12.足りないものは、作りこみである
小説を書く上で、今一、感情を文章にのせられない理由として、登場人物にリアルにのめり込めない、ことがあるからだと結論が出たように思います。つまり、一話完結型の詩などは、詳細な造り込みをせずに勢いで書くことが可能なのですが、形式によっては独白一本で済ませることも出来る。小説では、難しいということ。何故なら、物語には、必ず矛盾しない舞台や、きっちりした人生を持ったそれぞれのキャラクターがきちんと生き、動いているのですから。私が、小説にのめりこめなかったのは、設定がたり止まりで物語が進んでいたからなのだろうと思います。キャラクターも舞台(世界観)も作りこみが甘く、作者自身もリアルに物語の中に入りこめていなかったことが、感情を乗せて書けない理由でした。
勢いで書ける分量の世界観や、その一瞬のキャラクターの感情をリアルに想像するだけならば、頭に浮かんだそのままを勢いで描き切ってしまえば良いわけです。……そう、一枚絵を描くように。
……でも、小説は、一枚絵ではない。絵で解りやすく表現するならば、漫画と同じ分量の詳細な作りこみ、事前の前提の情報が要るわけです。(当然だろと思われた皆さま、作者は今初めて気づきました……)何故ならば、物語上とはいえ、人間が生きていて動くのであれば、その人間にはバックグラウンドが無ければリアルではないし、実在し、生きているのならば、その人間が暮らすための環境がそこにリアルにないと成り立たないからです。何故なら、物語上であれ、その人間は生活し、生き、ものを考えているのだから。それがしっかり固まっていなければ、リアルに想像にも至れず、次いでにバッググラウンドや環境の状況や、それら必要なものが俯瞰した映像としてリアルにイメージ出来ないのだから、一枚絵程度の細切れな想像力しか用意していない身の上では、映像が頭の中をリアルに回り、感情を乗せて文章を書くなど、出来る筈もなかったのです……。
私が行わなければならない改善点が見つかったので、そのような強化を今後行おうと思います。
感情の乗った小説を描く、今の私の目標です。




