも見えない。何だか妙に大人びていて――そしてとても、冷たい。


 少し気味が悪いとは思ったが、居たのが化け物などではなく女の子であったことにほっとして、進行方向へと再び顔を向ける。

 道の先にあるカーブミラー。月に照らされたそれは、妙に明るかった。


 その鏡を見て、男は固まった。

 カーブミラーに見知らぬ女の顔が大きく映し出されていたのだ。大人の女性で、平安時代の女性のような髪型、幾重にも重ねられた着物、真っ赤な唇。


 その女が、鏡から抜け出てきた。頭、手、胴。その胴は蛇のように長く、鏡と繋がっている。


「男の生気はあまり美味くは無いのだが……贅沢は言えぬ、ふふ」


 細い指に頬を撫でられた男が唯一出来たこと、それは。


「うわあああああ!」


 大きな声で叫ぶことだった。

 頭の中が空っぽになり、力がふっと抜け、男の意識は底へと沈んでいった。


 男が倒れた今、カーブミラーに女の姿は無い。そして男の後ろに居た少女もすぐにその場を立ち去った。

 不気味な月の光に照らされ倒れる男。その顔は酷く白かった。


「ええ、お父さんが倒れたの!?」

 紗久羅が教室に入った時、女子生徒のそんな声が聞こえた。

 クラスメイトの梨奈がこくりと頷く。紗久羅とも割と親しい子だ。何だか気になって、彼女の所まで行ってみる。


「何、どうかしたの」


「あ、さくらん。いや昨日の夜父さんが倒れちゃって。……でも、別に病気とかそういうわけじゃなくて、大したことはなかったんだけれど」

 でもさあ、と頬杖をつきながら話を続ける。


「何か父さん、大きな叫び声をあげていたみたいなんだよね。それを聞いたその近くの家の人が声のした方に行ってみたら父さんが倒れていた、と。誰かに襲われたってわけでも無いらしいんだけれど……よく覚えていないけれど、変な幻覚を見て怖くなって叫んだとかなんとか。まあ叫び声をあげたお陰ですぐ見つけてもらえたんだけど」

 叫んでから倒れた……という言葉を聞き、紗久羅は柚季のことを思い出した。場所はトイレと道路で全然違うが。まあ単なる偶然だろう。


「あまりにびっくりしたものだから、今日殆ど眠れなかった……ああ眠い」

 梨奈はそう言うと机に突っ伏して、眠りだした。紗久羅と、他の友人は顔を見合わせた。

 梨奈の後ろには柚季が座っている。紗久羅は何気なく彼女を見る。柚季の表情には何故か元気が無く、俯いていた。


「どうしたの、及川さん。具合でも悪いの?」

 ううん、別にと答えるその声も力なきもので、酷く小さい。そしてまた、絆創膏の巻かれた指を見つめる。

どうしたんだろうと紗久羅は首を傾げる。


 その後は多少元気を取り戻したようだったが、矢張りどこか様子がおかしかった。


(及川さんは何かを隠しているのだろうか。そうだとして、一体何を隠しているんだろう……)

 紗久羅は気になって仕方が無かった。


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