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22.アルジャーノンに花束を読んで

アルジャーノンに花束を読み終わって、

やりきれなさが広がる

彼が見たものは一体なにだったのか


私が、今までの人生で見てきた

薄皮一枚のものと同じ質のものではなかったのか

そんな気すらする


……そして、私は、彼が天才であったときよりも

そうではない彼の方が、彼であるような気がしてならない

そして、それはなんだろう

ひどい皮肉のようにも思える


知的障害を持っている方が、人ではないようなモノのような扱いをされる

それはなにか

私にもあるもののような気がする


意思を尊重するという言い方は簡単かもしれないが

私は、それはある一面しか見ていないと考えている


アルジャーノンに花束をを読んでいると

それが胸に迫ってくる


薄皮一枚のそれは

酷く煩わしいものだとも思う


個を保ちたいと思うあまり

見えていないものはなんだろう

それは自らがのっぺらぼうであることよりも

怖いことなのではないだろうか


けれど、薄皮一枚を剥がした

ものも私であるのだから


以前なにげなく話した方の言葉を思い出す

「やさしいと感じるのは、皆、表面上だけそう繕っているからだ」

ひどく腐臭がこぼれそうな不潔な言い方をしたその方は

実際に彼が言った言葉よりも

彼自身を貶めたような気がした


言葉がなくなってしまえばこんなに悩まされないのだから、

言葉など要らないと

泣いて喚いたのは私がまだ6歳だったと思う

あの時話を聞いて頷いてくれた少女は、私に何を言っただろう


確か、こう言ったのだ

「……言葉がなくなったら困るんじゃない」

すごく不透明なことを言わされたというような幽霊を見たかのような表情で彼女は私に答えたと思う


あの時の私は、どのように言葉を返したのだろうか

薄ぼやけた瞬間の記憶は、話していた少女の顔すら蜃気楼のように確かではないのに、そういった雰囲気だけは正確に掴み取っているのだから、記憶とは不思議なものだ


私は、記憶を思う時、クリアな映像のテレビ画面よりも、

映写機で映し出されたような靄がかかったような映像の方がしっくりとくる

カタカタと映写機の音が響いてくるような気がする

映画館の中のあのほこりっぽい気難し気な塵のようなどこか湿ったような匂いと、声がないピンと一本なにか通ったような


そんな空気感

そういったものの方が、記憶に寄り添ってくれるような気がする


**


嫌がらせにすっごく長い文章投稿しようと思ったのですが、

それは流石に人としてどうだろうか……と


なんというんだろう。ご結婚されておめでとうございますと言うのも、色々な思いがあるというのか、いっぱい言いたいことがあるというのか、無いというのか、久しぶりに、あなたの歌を聴いて、こんなに下手だったっけ?ってびっくりしたりなんだか変な感じです。


久しぶりに、こちらに見に来て、きづいたものは、すごく薄っぺらくてびっくりさせられたり、こんなものだったのかなって改めて唖然としたり、なんというか、薄皮をはいで、見えたものに拍子抜けして、自分の見ていた世界の狭さに改めて驚いているところです。


なんというんだろう。言葉にすることも難しい気がするのだけれど、その薄皮が必要ないものだったのかそうではなかったのか、それはやっぱり判断がつかなくて、そういうことを改めて思ったりもしました。


なんというか……人生の繋ぎ目みたいな感覚です。……ふと、絶望しそうになったときの足掛かり。それが大きくなにかの流れになったりはしないのだけれども、漂着した先で、一端息をつけなければ、一歩足を踏み出せなかったのなら、それは必要な繋ぎ目だったのだと思います。


私は、やっと今そう思えていて、やっと一息つけたような感覚です。お二人は新たな船出となられるのでしょうが、漂着した先での一瞬の擦り切れたものというのか繋ぎ目で薄皮一枚分の、多分お二人には大したことの無い私にとってはなんだろう何かの分岐点というのか、そういった


大事な一瞬の薄皮な繋ぎ目だったような気がします。


やっと分岐点に出来ると私は、安心しているところです。お二人はあまりにも優しすぎて区切りはつかないのではとかなり無茶もしましたが、距離を完全に置いて頂けて本当にやっと安心しました。


これでやっと私も、新しい船出が出来そうです。嫌なことは沢山言いましたが、私はお二人が大好きですし、幸せになってほしいなと願っています。


随分と、漂流してしまいましたが、最後に漂着した先でお二人に出会えて、漂流はこれで最後に出来そうな身にしてみれば、信じては頂けないでしょうが、とてもとても感謝しています。


薄皮一枚の薄いものだったとしても、私には大事なものだったということ。それが全てかなという気もします。お二人に出会えてよかったです。有難う御座いました。失礼いたします。





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