プロローグ
今日なんと快晴なのだろうか…。
空一面雲ひとつない青空が広がっている。
おまけに桜も満開ときた。
正直言って、絶好の入学式日和だと俺は思った。
そう今日は高校の入学式なのだ。
今、俺の目の前にも【ご入学おめでとうごさいます】とでかでかと書かれた看板が校舎の窓ガラスに掛けられているのだから大層おめでたい日だ。
やはり、新しい生活の第一歩だと思うと胸が弾むものなのだろう。高校に入学して初めて出来た彼女とか、中学では入れなかった屋上に行けたり、購買で焼きそばパンを好きな子に買ってあげたりする青春を想像するものなのであろう。
しかし、多分俺が今日から通う学校にはそんな輝かしい青春は待っていないのだろう。それは、別に学校が悪い訳じゃないが多分皆同じで期待なんかしていないと思う。多分。いや、知らんけど。
俺が今日から通う学校は、特別支援学校…。
と言っても分からないだろうか。まあ言い方は悪いが障害者が通う学校だ。
病弱であったり、肢体が不自由であったり、聴覚視覚知力何かしらに問題がある人間に通う資格がある学校となっている。
俺、「宇都宮 宗太郎」は正直憂鬱である。中学では学校なんか通っていなかったし、高校も行く気なんてさらさらなかった。
しかし、通わなければならない理由があるのだ。なんとしても卒業しなければいけない理由が…。
だから、俺は仕方なく校門くぐった。
新しい生活の第一歩を。