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桜町幻想奇譚  作者: 里芽
桜村奇譚集4
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番外編6:桜村奇譚集4

桜村奇譚集4


『キキョウ迎え』

 桜村及び周辺の地域では、家族の帰郷を迎える時、家の戸に桔梗の花を模したものを飾る。桔梗の花の季節では無くても。紙で作ったもの、布で作ったもの、材質は何でも良い。

 恐らく家族が無事に「帰郷」出来ることを祈る為、家族が帰ってきたことを祝福する為等の意味合いで飾るのだろう。

 このしきたりのことを「キキョウ迎え」と呼ぶ。


 こんな話がある。

 とある幼馴染同士の男女が居た。二人は昔から仲がよく、ごく自然の流れで結婚し、仲むつまじく暮らしていた。しかしある日夫は出稼ぎの為に遠くへ行った。妻は夫の帰りを待った。

 しかしなかなか夫は帰ってこなかった。妻は夫を待っている間に重い病にかかり、彼の姿を見る事が出来ないまま、息を引き取った。


 夫が帰ってきたのはそれから一月程経った時のことだった。

 家に妻の姿は無かった。しかし玄関の前に美しい一輪の桔梗の花が咲いていた。その後すぐ、夫は妻の死を知った。

 桔梗の花。それは恐らく、死んだ妻の魂が変じたものだったのだろう。

 死してなお、彼女は夫の帰りを待ち続けた。そして彼の帰郷を優しく迎え入れたのだろう。自らの魂を桔梗の花に変えて。


 「キキョウ迎え」はこの夫婦の物語がきっかけで始まったといわれている。


『歩き草履』

 歩き草履は、暗い場所に現われるという。見た目はただの草履なのだが、それがひとりでに歩き出すのだ。まるで見えない誰かが草履を履き、歩いているかのように。

 誰かの後をつけ、ひたひたと歩く。つけられている人が歩くのをやめれば、歩き草履も止まり、歩き出せばそれに続く。その草履は月の様に輝いており、どれだけ暗い場所に居てもはっきりと見える。

 特別悪いことをするわけではないが、非常に気味が悪い。


『納豆かぶし』

 歩いている者、寝ている者等に、大量の納豆を被せる妖が居るという。被害にあった者は当然体中納豆だらけになる。ねばねばした納豆を綺麗さっぱり取り除くのはなかなか大変な作業だ。しっかり取り去ったとしても、とてつも無い臭いが残ってしまう。

 納豆かぶしは、納豆を取るのに四苦八苦したり、強烈な臭いに苦しんだりしている人達を遠くから見ては、大笑いするのだという。


『妖になった娘』

 睡蓮咲く美しい池に、一人の少女が誤って落ちてしまった。娘の姿は跡形も無く消え、遺体も見つからなかった。

 それから十数年後一人の男がその池を訪れた時、一人の女が水浴びをしているのを目撃した。女の手や足には鱗がついていた。恐らく人では無いのだろう。

 しかしあまりに美しい女だったから、思わず見惚れ、彼女が水浴びをしている姿をじっと眺めていた。


しばらくすると女の方が男に気づき、甲高い声を上げた。裸を見られたことに相当腹を立てたのか、不思議な力で男を捕まえた。鬼のような形相で男を睨みつける。


「汚らわしい目で私を見たな、よくも辱めてくれたな。許さない、殺してくれる」

 男は見るつもりは無かった、許してくれと泣きながら懇願した。

 女は許さないと繰り返し言い続けていたが、何かに気づいたのかはっとしたような表情を浮かべ、しばらく固まった。

 男に、顔をあげるように言った。男は大人しく顔をあげる。女は彼の顔を凝視し、悲鳴をあげた。


「お前、お前まさか……久助?」

 男は自分の名前を言い当てられ、目を丸くした。久助がゆっくり頷くと、女が急に涙をぼろぼろ流して泣き始めた。


「そうか、お前、久助だったのか。そうか、そうか――。私はあやだ。お前の姉だよ」

 久助は目を丸くした。彼が幼い頃、この池に落ちて行方不明になった姉。


「私はこの池に落ちた。そしてこの池の主に拾われたのだ。私はその人の血を飲み、人では無い存在となった。成長した後、その人の妻となり、この池の中で暮らし続けていたの」

 あやは泣きながら久助に抱きついた。久助も大好きだった姉に抱きつき、泣いた。


「出来れば村に帰りたい。皆に会いたい。けれど駄目なの。もう姉様は人では無いし、この池から離れて生きることは出来ないの。いいかい、久助。ここで私に会ったことは誰にも話さないでおくれ。こんな姿、誰にも見られたくないから。後生だから、お願いよ」

 久助は姉を村に連れ戻したかったし、皆に彼女が生きていることを告げたかった。しかしあやがあまりに必死になって頼み込むので、しまいにその願いを聞き入れ、頷いた。

 あやはそれを聞くと満足そうに微笑み、弟に手を振りながら、静かに池の中へと消えていった。久助は池の中を覗き込んだが、もう彼女の姿はどこにも無かった。


 久助は死ぬ間際まで、このことを誰にも話さなかったという。しかし息を引き取る直前に、子供に話し、自分が死んだ旨を書いた文を池に沈めて欲しいと頼んだという。

 子供は文を書き、その池に浮かべた。不思議なことにその文はしっかりと形を保ったまま、重りでもついているかのように静かに池の底へと沈んでいったという。


『井戸の妖』

 井戸に落とした釣瓶を上げる時、いつもよりも重いと思ったら、迷わず手を離し、釣瓶を落とさねばならない。

 もしそのまま上げた場合、釣瓶に入っている妖に首を絞められ、殺されてしまうだろう。


『月が欲しい』

 現在の三つ葉市があった辺りに一つの村があった。そこの村長の娘は綺麗な物が大好きで、石や髪飾り、着物等自分が綺麗だと思った物を拾ってきたり、父にねだって買ってもらったり、時に半ば強引に人から奪ったりして集めていた。

 そんな娘は、ある日空に浮かぶ月が欲しくなった。

 娘は父に月が欲しいと我侭を言い始めた。しかし月を取ることなど出来るはずが無い。

 父はそんなことは無理だと言ったが、娘は聞かなかった。

 月が欲しくて仕方なかった。


 ある日娘は月に少しでも近づこうと、家の近くにあった大きな木によじのぼった。空に浮かぶ月に手を伸ばす。

 月が欲しい、月が欲しい。娘は月にとり憑かれていた。


 短い手を伸ばす。しかし月には届かない。

 やがて娘は体勢を崩し、木から落ちた。可哀想に、打ち所が悪かったのか娘は死んでしまった。


 娘の亡骸は月に照らされて美しく輝いていたという。


『どの色がお好き?』

 青い髪飾りをつけ、緑色の着物を着、紅を差した女と出会ったら要注意。


 女に「青と緑と赤、どの色が好き?」と聞かれても絶対に答えてはいけない。

 答えれば女に攫われる。


 青と答えれば海まで連れて行かれ、高い所から海へ落とされる。

 緑と答えれば樹海に連れて行かれ、木の枝に串刺しにされる。

 赤と答えれば火山へ連れて行かれ、どぼんと火山の中に落とされる。


 女の魔の手から逃れる為には、質問に答えず、一言も喋らず、彼女が諦めるまで黙っていなければならない。

 女はあの手この手で質問に答えさせようとするだろうが、我慢しなくてはいけない。死にたくないのなら、黙るしかない。


『金を盗む猫』

 金を盗む猫が居るらしい。猫に小判というが……何事にも例外というものがあるようだ。


『月の鏡』

 かつて桜村には「月の鏡」と呼ばれる物があったという。

 月のごとく輝く美しいその鏡は魔を浄化する力があった。月の光を浴びせた後、穢れてしまった土地や物、或いは人にその鏡を向けると、吸収した月の光が穢れたそれを包み込み、浄化するのだという。

 村を守る巫女が、自分の力では浄化しきれないものに対して使っていたらしい。

 ちなみに新月の際には一切力を発揮せず、何の変哲も無いただの鏡になるという。反対に満月なら、鏡は最大限の力を発揮する。

 その鏡はもう無い。巫女の桜と出雲が激しく争った際壊れてしまったのだと言われている。


『雪っ子』

 村に雪が降る頃にだけ、姿を見せる妖がいる。白い髪、白い肌、白い着物の女の子。悪いことは一切せず、子供達と楽しそうに遊び、雪が解ける頃に姿を消すという。彼女は喋らないが、何故か子供達には彼女の声が聞こえるらしい。


『物は使いなさい』

 長く大切に使っている物にはいずれ魂が宿る、という話を聞く。

 しかしどうも使われることも、誰かの目に触れられることもなく長い間放置され続けた物にも魂が宿るらしいのだ。百年経たずとも、数年から数十年でその身に宿すなどといわれている。


 その魂が宿った物は人の形をとり、夜毎自分の所有者である人間の枕元に立ち、恨み言を並べ続けるのだという。

 それでも所有者が何もしないと、今度は祟り始める。酷いものは最終的に妖と化し、所有者を殺す。所有者だけではあきたらず、子孫にまで害を成そうとする。そうすると完全に理性を失い、当初の目的も忘れてただ人に仇を成すだけの存在となるという。


 現舞花市の辺りにあった村に、一人の男が居た。お金持ちであったその男は遠くの町へ出かけた際、美しい茶碗を見つけ、それを買った。

 買うまでは、何と素晴らしい茶碗だろうかと感動していたが、しばらくすると興奮も冷め、使うことも鑑賞することも、人に譲ることも無く家に放置し続けていた。


 それから長い時が経ったある日の夜のことだ。男は枕元に人の気配を感じ、目を開けた。

 すると自分を一人の見知らぬ女が覗き込んでいた。白い着物を着たその女はとても美しかったが、酷く悲しそうな、恨めしそうな表情を浮かべている。

 男は叫ぼうとしたが、不思議と声が出なかった。


「何故私をあんなに暗い所に放置するのです。私は一人の職人の手によって、この世に生まれてきました。大切に使ってもらいたい、愛でてもらいたいという思いを込められて。それなのに貴方ときたら、買ってくれた時はあんなに喜んでいたのに、家に帰ってきた途端私のことなどどうでもよくなったかのように、あんな場所に押し込めて。私は悲しいです、苦しいです。私はあんな所に入れられる為に生まれてきたわけではありません」

 と泣きながら言う。


 しかし男には、女が言っている意味が分からなかった。どうみても人間の女なのに、職人によって作られたとはどういうことだと思っただろう。


「自分が買った? 何を言うか、私は人間の女など買ったことは無い」


「何を寝ぼけていらっしゃるのですか。私は人ではありません。ああ酷い、貴方は私のことをすっかり忘れてしまったのですね」

 女はその後もぶつぶつと文句を言い続け、朝が来るのと同時に消えていった。


 そんなことが何日も続く内、ようやく男は女の正体が、自分が買ったまま放置している何かであることに気づいた。しかしそれが何であるかは分からない。

 買ったり集めたりしたはいいが、殆ど使わず蔵や家に保管している物は決して少なくなかったからだ。

 男は女に、お前の正体は何だと聞くのだが、女は答えてくれない。自力で思い出してくれなければ嫌と言うことらしい。


 女の顔は日に日に恐ろしいものになっていき、やがて男の周りで良く無いことが起きはじめた。女が祟っているらしい。

 困った男は、桜村から一人の巫女を招き、相談した。


「物は使われなければ、悲しみや恨みを募らせ、やがて生き物と同じように魂を宿すのです。勿論全てがそうなるというわけでは無いのですが」

 巫女はそう言った後、女の正体である茶碗を不思議な力で探り当てた。


 男はその茶碗を死ぬまで大切に扱った。彼の枕元に女が立つことも、彼女に祟られることも無くなった。

 しかしこのことが余程堪えたのか、男は蔵や家に置いていた多くの物を売ったり、人に譲ったりしたという。


 今でもこの町では「物は買ったからにはちゃんと使わないと、祟られる」と言われている。


『袖破り』

 その妖は、着物の袖を引きちぎり、露になった腕に思いっきり噛みつき、笑いながら逃げていくという。

 噛みつかれるのを防ぐには、袖を引きちぎられたらすぐにもう片方の手で腕をなぞり、素早く「そで、そで、そで」と言えばいいという。

 しかし、袖を破られずにすむ方法については、一切伝わっていない。


『変わり池』

 今は無いが、昔桜村には「変わり池」と呼ばれる不思議な池があったという。

 その池は「生まれ変わりの池」とも言われていた。

 

 池に布で包んだ何か(割れた茶碗でも、抜けた歯でも、着物でも何でも良い)を沈め、しばらく放置する。それを引き上げ、布を広げる。布に包んだ物は、別の何かに姿を変えている。

 茶碗が蜜柑になっていたり、仏像になっていたり。何に変わるかは開けてみるまで分からない。特に法則性等は無いらしい。高価な物を入れれば、立派な物に姿を変えるというわけではない。

 米一粒やその辺で拾った小石が、翡翠や瑠璃に変わることもあれば、小判や高価な着物が髑髏や魚の骨に変わることもある。


 村人達は面白がって、色々な物を池の中に入れたという。この池によって富を得た者も少なからず居たようである。

 しかし村人達が次々と池に物を入れれば入れるほど、池の水位は低くなっていき、やがて池は完全に枯れて跡形もなく無くなったらしい。


『面を被って死ぬ子供達』

 子供が次々と神隠しに合い、数日後遺体となって戻ってくるという事件があった。

 どの遺体も、狐や猫のお面を被って死んでいた。目立った傷は無く、まるで眠るように死んでいたという。


『田んぼを荒らすかかし』

 ある男が、自分の田んぼにかかしを設置した。

 ところがこのかかしを置いた次の日、田んぼの一部が荒らされた。


 男は「役に立たないかかしだ」と言って、かかしを蹴飛ばした。

 するとかかしは腹を立てたのか、突然動き出し、ぴょんぴょん跳ね回って田んぼを荒らし始めた。かかしはすばしっこく、男はかかしをなかなか捕まえることが出来なかった。

 男が泣いて謝ると、かかしはようやく止まったという。しかし田んぼは見るも無残な状態となってしまった。

 以来、男はかかしを見るだけで悲鳴をあげ、ぶるぶる震えるようになったという。


『雨女』

 桜村に一人の女が居た。女は俗に言う「雨女」であり、彼女が外に出ると高確率で雨が降ったという。

 お陰で女が生きている間は、村は雨が降らずに不作になるということは無かったという。時に雨が長い間降っていない場所まで行き、雨を降らしたらしい。


 しかし雨は降りすぎても不味い。

 女は感謝されることもあったが、大抵の場合は迷惑な存在扱いされ、必要以上に外へ出ると冷たい目で見られたらしい。

 結局女は殆ど外へ出ず、家の中で一人静かに過ごしたという。


『豆腐投げ』

 曲がり角を曲がる時は気をつけた方が良い。曲がった途端、豆腐投げに豆腐を顔面めがけて投げつけられる時があるから。


『骸骨に埋もれて死ぬ男』

 村人が、道端で山の様に積まれている骸骨を見つけた。しかもその骸骨達の下に人らしきものが埋まっているのが見える。村人が骸骨を恐る恐るどかすと、骸骨達の下敷きになって一人の男が死んでいた。男はまるで毒でも飲んだかの様な、苦しそうな表情を浮かべていた。

 後になって分かったことだが、その男は遠くで多くの人を殺した、恐ろしい男であった。自分の犯行であることがばれ、ここまで逃げてきたらしい。

 男に覆いかぶさっていた骸骨達。彼等は、男に殺された人々で、彼に復讐をする為にここまで追ってきて、彼を殺したのではないか……と村人達は思ったという。


『鞠娘』

 村に時々現われる、少女の姿をした化け物。彼女は気に入った人を、人気の無い場所まで連れて行き、その人を殺す。そしてその首を切り、鞠にするのだという。彼女の力が込められた首は、普通の鞠と同じようによく跳ねる。

 しばらくすると、少女はその首に飽き、また新たな「鞠」を手に入れる為、再び村に姿を現すという。


『影踏み』

 影踏みして遊びましょう、と誘ってくる可愛らしい少女。その外見に騙され、遊んではいけない。

 彼女と影踏みで遊び、影を踏まれた者は近いうちに死んでしまうという。


『目には目を』

 ある男が、猪の子供を殺し、猪鍋にして食った。

 その夜男の夢の中に大柄な女が現われた。女は顔を真っ赤にしながら、大声をあげ、泣いていた。


「よくもおらの大事な子供を殺してくれたな。絶対に許さんぞ」


 数年後、男にとって一番の宝であった愛娘が殺された。

 村人の一人が、一匹の猪がその子めがけて突進し彼女を殺した瞬間を見ていた。猪はその子を殺すと、そのまま山へと消えていったという。


『熊もびびる』

 巫女の桜は兎に角すごかったらしい。ただ睨んだだけで、熊さえびびって逃げ出したとか。


『赤顔地蔵様』

 桜山のふもとに、六体の地蔵様が並んでいる。そのうちの一体は、顔が何故か真っ赤になっている。拭いても磨いても、何をしても色は変わらないという。

 何でもその地蔵様は、昔自分の体をせっせと洗ってくれていた娘に一目ぼれし、顔を真っ赤にしてしまったらしい。娘亡き後もその顔は一向に元に戻らなかったとか。


 お供え物を盗まれて怒ってしまい、今もまだ怒り続けてから顔が真っ赤になっているのだと言っている者も居る。


 経緯はどうあれ、赤顔地蔵様の顔が本当に赤いことに変わりはない。私もこの目でしっかりと見ている。ただ昔に比べるとその色は大分薄くなり、徐々に元の色に戻りつつあるようだ。


『大食い太郎』

 昔大食い太郎と呼ばれた男が居た。裕福な家に生まれた彼は兎に角、大喰らいだったらしい。家の財産の多くが彼の食費で消えたという。

 ある日、村に一人の大きな鬼がやって来た。鬼は大食い太郎の噂を聞きつけ、わざわざやってきたらしい。鬼は大食い太郎に勝負を挑んだ。


「俺と大食いで勝負しよう。お前が勝ったら、俺の持つ宝をやろう。でももし俺が勝ったら、俺はお前を食う」

 周りの人は止めたのだが、大食い太郎は聞く耳持たず、その勝負を受けてたった。


 二人は恐ろしい量を食い続けた。勝負は何時間にも及んだという。

 やがて鬼が苦しそうに呻き始め、とうとう降参した。大食い太郎は「これ位で降参なんて、情けないなあ」と言ったという。

 鬼は大食い太郎に約束通り、金銀財宝を与えた。


 矢張りその金銀財宝も、大食い太郎の食費に消えてしまったらしい。


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